股関節や背骨の周りを中心にほぐすのがポイント
null春は溜まった冬の疲れをリセットし、夏に向けて体を整える時期。そこで、体の老廃物を排出してスッキリとデトックスできるヨガを、ハタヨガ講師の若松由貴子さんが考案してくれました。
「デトックスとは、体に不要なものを流すことで、排出、促進がキーワード。なかでも股関節は5大リンパ節の1つで、股関節をゆるめることで、リンパ液の流れを促進し、効率よく老廃物を排出することができるんです。全身の血行を促進するポーズも入っているので、血液の流れもスムーズになりますよ」(以下「」内、若松さん)
これから人間の体は、夏に向けてシフトしていきます。デトックスヨガで体の内側から整えていきましょう!
「デトックスヨガ」で老廃物を排出!
null(1)合せきのポーズ
まずはヨガではおなじみの「合せき」のポーズから。股関節をゆるめ、老廃物を排出します。
両足を揃えて座り、膝を曲げて外に開き、手の平で足の指を包んで背中を伸ばします。膝を上下にやさしく動かし、自然な呼吸をしながら、股関節周りの力みをほどいていきましょう。
「自分の股関節の状態に合わせて、心地よければ大きく動いてみてください」
少しずつ足の動きを止め、吸いながら背中を伸ばし、吐きながら両足の間にお腹を倒します。ここで呼吸をゆっくりと繰り返します。
(2)らくだのポーズ
次は両膝を揃えて膝立ちになり、足の間はこぶし1つ分ほど開け、爪先を立てます。手の平をお尻に当て、肘を内側にしまい込み、肩甲骨を引き下げて肩周りをリラックス。
吸いながらお腹と胸を開き、少しずつ上体を後ろに倒していきましょう。ももの前が伸びるのを感じながら、胸の真ん中を引き上げてください。
「胸を開くことでリンパ液や血液の流れを促し、デトックスにつながります」
吐きながら戻って背中を丸くし、こぶしを2つ重ねて額をのせます。刺激されていた背面をゆるめ、ふわっと脱力してください。
(3)猫のポーズ
四つんばいになり、肩の真下に手首、骨盤の真下に膝を置き、体の中心を整えます。吐きながら、右腕を左肩の下に差し込んで、頭を真下に倒しましょう。安定していたら右手の甲を左の腰に添え、体をしっかりねじります。反対側も同様に行ってください。
「体をねじることで全身を活性化。代謝アップに効果的で、内臓にもいいですよ」
(4)うさぎのポーズ
四つんばいになり、吐きながらかかとの上にお尻をのせ、頭を下げます。手の平を顔の真横に置いて、外側に向いている肘を中へ入れ、脇を閉めましょう。吸いながらお尻をゆっくりと持ち上げ、頭頂をマットに付けます。ここで呼吸をし、吐き切ったらかかとの上にお尻をのせ、こぶしを2つ重ねて額をのせます。
「脳の方に溜まった血液が、全身に流れていくのを見守りましょう。頭を心臓よりも下げることで、全身への血流を促します」
落ち着いたら、吸いながらロールアップで起き上がり、そっと息を吐き出して脱力しながら余韻を味わいましょう。
実際にやってみると、静かな動きが中心なのですが、じわ〜っと効いてくるのを感じます。特に頭頂を床に付けるうさぎのポーズは、頭が逆さまの状態になり、普段はなかなか行わない動き。頭に血が集まって、ゆっくり起き上がることで、サーッと血液が巡っていく心地よさを感じました。猫のポーズもしっかり深部から体をねじることができて、スッキリ気持ちいい!
知らず知らずのうちに、春は疲れが溜まりやすい季節。体に溜め込んだ老廃物を排出する心地よさを、ぜひ体験してみてくださいね。
次回は「代謝アップヨガ」を紹介します。
【取材協力】
若松由貴子
心と身体をバランス良く鍛えることができるオンラインスタジオ『Veda Tokyo』所属。さわやかな笑顔と丁寧で分かりやすいレッスンが人気。アディダスグローバルランニングコミュニティadidas Runners Tokyoのヨガ講師を務める。2015年より毎年インドに渡り、ヨガの学びを深めている。指導歴10年。2人の子どもの母。
取材・文/岸綾香