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プリプリ「牡蠣のバター焼き」、悩みがちな「洗い方」も完全解説!【フライパンでパパッと魚料理#7】

健康のためにも週に何度かは魚料理にしたいけど、後片付けも大変だし、なかなか手を出せない。そんな人も多いのではないでしょうか。

「もっと気軽に魚を毎日の献立に取り入れてほしい!」というわけで、料理家の神田えり子さんに、手軽にフライパンで作る「魚料理のコツ」を教えてもらう連載です。

魚といっても、今回のテーマは「牡蠣」。フライパンでふっくらとバター焼きにします。迷いがちな下処理の方法や焼き加減、味付けなどのポイントをお伝えします。

加熱用でも生食用でもOK!おいしい「牡蠣のバター焼き」

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今回はスーパーで手軽に購入できる、殻を除いた「むき牡蠣」を使用します。「加熱用」と「生食用」の記載がありますが、加熱する場合はどちらを使用してもOKです。バター焼きにする場合は、身の大きなものを使うと、よりプリッとおいしくできます。

今回使ったフライパンはこちら

直径26cmのテフロン加工のフライパンを使用します。

【材料】(2人分)

・牡蠣むき身 1パック(約150g)
・バター(有塩) 20g
・醤油 小さじ1弱
・レモン(くし形切り) 適宜
・ほうれん草 適宜
・塩・黒こしょう(ほうれん草の味付け用) 適宜

【コツ1】下処理:塩分濃度3%の塩水で洗う

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牡蠣はパッと見はきれいでも、実はヒダの部分に汚れが溜まっていることがあります。汚れは臭みのもとにもなるので、丁寧に下処理をします。

牡蠣を洗う際には「塩水で洗う」「片栗粉で揉み洗い」「大根おろしを使う」など、いろいろな方法がありますが、今回は手軽な「塩水で洗う」方法で調理します。

まずは、パックに入っている水があれば、ザルに上げて切ります。ボウルに水500ml、塩大さじ1(約15g)を目安に、約3%の塩分濃度の塩水を作り、牡蠣を入れて揺するようにして「振り洗い」をします。海水と同じ塩分濃度の水で洗うことで、身が縮みにくくなります。

振り洗いしたら塩水を捨て、真水を2〜3回替えながら、なるべく手早く洗います。

せっかく洗っても、水気が残っていると、臭みや加熱時の油ハネの原因になるので、ペーパーでしっかりと拭き取ります。

それでも汚れが気になる場合は「片栗粉で洗う」

「むき牡蠣」として売られているものは比較的汚れが少ないですが、もっときれいにしたい場合は片栗粉を使います。

さっと真水で洗ってから、片栗粉(大さじ1程度)で揉みます。そうすると片栗粉が牡蠣の汚れが吸着して黒っぽくなるので、その後真水で2〜3回洗って粉を取り除きます。片栗粉で揉み洗いすると、身がよりプリッとする効果も期待できます。

※薄力粉は洗い流しづらいので代用はおすすめしません。

大根おろしを使用する場合は、200g分くらいの大根をおろし、ボウルに汁ごと加えて揉み洗いしてから、水で洗います。これは和食で使われる手法ですが、大根おろしをわざわざ用意するのもちょっともったいなく感じるかもしれません。

【コツ2】薄力粉をうすくまぶす

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下処理が済んだら、焼く直前に薄力粉をまぶします。これで牡蠣の水分が流れにくくプリッと仕上がり、表面は香ばしく焼き上がります。

たくさん粉をつけるとせっかくの牡蠣の食感が楽しめないので、粉はできるだけうすくつけるようにしましょう。

【コツ3】バターは2回に分けて入れる!

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バター焼きは、バターを入れるタイミングにコツがあります!

まずは、分量の2/3量くらい(約15g)のバターを熱してないフライパンに入れ、中火にかけます。

バターは熱したフライパンに入れると一気に焦げることがあります。入れてから点火するようにしてください。

半分くらい溶けてきたら、薄力粉をまぶした牡蠣を並べます。完全に溶けてから入れるよりも、さらに焦げにくくなります。

残りのバターは味付け時に加えて、さらに風味ととろみを追加するので、おいておきます。

焼き色が付くまで1分30秒ほど焼いたら、裏返して反対側も1分30秒ほど焼きます。大きさに差がある場合は、大きなものからフライパンに並べ、小さなものから裏返すといいでしょう。

【コツ4】醤油は最後にジュワッと

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火が通ったら、醤油をジュワッと回しかけます。

残りのバター(約5g)を加え、手早く絡めます。しょうゆが焦げ付きそうなら、火を止めて行ってください。

おすすめの付け合わせ:ほうれん草のソテー

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牡蠣を盛り付けたら、同じフライパンで付け合せにほうれん草を炒めるのもおすすめです。

ほうれん草に牡蠣の風味の残ったバターしょうゆを絡め、塩・黒こしょうで味をととのえます。

茹でたほうれん草を使用していますが、生のままさっと炒めてもOKです。フライパンの油が足りなければ、バターやオリーブオイルを足してください。

くし形切りのレモンと共に、牡蠣に添えたら完成です。付け合わせは他にも、クレソンや、粉吹きのじゃがいもなどでも。

鍋やフライにしてもおいしい牡蠣ですが、バター焼きは下処理さえ丁寧に行えば、そのあとは簡単なのに絶品!

今回はバターしょうゆ味にしましたが、みじん切りやすりおろしにんにくを加えたり、みりんとしょうゆで味付けたりしてもおいしいです。ご飯のおかずにお酒のお供に、ぜひお試しください。

神田えり子
神田えり子

料理家・フードエッセイスト。
大学卒業後、広告代理店で営業として勤務。大手料理教室講師を経て、兵庫県宝塚市にて料理教室主宰。その後拠点を東京に移し、料理家活動を開始。旬の野菜を使ったおばんざいを得意とする。

レシピ開発、フード関連のエッセイやコラムの執筆のほか、イベントやテレビショッピング、企業Instagramへの出演、司会進行など幅広く活動。

著書「カラダよろこぶ オイルおにぎり」(辰巳出版)
Instagram:@erikocookingsalon
ブログ:https://eriko-kanda.com/

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