石けんの量は少なくていい?「重曹を使った洗濯」基本のキ
null重曹には汚れを中和して分解したり、水を軟水化したりする作用があるのに対し、石けんには汚れを包み込んで浮かせる作用があります。
両者を組み合わせれば、互いの相乗効果で洗浄力がアップ! 白い衣類はより白く、色柄物はくっきりのお洗濯ができます。石けんは合成洗剤ではなく、天然素材のものを。成分表示に「純石けん分(100%)」、「脂肪酸ナトリウム」などと書いてある洗濯用のものを選びましょう。
さらに、仕上げに酢を加えれば、柔軟剤の代わりになります。ちなみに、酢のにおいは揮発するので洗濯物に残ることはありませんが、気になる場合は、クエン酸で代用してもOKです。
まずは、重曹を使った基本の洗濯方法をご紹介します。
(1)水を張った洗濯槽に重曹を入れる
重曹の軟水化作用を活かしたいので、石けんよりも重曹を先に入れます。分量は、洗い水の0.2%ほど。たとえば、水50リットルに対しては、重曹100g(カップ2分の1強)が目安になります。
(2)洗濯用石けんと洗濯物を入れる
重曹の1割程度の洗濯用石けんを入れます。たとえば、重曹100gなら洗濯用石けんの分量は10gになります。液体石けんの場合、その3倍の30mlを使用しましょう。
通常の洗濯よりも石けんの使用量は少なめですが、重曹のサポートがあるので、この分量で十分きれいに洗濯できるのです。
(3)洗濯物を入れる
洗濯物を入れたら5分以上、できれば一晩おきましょう。
(4)洗濯機を回して、最後のすすぎに酢を加える
通常通り洗濯機を回し、最後のすすぎの際に、水の0.1%分の酢を加えます。酢のリンス作用で、洗濯物が柔らか仕上げに!
重曹でシミや黄ばみをきれいにする方法
null衣類のシミや黄ばみは、洗濯機に入れる前の一手間で、きれいにすることが可能です。
(1)重曹ペーストを汚れに直接つける
重曹1/2カップに水50mlを加えて練った重曹ペーストを、シミや黄ばみ汚れに直接つけます。しばらくおいて、重曹ペーストを汚れになじませましょう。
(2)酢をたらして泡立たせる
アルカリ性の重曹に酸性の酢を合わせると、中和作用でシュワシュワと発泡します。この泡が繊維の奥の汚れを浮き上がらせてくれるのです。
(3)いつも通り洗濯機で洗う
汚れの程度が軽い場合は、(2)をスキップして、重曹ペーストといつもの洗濯のみで落とすことも可能です。まずは(1)+(3)で試してみて、汚れが落ちなければ、“重曹ペースト+酢”のスペシャルケアを。
重曹を使って果汁やワインのシミを落とす方法
null果汁やワインをうっかりこぼしてしまった!……なんて涙目な事態でも、なるべく早く重曹で対処すれば大丈夫。
(1)汚れに重曹粉をたっぷりかける
まずは、シミの上に重曹粉をたっぷりかけて、汚れを吸い取らせます。
(2)熱湯をかける
シミが少し薄くなったら、シミの部分をしっかり広げて、熱湯を外側から内側に向けてゆっくりかけます。
時間が経ってからでは効果がないので、シミができたら即座にケアしましょう。また、熱湯のかける向きはまちがわないように。内側から外側に向けると、輪ジミが広がってしまうので、外から内へ汚れを追い詰めるようにかけるのがコツです。
重曹を使って洗濯槽を掃除するには?
nullせっかく洗濯しても、洗濯槽にカビが生えていると、洗濯物がにおう原因になります。重曹には、カビがエサとする汚れを分解し、カビの発生を防いでくれる作用があるので、ぜひ重曹を活用して、洗濯槽をきれいに保ちましょう。
また、すでに汚れてしまった洗濯槽には、酢や酸素系漂白剤が有効です。洗濯槽のケアは汚れの程度に応じて、下記3段階に分かれます。
(1)汚れが少ない:毎日の洗濯後に洗濯槽全体に重曹を振りかける
洗濯が終わったら、洗濯槽全体に重曹を振りかけましょう。重曹には消臭・吸湿作用もあるので、まんべんなく振りかけておくことで洗濯槽のにおいや湿気を除去でき、カビの発生を予防することができます。
重曹をかけた洗濯機は、翌日そのまま使用してOK!
※ ドラム式洗濯機のなかには、粉末を直接ドラム内に入れないほうがよい機種もあります。取り扱い説明書を必ず確認しましょう。
(2)汚れが中程度:汚れが気になる場合は酢を使う
洗濯槽の汚れが気になる場合は、満水の洗濯槽に酢の原液2~3カップを入れて、洗濯機を数分間、回しましょう。酢はカビの温床となる石けんカスをよく取り除いてくれます。
一晩おいてから、洗濯槽をよくすすげば、大抵の汚れは撃退できるはず。
(3)汚れが深刻:徹底的にカビケアするには酸素系漂白剤を使う
長らく洗濯槽のケアをしておらず、洗濯物に黒いワカメのような汚れが……。そこまで洗濯槽の汚れが深刻な場合は、より強力な酸素系漂白剤を使いましょう。
酸素系漂白剤は、カビを殺菌し、石けんカスを溶かしてはがす作用があります。満水の洗濯槽に酸素系漂白剤2~3カップ入れ、ときどき洗濯槽を回しながら一晩おきましょう。
翌日、はがれたカビが出てこなくなるまでよくすすげば、洗濯槽がすっかりきれいに。
ただ、洗濯槽をきれいに保つ基本は、(1)の日々の重曹ケアです。湿気こそがカビの元凶ですから、洗濯するごとに重曹を振りかけ、洗濯槽のフタはなるべく開けておきましょう。
このほか、すすぎの際に重曹を入れると生乾きのにおいを予防できたり、水洗いに向かないデリケートな素材は重曹粉のブラッシングできれいにできたりなど、重曹はクリーニングのさまざまな方面で活躍してくれるようです。
また、記事では目安の分量を記載していますが、重曹は基本的に使いすぎても害にならないもの。「えーと、この場合は何gだったっけ?」などと、あまり神経質にならずに、重曹を気軽に日々の洗濯に取り入れてみては?
【監修】
岩尾明子・・・未来型ナチュラル生活研究家。博士(栄養学)。1998年に始まったインターネットサイト「地球に優しいお掃除」を運営する環境NGOクリーン・プラネット・プロジェクト代表。衣食住における楽で自然な最新の情報をテレビ、雑誌、ネットなど多方面で発信している。
【参考】