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「ぶりの照り焼き」は5つのコツでふっくらテリテリ!【フライパンでパパッと魚料理#1】

健康のためにも週に何度かは魚料理にしたいけど、魚焼きグリルを使うと後片付けも大変だし、なかなか手を出せない。そんな人も多いのではないでしょうか。

「もっと気軽に魚を毎日の献立に取り入れてほしい!」というわけで、料理家の神田えり子さんに、手軽にフライパンで作る「魚料理のコツ」を教えてもらう連載が始まります!

第1回は「ぶりの照り焼き」。下処理の仕方から、焼き方、たれの配合まで。魚の臭みが気になる、身がパサつく……などの失敗知らず。ふっくらツヤツヤの「ぶり照り」に挑戦してみましょう。

フライパンのおすすめは「テフロン加工の26cm」

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今回はこちらの直径26cmのテフロン加工のフライパンを使用しました。

フライパンといっても、サイズや材質などはいろいろ。魚料理だけでなく、何にでも使いやすいのが直径26cmのフライパンです。2〜4人分まで幅広く便利に使えますが、食べ盛りの子どもがいる、たっぷり作り置きしたい!という人は直径28cmでも。

材質はこびりつきにくいテフロン加工のものが、調理もお手入れも簡単です。また、底面が厚めのものを選ぶと、火通りが均一になり、より一層おいしくできます。お手持ちのもので十分ですが、買い替えるタイミングがあれば、参考にしてみてくださいね。

また、さらにくっつきにくく、お手入れが楽になるフライパン用ホイルもありますが、今回のようにたれを煮詰めたり、絡めたりする料理には、ホイルは不要です。

フライパンで作るぶりの照り焼き

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それでは、早速今回のメニュー「ぶりの照り焼き」を作っていきましょう! 今回は2人分(2切れ)の分量ですが、4切れで作るときは、<調味料>はレシピの1.5倍を目安にしてください。

【材料】(2人分)

  • ぶり切り身 2切れ(1切れ100gくらいのもの)
  • ししとう 4本(なくてもOK)
  • 塩 小さじ1/4程度
  • 薄力粉 適量
  • サラダ油 適量

<調味料>

  • しょうゆ 大さじ2
  • 酒 大さじ2
  • みりん 大さじ2
  • 砂糖 大さじ1

ぶりの切り身には、脂の多い腹側と、比較的脂の少ない背側のものがあります。腹側の身は白っぽく、背側の身は赤めで、皮は黒っぽいのが特徴です。好みですが、今回は背側のものを使用します。

【コツ1】塩をふって臭みを取り、下味をつける

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まずは、魚特有の臭みを取るため、両面に塩をふります。下味にもなりますが、あとからたれも入るので、ここで塩辛くならないようにします。全体にうっすらとふる程度にしてください。

一般的な大きさのぶりの切り身2切れに対して、塩小さじ1/4くらいが目安です。

塩をふったら、10分ほどおきます。暑いとき以外は、室温でOKです。すると、塩の浸透圧でうっすら水分がにじみ出てきます。この水分と一緒に臭みも出てくるので、ペーパーで優しくトントンと拭き取ってください。これで、下処理は完了です!

【コツ2】焼く前の薄力粉でパサつき防止&たれが絡む!

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ぶりの照り焼き、粉をふるのか否かが悩みどころでないでしょうか。粉なしでもできますが、うっすらと全体にふってから焼くことで、表面がパリッと仕上がります。

魚の表面に壁ができた状態になり、内側に旨みや脂が閉じ込められ、パサつかずにふっくらと仕上がります。また、たれが絡まりやすくなるのもメリットです。

ただ、脂身の多い腹側を使ったり、好みで脂を落としたいという場合は、粉なしの方がおすすめです。

片栗粉だとややトロっとするので、私は香ばしく焼ける薄力粉を使っています。いずれにしても、つけ過ぎずに、あくまでうっすらと、まんべんなくがポイントです。

【コツ3】漬けこまずに焼く!たれの黄金比は「2:2:2:1」

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ぶりをたれに漬けこんでから焼く方法もありますが、これだと焦げやすくなるので、まずはぶりだけ焼き、最後に調味料を入れて絡ませていきます。

甘辛だれの黄金比は、しょうゆ:酒:みりん:砂糖が「2:2:2:1」。ほかの魚や肉でも応用できるので、覚えておくと便利です。

慌てて焦がすことのないように、あらかじめ、たれの材料は合わせておきましょう。

【コツ4】焼き時間は表2分/裏1分を目安に

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ここでフライパンの登場です。ししとうを添える場合は、ぶりの前に焼いておきます。破裂防止に切り込みを1カ所ずつ入れたら、サラダ油をしき、中火に熱したフライパンでさっと焼き、取り出してください。

そして、いよいよぶりを焼いていきます! フライパンにサラダ油を薄めにひき直し、強めの中火にかけます。盛り付け時に上になる面から焼いていきます。先に焼く面の方が均一な焼き色が付きやすいためです。

目安はまずは片面2分。身の厚みの1/3程度が白っぽくなるまで焼いてください。裏返して反対側を1分。両面に焼き色が付けば、ここで火が完全に通っていなくてもOKです。

【コツ5】たれは焼いてから絡ませる

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調味料を入れる時にフライパンに油が残っていると、脂っこい仕上がりになるので、その場合は先にペーパーで拭き取っておきます。

そして、最後にあらかじめ合わせておいた調味料を一気に入れます。

フツフツと大きな気泡を立たせ、フライパンをゆすりながら、スプーンでたれをすくって絡ませます。

上下を返しても構いませんが、身が崩れないように気をつけましょう。とろみは余熱や冷めてからもつくので、「ちょっとゆるいかな」くらいでストップ。

火を止めて、すぐにお皿に盛り付けます。残ったたれをかけて、焼いておいたししとうを添えれば、完成です!!

今回ご紹介した、5つのコツを押さえて作れば、難しく感じていた「ぶりの照り焼き」も簡単にふっくら、たれも絡まっておいしくできるはず! ぜひ、試してみてくださいね。

神田えり子
神田えり子

料理家・フードエッセイスト。
大学卒業後、広告代理店で営業として勤務。大手料理教室講師を経て、兵庫県宝塚市にて料理教室主宰。その後拠点を東京に移し、料理家活動を開始。旬の野菜を使ったおばんざいを得意とする。

レシピ開発、フード関連のエッセイやコラムの執筆のほか、イベントやテレビショッピング、企業Instagramへの出演、司会進行など幅広く活動。

KEITA・服部みどりとともに料理家ユニット<C (クレッシェンドシー) のメンバー。食品メーカーへのレシピ提供、食イベント対応なども行う。

著書「カラダよろこぶ オイルおにぎり」(辰巳出版)
Instagram:@erikocookingsalon
ブログ:https://eriko-kanda.com/

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