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慣れれば簡単!せいろ専門店で聞く「せいろの使い方/お手入れ方法」5つのポイント

せいろ大好き料理家の神田えり子さんが、せいろ専門店に伺ってせいろについてあれこれ学ぶ企画。前回はせいろの種類の紹介と選び方を教えてもらいました。今回は、せいろの使い方とお手入れ方法についてご紹介します。

難しくない!「せいろの使い方」

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こんにちは。料理家/フードエッセイストとして活動している神田えり子です。野菜をたっぷり使ったおばんざいが得意です。

前回、東京・阿佐ヶ谷にある『かごや』に伺い、せいろの選び方を詳しくお聞きしました。引き続き、今回は使い方とお手入れ方法についてご紹介します。

左:神田さん、右:『かごや』阿部さん。
さまざまな素材やサイズのせいろがズラリ。

「せいろってめんどくさいんでしょ?」と思っている人にこそ伝えたい! たったいくつかのポイントをおさえるだけで、せいろがもっと気軽で身近な存在になること間違いなしです。

ポイント1:使う前に濡らす!

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せいろは、食材を入れる前に身(本体)の部分全体を水でしっかり濡らして、水気を切ります。蓋の部分はあまり濡らすと、余分な蒸気が抜けにくくなるのでさっとでOK。

水で濡らすことで、食材のにおいと水分がせいろに染みること、熱で焦げついたり、変形することを防ぎます。

ポイント2:食材の下には何を敷く?

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キャベツや白菜の葉など。
市販の穴あきペーパー。
お皿ごと蒸しても。
おこわなどを蒸すときは蒸し布を。

次に食材をせいろに入れるときのポイントです。

底面に直接食材をのせても問題ないですが、食材がくっついたり、油がしみたり、色移りするのを避けたい場合は、クッキングシートやそのまま食べられる白菜やキャベツなどの葉物を敷いたり、皿にのせてから入れると安心。

肉などの余分な油を落としたいときは穴開きのクッキングシートを。自分でサイズを合わせてカットしてもいいですが、市販品もあります。

なすなど色移りしやすい食材を使うときは、穴のないクッキングシートを直径より大きめに切り、せいろの側面にも当たるように広げるとよいですよ。

ポイント3:加熱時の火加減

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よく濡らしたせいろも、火にかけるときに鍋底よりも火が大きいと外側の熱が高くなりすぎて焦げてしまうことも。特に蒸し板を使用する際にせいろよりも鍋が小さいと火が当たりやすいので、注意しましょう。

また、空焚きをしないよう鍋にはたっぷりとお湯を沸かし、特に調理時間が長い場合は途中で水の量を確認し、少なくなっていれば足すのが基本です。

ポイント4:基本は水洗いだけでOK

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普段使っているスポンジでさっと洗うだけ。
シュロを束ねた「たわし」は、適度に柔らかくせいろを傷つけません。

使ったあとのお手入れが一番気になる、という声も聞きます。実はせいろはたわしやスポンジで水を流しながら洗うだけで大丈夫! 拍子抜けするほど簡単です。

木や竹に成分が浸透してしまうのを避けるため、洗剤は使いません。ただ、豚肉を蒸したりと油分の多いものを使ったあとにベタつくようなら、少量の中性洗剤を使っても大丈夫。そのあとはよく洗い流してください。

ポイント5:洗ったらしっかり乾かすのが鉄則!

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乾かすときはこのスタイルがおすすめ。
棚の中にしまいこむより、風通しの良い場所で保管しましょう。

洗ったら必ず通気性が良いところで陰干し! よく乾かさないとカビが生える原因になります。濡れて重ねたままだと乾きにくいので、釘やS字フックにひとつずつひっかける方法がおすすめ。

しっかり乾いたあとは重ねて、風通しのいい棚の上などに。通気性が悪い棚の中に置いておくのは避けたほうがいいでしょう。

それでもカビが生えてしまったら?

ちゃんと乾かしたつもりでも、自然素材のものなのでカビが生えてしまうことも。ふわふわしたカビはなんとかセーフ。しっかり取り除いたあと、よく洗って乾かしましょう。黒ずんできてしまったら、軽くヤスリをかけるのも一つの方法です。

 

前回に引き続き、今回も『かごや』さんで伺い、せいろの使い方とお手入れ方法について教えてもらいました。聞いてみると、思っていたよりずっと簡単! 教わったポイントに気を付けて、長く愛用したいですね。

ぜひ皆さんにも気軽に使ってもらい、身近な調理器具としてせいろのある暮らしを楽しんでほしいなと思います。

次回からは、せいろを活用した簡単レシピをご紹介します。


【取材協力】『かごや』/タクミ製作所

手づくりのかごバッグ専門店の『かごや』、その姉妹店として「キッチン専門店 タクミ製作所」を運営。せいろのほかにも竹ざる、竹の弁当箱、掃除用のほうきやはけなど、自然素材を活用した、プロ仕様のオリジナルアイテムを取り扱う。

〒166-0004 東京都杉並区阿佐谷南3-38-22

公式Instagram:https://www.instagram.com/kagoya_official/

オンラインショップ:https://www.kagoya-onlinestore.jp/shopbrand/ct4/

神田えり子
神田えり子

料理家・フードエッセイスト。
大学卒業後、広告代理店で営業として勤務。大手料理教室講師を経て、兵庫県宝塚市にて料理教室主宰。その後拠点を東京に移し、料理家活動を開始。旬の野菜を使ったおばんざいを得意とする。

レシピ開発、フード関連のエッセイやコラムの執筆のほか、イベントやテレビショッピング、企業Instagramへの出演、司会進行など幅広く活動。

KEITA・服部みどりとともに料理家ユニット<C (クレッシェンドシー) のメンバー。食品メーカーへのレシピ提供、食イベント対応なども行う。

著書「カラダよろこぶ オイルおにぎり」(辰巳出版)
Instagram:@erikocookingsalon
ブログ:https://eriko-kanda.com/

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