その「ししゃも」、「本物のししゃも」じゃないかも?
nullスーパーで一般的に「子持ちししゃも」などとして売られているものは、「カラフトししゃも(カペリン)」の丸干しで、北海道の太平洋沿岸のみで獲れる「ししゃも」とは別のもの。体表の色、ウロコ、口や目の大きさの違いで見分けることができます。
「カラフトししゃも」は「ししゃも」の味わいには及ばないとの声もありますが、お手頃価格で手に入りやすく、十分においしいのはありがたいところ。今回もこの手軽な「カラフトししゃも」を使っていますが、もちろん「ししゃも」も同様に焼けます。
両方とも、卵の触感がおいしい子持ちのメスと、脂のりのいいオスでも好みが分かれます。ぜひ、お好みのもので「フライパンでの焼き方」をお試しください!
今回使ったフライパンはこちら
直径26cmのテフロン加工のフライパンを使用しました。
【材料】(2人分)
- ししゃも 6〜10尾
- レモンなどの柑橘 適宜
- 青じそ 適宜
【コツ1】フライパン用ホイル使用!熱してから焼くとくっつきにくい
null今回はテフロン加工のフライパンを使用するので、そのままでもくっつきにくいのですが、より安心なフライパン用ホイルを使用します。後片付けもラクになるので、フライパンで焼き魚をするときは断然おすすめです。フライパン用ホイルを使わない場合は、サラダ油を小さじ2程度ひいて焼いてください。
フライパン用ホイルを敷いたら、中火で熱してからししゃもを並べると、よりくっつきにくくなります。これで、「ししゃもをグリルやフライパンで焼くと、皮が剥がれてしまう」という悩みが解決できます。
【コツ2】蓋なし!触らない!じっくり片面3分ずつ焼く
nullフライパン用ホイルを敷いて中火で熱したら、盛り付け時に上になる面から焼いていきます。先に焼く面の方が均一な焼き色が付きやすいためです。
尾頭付きの魚は、頭が左、腹が手前に盛り付けることを考慮して、最初にそちらの面を伏せて並べましょう。
弱めの中火で片面3分ずつを目安に焼きます。皮をパリっと仕上げるため、蓋はしません。また、何度も触ると皮が剥がれたり、身が崩れる原因になるので、ひっくり返すのは一度だけ。
シンプルな調理ではありますが、「じっくり焼く」というポイントを押さえれば、外はパリッと、中はパサつかずにふっくらと、満足できる焼き上がりになります。
火が通ったら、頭が左、腹が手前になるように盛り付け、好みでレモンなど好みの柑橘、青じそを添えます。
ししゃもは頭から尾まで、丸ごと食べられます。パリッと焼いた皮と、ふっくらとした身を楽しんでくださいね。
たっぷり野菜でアレンジ「南蛮漬け風マリネ」
null焼くだけでおいしいししゃもですが、たっぷりの野菜と一緒に、南蛮漬け風のマリネにすれば、豪華なメインになります。
今回は赤唐辛子を入れていませんが、好みで輪切りやホールのものを1/2〜1本分程度加えても。冷蔵庫で2日ほど保存できるので、作りおきにもぴったりです。作ってすぐの野菜がシャキシャキした状態のもの、冷蔵庫で冷やしてしっかり味がなじんだもの、それぞれのおいしさがあります。
【材料】(2人分)
- ししゃも(焼いたもの) 6〜10尾
- 玉ねぎ 1/6個(約40g)
- にんじん 1/4本(約40g)
- セロリ 1/2本(約40g)
- セロリの葉 適宜
<A>
- 酢 大さじ3
- オリーブオイル 大さじ1/2
- 砂糖 小さじ4
- 塩 小さじ1/4
- 黒こしょう 少々
【作り方】
(1)玉ねぎは繊維に沿った薄切りにする。にんじんは5cm長さの細切りにする。セロリは筋を除いて5cm長さの細切りにする。セロリの葉は3cm幅に切る。
(2)バットに<A>を入れてよく混ぜ、(1)を加えて混ぜ、5分ほどおく。
(3)焼いたししゃもを加えて、10分以上おく。
生の魚に比べて下ごしらえが必要なく、調理も簡単なししゃもですが、コツを知ればさらにおいしく仕上がります。ぜひ、日々の献立に取り入れてみてくださいね!
【参照】
・北海道水産林務部森林海洋環境局「シシャモ(柳葉魚)」https://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/gid/fis010.html
釧路市漁業協同組合「シシャモ大辞典:シシャモとカラフトシシャモ」
https://www.gyokyou.or.jp/sisyamo/sisyamo05/
料理家・フードエッセイスト。
大学卒業後、広告代理店で営業として勤務。大手料理教室講師を経て、兵庫県宝塚市にて料理教室主宰。その後拠点を東京に移し、料理家活動を開始。旬の野菜を使ったおばんざいを得意とする。
レシピ開発、フード関連のエッセイやコラムの執筆のほか、イベントやテレビショッピング、企業Instagramへの出演、司会進行など幅広く活動。
著書「カラダよろこぶ オイルおにぎり」(辰巳出版)
Instagram:@erikocookingsalon
ブログ:https://eriko-kanda.com/