春雨の基礎知識
春雨の基礎知識こんにちは。栄養士の道添明子です。料理家「あーぴん」として、時短簡単・美味しい・お洒落な、“みんなが笑顔になれる幸せごはん”の料理教室を主宰、簡単レシピを毎日SNSで発信しています。今回はサラダや炒め物にも気軽に使える春雨についてご紹介します!
春雨の原料、実はいろいろ!
春雨は、緑豆(りょくとう)で作られた「緑豆春雨」と、じゃがいもやさつまいものデンプンから作られたモチモチした食感の「普通春雨」があります。緑豆春雨は中国産が多く、国産の春雨はいも類を原料としているものが多いです。
春雨は使いたい分量を分けたい時に散らばりやすいので、1食分ずつ(8g前後)を丸めてあるものも。そのままスープなどに入れられて便利です。
ちなみに韓国料理のチャプチェなどに使われているのは、主にさつまいもでんぷんから作られた、ちょっと太めの春雨です。原材料や産地によっても味や食感が変わってくるので、買い物するときはチェックしてみてくださいね。
春雨は低カロリー?
乾燥状態と茹でた状態での100gあたりのエネルギーは以下の通り。
【緑豆春雨】乾燥 344kcal/茹で 78kcal
【普通春雨】乾燥 346kcal/茹で 76kcal
ほかの麺類100gあたりと比較すると、
- 茹でたスパゲッティ:150kcal
- 茹でた蕎麦:130kcal
- 茹でたうどん:95kcal
ですので、春雨は麺類と比べてもカロリーが低めなことが分かりますね。
春雨に含まれる主な栄養素(以下すべて100gあたり)
■糖質
緑豆春雨(乾燥):83.4g
普通春雨(乾燥):85.4g
茹でるとどちらも19.1gで差はありません。参考までに、茹でたうどんの糖質量は20.3g。糖質の面では麺類と大きな違いはないと言えます。
■食物繊維
緑豆春雨(乾燥):1.5g
普通春雨(乾燥):1.2g
麺類に比べるとカロリーや糖質が低めなこと、食物繊維なども含んでいるので、ダイエットを目的として春雨を食べる人も多いでしょう。しかし、春雨単品では栄養が不足しているので、肉や魚からたんぱく質、野菜からミネラルやビタミンをしっかり補いましょう。
※出典:日本食品標準成分表2020版(八訂)
春雨の戻し方
春雨はお湯で戻すのが一般的ですが、緑豆春雨の方がコシが強く、戻す時間もかかることが多いです。戻し時間は製品にもよりますので、パッケージの指示に従ってください。
以下の3つの方法いずれかで戻すことができます。
(1)ゆでて戻す
熱湯で春雨をゆでて、水気を切って使う。
(2)熱湯に浸して戻す
耐熱容器に水やお湯を入れて春雨を浸し、ラップをして戻す。
(3)電子レンジで戻す
春雨と水を耐熱容器に入れ、落としラップをして600Wの電子レンジで3分加熱。そのままラップを取らずに2分おく。
スープや鍋物、煮込み料理にする場合には戻さず直接汁に入れて使って大丈夫です。
別ゆでしないから簡単!基本の春雨サラダ
別ゆでしないから簡単!基本の春雨サラダ基本のレシピとしてまずは春雨サラダを作ってみましょう。定番の料理のわりに、毎回味が決まらないとか、味がボケてしまうというお悩みが出がちな料理です。
春雨はレンジで戻すので手軽です。また、戻す際に水に鶏がらスープの素を加えているので、味がボケません。調味料は覚えやすい黄金比です。
仕上がりが水っぽくなってしまわないように、春雨はしっかり水気を切るのがポイントです。
【材料】(2人分)
・春雨 50g(乾燥 緑豆春雨)
・水 200ml
・鶏がらスープの素 小さじ1
・ハム 4枚(80g 千切り)
・きゅうり 1本(100g 千切り)
・卵 2個
・塩 少々
・サラダ油 少々
・白炒りごま 適量
<調味料>
・酢 大さじ3
・しょうゆ 大さじ2
・砂糖 大さじ1
・ごま油 大さじ1
・練りがらし 小さじ1(お好みで)
【作り方】
(1)耐熱容器に乾燥春雨と水と鶏がらスープの素を入れる(春雨が長い場合は容器に入る長さに切る)。落としラップをして、600Wの電子レンジで3分加熱する。加熱が終わったら、ラップを取らずにそのまま2分おく。
(2)卵を溶いて塩を加える。薄くサラダ油をぬったフライパンで薄焼き卵を作り、千切りにする。
(3)<調味料>の材料をよく混ぜ合わせ、ボウルで水気を切った春雨、ハム、きゅうり、薄焼き卵と合わせて味をなじませる。器に盛りお好みで白炒りごまをふる。
アレンジレシピ1:ふんわり卵と豆腐、カニかまの春雨スープ
アレンジレシピ1:ふんわり卵と豆腐、カニかまの春雨スープ春雨は戻さずに直接スープに投入してOK! 青ねぎをハサミで切り、カニかまは手でほぐし、豆腐はスプーンですくい、豆腐の器で卵を溶いて入れれば、洗い物はお鍋だけの“手間ぬき”レシピです。
春雨でボリュームも出ますから、具だくさんのおかずスープとして楽しめます。
卵をフワフワに仕上げるには、とろみをつけた汁に卵を加え、なるべく触らずに蓋をし、余熱で火を通すのがコツです。
【材料】
・カニかまぼこ 5本
・絹ごし豆腐 1/2パック(200g)
・春雨 30g(早茹でタイプ使用、長ければハサミで7〜8cm長さに切る)
・卵 1個
・片栗粉 小さじ2(同量の水でとく)
・ごま油 大さじ1
・青ねぎ 2本(小口切り)
・白炒りごま 適量
<調味料A>
・水 400ml
・鶏がらスープの素 大さじ1
・おろししょうが 小さじ1(チューブの場合3cm)
<調味料B>
・しょうゆ 大さじ1
・酒 大さじ1
・塩・こしょう 各少々
【作り方】
(1)鍋に<調味料A>を入れ、沸騰したら、絹ごし豆腐をスプーンですくい入れ、カニかまぼこを手で半分にさいたもの、春雨を加える。
(2)春雨がやわらかくなったら<調味料B>で味をととのえ、片栗粉を同量の水で溶いて加えて、弱火から中火にかけてとろみをつける。
(3)卵を溶いて加えて、菜箸でさっとかき混ぜ、余熱で火を通す。仕上げにごま油をたらす。器に盛り、白炒りごま、小ねぎを散らす。
アレンジレシピ2:麻婆ピーマン春雨
アレンジレシピ2:麻婆ピーマン春雨春雨の戻しは不要! フライパンひとつで炒めて完成の麻婆ピーマン春雨です。春雨に肉汁の旨味がしみ込んで、春雨がカサ増しにもなる、ボリュームたっぷりのおいしい炒め物です。
ここでは春雨は2〜3分茹でのタイプを使用しています。袋の中でハサミでカットして使うと飛び散らなくて便利です。春雨の種類により、茹で時間が長いものの場合には水を足して調節してください。
【材料】(2〜3人分)
・豚ひき肉 100g
・春雨 50g
・ピーマン 3個
・ごま油 大さじ1
・水 200ml
・片栗粉 小さじ2(水小さじ2で溶く)
<下味>
・しょうゆ 小さじ1
・酒 小さじ1
・おろししょうが 小さじ1(チューブの場合 2cm)
・おろしにんにく 小さじ1弱(チューブの場合 2cm)
<調味料>
・しょうゆ 大さじ1
・オイスターソース 大さじ1
・酒 大さじ1
・砂糖 小さじ1
・豆板醤 小さじ1/2〜1
【作り方】
下準備
・豚ひき肉に<下味>の調味料を混ぜておく。
・ピーマンは千切りにする。
・春雨が長い場合はハサミで切る。
(1)フライパンにごま油を中温に熱し、豚ひき肉を入れて色が変わるまで炒める。
(2)ピーマン、春雨を加えて水を入れ、蓋をして2〜3分煮込む。
※水の量は春雨の茹で時間により、足りない場合には足してください。
(3)<調味料>を混ぜ合わせてからフライパンに入れ、味を絡める。片栗粉を同量の水で溶いて加え、よく混ぜ合わせたら完成です!
器に盛り、辛さが足りなければラー油などをお好みで足してください。
カサ増し食材としても優秀!春雨を活用しよう
カサ増し食材としても優秀!春雨を活用しよう春雨を水で戻すと、普通春雨は約3倍、緑豆春雨は約4倍になり、ボリュームたっぷりの満足感あるおかずになります。春雨自体にはほとんど味がないので、どんな味にも変化して様々な調理法で楽しむことができるのもうれしい点ですね。
今回ご紹介したレシピを参考に、春雨のいろいろなお料理をぜひ作ってみてください。