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今年こそ「せいろデビュー」したい!専門店に聞くせいろの種類と選び方ガイド

近頃、「せいろ」が気になる!欲しい!という声をよく聞きます。でも、ネットショップなどを見ても、お値段もピンからキリまで、種類も多いし、どれを買っていいか迷いますよね。
そこで今回は、せいろが大好きな料理家の神田えり子さんが、せいろの専門店を訪問。せいろの選び方のポイントを教えてもらいました!

意外と選択肢が多いせいろ、選び方は?

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こんにちは。料理家/フードエッセイストとして活動している神田えり子です。野菜を使ったおばんざいをよく作る私にとって、せいろは料理の強い味方。

上級者向けの道具と思われがちですが、実は調理の仕方は簡単! 素材が活きた味わいは格別で、一度使えば虜になります。

「使ってみたい!」と思っていても、素材・サイズ・価格など、どれを選べばいいか迷ってしまう方が多いはず。今回は、そんな悩みを解消するべく、東京・阿佐ヶ谷にある『かごや/タクミ製作所(以下かごや)』でお話を伺ってきました。

左:神田さん、右:『かごや』阿部さん。
さまざまな素材やサイズのせいろがズラリ。

せいろには「和せいろ」と「中華せいろ」の2種類がある

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こちらが「和せいろ」。蓋が木製なのが特徴。身の部分にも深さがある。
おこわを蒸すときなどは蒸し布を使用します。

まず、せいろには、「和せいろ」と「中華せいろ」があります。和せいろの特徴は

  1. 木蓋を使用する
  2. 身(せいろの本体部分)に深さがある

の2点。蒸気を逃しにくく、深さがあるのでおこわなどの米料理、茶碗蒸しなど高さのある器を使用する料理を作るのに向いています。蓋についた水滴が食材に落ちるので、蓋と身の間にフキンや蒸し布などを挟んで使用します。

こちらは「中華せいろ」。

一方、中華せいろの蓋は網代(あじろ)編みでできていて、蒸気がほどよく抜けます。和せいろのように蒸し布などを使用する必要がなく、扱いやすいです。

今回はこの中華せいろを中心にご紹介していきます。

素材は3種類。どれがおすすめ?

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素材は主に杉、竹、桧(ひのき)の3種類があります。香りや耐久性、値段などが素材によりさまざまです。

左から、杉、竹、ひのき。

【杉】手軽に挑戦できる!初心者さんにも

杉独特の香りが漂い、料理にほのかによい香りが移ります。

価格は3種類の中では一番リーズナブル。耐久性は、他の2つの素材と比べると高くはありません。

そうは言っても正しく扱えば何年も使えるので「まずはせいろデビューしたい!」という初心者さんにはこちらがおすすめです。

【竹】バランス良し!料理の香りを邪魔しにくい

竹は、ほかの2種に比べて香りが少ないことから好んで使う人も多い素材。耐久性が高いので、普段からよくせいろを使う人、少しでも長く使いたい人にもおすすめです。

価格は杉とひのきの間といったところ。いろいろな面でバランスがいい素材です。

【ひのき】丈夫な高級素材

お風呂などにも使われる、香りのよい木材です。料理にほんのりと木の香りがつきます。枠の部分までしっかりと厚みがあり、耐久性が高いですが、価格もそれなりに高くなります。

3つの素材の比較をしましたが、扱い方は基本的には同じ。なので、まずはせいろで料理をしてみたい!という人にはお手頃な杉、せっかくなのでもう少し丈夫なものがいいかなと思えば竹、長くいいものを使いたい場合はひのきといった選び方ができます。竹やひのきは、すでにせいろを持っている人が買い足すのにもよさそうです。

『かごや』では杉製のせいろでも枠の部分は竹を使用しており、割れたり剥がれたりしないよう強度を増しています。

留め具が桜の木の皮や釘打ちのもの、底の部分が竹のすのこ状のものなど種類も様々。これも耐久性や好みでチェックして選んでみてください。

参考として、『かごや』で扱っているものでは、21cmサイズの中華せいろ(身のみ)で価格を比較すると

  • 杉:1,782円
  • 竹:2,574円
  • 桧:7,370円

とのこと(2023年12月時点の税込価格)。予算や使い方に合わせて選んでくださいね。

サイズは大小さまざま。ニーズに合わせて選ぼう!

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小さい順に、15cm、18cm、21cm、24cm。

中華せいろは15cmから36cmくらいまで展開があります。大は小を兼ねるといっても、あまり大きいと保管スペースに困ったり、手に余ってしまうかも。

『かごや』で最近の一番人気は18cmだそうです。1段で一人分の料理にちょうどよく、2段重ねにすれば二人分を同時に作れる使いやすいサイズです。

育ち盛りの子どもがいてよく食べる、せいろにお皿を入れて調理したい、という場合にはもうちょっと大きめの21〜24cmがいいかな、と思います。私の家でもメインで使用しているのは21cmです。

サイズ別の使用感はざっくり以下のような感じです。

  • 27cm:大きめの皿も入るが、かなり大きめ。おもてなしや、家族が多い人にはいい。
  • 24cm:3人前くらい。扱いやすいサイズで小さめのお皿なら入る。
  • 21cm:2〜3人前くらい。18cmじゃ小さい、もうちょっと食べたいという人向け。
  • 18cm:1段で1人前が目安。2段重ねてご飯と同時調理したり、2人分のおかずを作ったりするのにいいサイズ。そのままで食卓に並べやすく、今一番人気。
  • 15cm:小さめ。肉まんなど中華点心向きのサイズ。

手持ちのお鍋で使える?

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『かごや』の担当者さん曰く「鍋が要!」とのこと。実は、こちらのお店は40年ほど前に、家庭用にせいろと専用鍋をセットで売り出した先駆者なのだそう!

せいろの良さを活かすには、蒸気が漏れないように、できればピッタリとサイズの合った専用の鍋を用意するのがベストだといいます。

手持ちの鍋を使用したい場合は、「蒸し板」という真ん中に穴の空いたアルミ板を使用します。これを鍋とせいろの間に挟むと、サイズの合わない鍋でも使えます。

鍋の取手に乗り上げてしまうなど、不安定だと危険ですし、蒸気が漏れてしまってせっかくのせいろ調理がうまくできないこともあるので気を付けましょう。

鍋のサイズにぴったりならそのまま使える!
サイズが合わない場合は「蒸し台」をはさめば大丈夫。

また、深さのない鍋やフライパンだと、湯が少なく蒸気が少ないばかりか、空焚きの危険もあるので避けた方が無難です。せいろのサイズに合ったもの、安定のいいものを用意してください。鍋のフチに厚みがある土鍋もおすすめだそうです。

家で使っている鍋をお店に持ち込んで、サイズを確認していくお客さんもいるそうですよ!

裏ワザ!高さを出したいときはひっくり返す!?

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今回の取材の中で、お店の方から目からウロコの裏技を教えてもらいました! 私が長年せいろを使っていて唯一の悩みだった、「せいろの高さ問題」。

例えば、茶碗蒸しの器が、せいろよりも高さがある。となると、蓋がうまく閉まらず、結局使いたい器を入れ変えることに……。それがこの裏技であっという間に解決!!

身の部分をひっくり返すと高さに余裕が出ます。

  1. せいろの身を1つ鍋の上に置く
  2. そこに蒸したいものを並べる
  3. もう1つのせいろの身をひっくり返してのせる
  4. その上に蓋をのせる

すると空間ができ、高さが取れるのです。これで、せいろ調理がまたひとつ便利になりました。

 

今回は『かごや』さんで、せいろの選び方についてたくさんお話を伺いました。実は私も知らなかったことがたくさん。またせいろを買い足したくなってしまいました。

皆さんもそれぞれに合った、使いやすいサイズや素材を選んでみてくださいね。次回は、せいろの使い方や注意点についてご紹介します。


【取材協力】『かごや』/タクミ製作所

手づくりのかごバッグ専門店の『かごや』、その姉妹店として「キッチン専門店 タクミ製作所」を運営。せいろのほかにも竹ざる、竹の弁当箱、掃除用のほうきやはけなど、自然素材を活用した、プロ仕様のオリジナルアイテムを取り扱う。

〒166-0004 東京都杉並区阿佐谷南3-38-22

公式Instagram:https://www.instagram.com/kagoya_official/

オンラインショップ:https://www.kagoya-onlinestore.jp/shopbrand/ct4/

神田えり子
神田えり子

料理家・フードエッセイスト。
大学卒業後、広告代理店で営業として勤務。大手料理教室講師を経て、兵庫県宝塚市にて料理教室主宰。その後拠点を東京に移し、料理家活動を開始。旬の野菜を使ったおばんざいを得意とする。

レシピ開発、フード関連のエッセイやコラムの執筆のほか、イベントやテレビショッピング、企業Instagramへの出演、司会進行など幅広く活動。

KEITA・服部みどりとともに料理家ユニット<C (クレッシェンドシー) のメンバー。食品メーカーへのレシピ提供、食イベント対応なども行う。

著書「カラダよろこぶ オイルおにぎり」(辰巳出版)
Instagram:@erikocookingsalon
ブログ:https://eriko-kanda.com/

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