切り干し大根の基礎知識
切り干し大根の基礎知識こんにちは。栄養士の道添明子です。料理家「あーぴん」として、時短簡単・美味しい・お洒落な、”みんなが笑顔になれる幸せごはん”の料理教室を主宰、簡単レシピを毎日SNSで発信しています。今回は切り干し大根についてご紹介します!
切り干し大根ってどんな食べ物?
切り干し大根は大根を千切りし、天日で干して乾燥させたもの。関東では「切り干し大根」、関西では「千切り大根」などと呼ばれています。
また、大根を千切りよりやや太めに切ったものを干し、ハリハリ漬けなどにも使われる「割り干し大根」、千切りの大根を茹でてから干した甘味のある「ゆで干し大根」、千切りではなく輪切りのものなど様々な種類があります。
干して水分を蒸発させることで、甘味や旨味、栄養成分の含有量が大幅にアップします。
自家製切り干し大根にトライ!
大きな大根を買って使い切れないときなど、自分でも案外簡単に切り干し大根を作ることができます。細切りや半月切りにした大根や、料理の際に出た皮を細く切ったものなどをザルや干物用のネットに広げて天日に干します。
夜は湿気を吸収してしまうので取り込み、翌朝干すことを繰り返して、市販の切り干しのようにしんなりしてきたらできあがり。ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存しましょう。
切り干し大根の栄養情報(乾燥状態のもの100gあたり)
- エネルギー 280kcal
- たんぱく質 9.7g
- 脂質 0.8g
- 炭水化物 69.7g
- カルシウム 500mg
- カリウム 3,500mg
- 鉄 3.1mg
- 葉酸 210μg
- 食物繊維 21.3g
※文部科学省『日本食品成分表2020年版(八訂)』より
骨や歯を作るのに必要なカルシウム。カルシウムといえば乳製品を思い浮かべるという人も多いと思いますが、切り干し大根には生の大根の20倍も含まれています。
また、切り干し大根には水溶性と不溶性の両方の食物繊維が含まれています。腸内環境を整える効果や、血糖値の急激な上昇を抑える効果もあります。噛みごたえがアップして満腹感を感じやすくなるため、肥満防止にも効果的です。
女性に不足しがちな鉄分も多く含むため、貧血予防にも。美肌の維持にも欠かせない栄養素ですね。
切り干し大根の扱い方とおいしいレシピ
切り干し大根の扱い方とおいしいレシピ切り干し大根の戻し方
まずは水で揉み洗いして表面の汚れを取り、水につけて戻します。戻し時間はそれぞれなので、商品のパッケージを参考にしてください。戻し汁は煮物に使えるので捨てないでくださいね!
調理しながら水分を吸わせる方法もあります。味噌汁などはさっと洗ってそのまま煮汁に入れて大丈夫です。電子レンジで戻したり、調味液の中に入れて戻しながら漬物を作ることもできます。
基本の切り干し大根の煮物
【材料】4人分(作りやすい分量 、切り干し大根1袋分)
- 切り干し大根 40g(乾燥)
- ぬるま湯 150ml
- 油揚げ 2枚(100g)
- にんじん 1本(100g)
- 干ししいたけ 4枚・15g程度
- ごま油 大さじ1
- 七味唐辛子 適量(お好みで)
<調味料>
- 水 2カップ(干ししいたけの戻し汁と合わせて)
- 砂糖 大さじ2
- しょうゆ 大さじ2
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
【作り方】
下準備
・切り干し大根はざっと水で洗って汚れを落としておく。
・油揚げは短冊切りにする。
・にんじんは長さ4cmの短冊切りにする。
・干ししいたけは戻しておき、石づきを取り3mm幅に切る。
(1)ボウルに切り干し大根、ぬるま湯を入れて軽く揉んで、水洗いして水気を切り、キッチンばさみで食べやすい長さに切る。
(2)鍋にごま油を熱し、水気を切った切り干し大根、干ししいたけを入れて炒め、にんじん、油揚げ、<調味料>を全て加えて蓋をし、中火7〜8分にかける。
(3)切り干し大根が柔らかくなり、汁気が少し残るくらいまで煮る。にんじんに火が通っていればできあがり。
切り干し大根に、にんじん、干し椎茸、油揚げを加えてさらに栄養たっぷりの煮物に。切り干し大根は戻さずに水洗いだけで煮ます。冷蔵庫で3〜4日保存できるので、作り置きおかずとしても重宝しますよ。
アレンジレシピ:切り干し大根の中華風サラダ
【材料】(3人分)
- 切り干し大根 30g
- ぬるま湯 150〜200ml
- カニかまぼこ 10本(100g)
- きゅうり 1本(100g)
- 白炒りごま 適量(お好みで)
<調味料>
- 酢 大さじ3
- しょうゆ 大さじ2
- 砂糖 大さじ1
- 鶏ガラスープの素 小さじ1(湯小さじ1で溶かす)
- ラー油 小さじ1/2(お好みで)
- ごま油 大さじ1
【作り方】
下準備
・切り干し大根はぬるま湯でざっと洗って汚れを落としておく。
・カニかまぼこは大きければ半分に切る。
・<調味料>を上から順にボウルに入れ、混ぜ合わせてタレを作っておく。混ぜる際は液体に砂糖やガラスープを溶かしてからごま油、ラー油などの油を加える。
(1)ボウルに切り干し大根、ぬるま湯を入れて軽く揉んで、水洗いして水気を切り、ハサミで食べやすい長さに切る。
(2)きゅうりは菜箸や割り箸などを両端に置き、斜めに薄切り、180°返して斜めに薄く切り込みを入れ(じゃばら切り)、1.5cm長さに切る。
(3)ボウルに水気を絞った切り干し大根、カニかまぼこ、きゅうり、を入れ、合わせておいた<調味料>をからめる。
(4)器に盛り、お好みで白炒りごまを振る。
これも切り干し大根を戻さずにそのまま使用しています。ポリポリした食感がおいしいサラダです。細切りタイプを使っていますが、輪切りや太切りタイプの場合には水につけて戻してから使用してください。
アレンジレシピ:ヘルシー鶏つくね
【材料】(2人分 4cmの俵型つくね10個分)
- 鶏ひき肉 200g
- 砂糖 小さじ1
- 味噌 小さじ1
- 長ねぎ 1/2本
- 切り干し大根 15g
- 水 150ml
- 木綿豆腐 100g
- 片栗粉 大さじ2
- サラダ油 大さじ1
- 卵黄 2個(お好みで)
- 白いりごま 適量
<調味料>
- しょうゆ 大さじ1
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 砂糖 小さじ2
【作り方】
下準備
・長ねぎはみじん切りにする。
・切り干し大根はハサミで細かく切る。
(1)耐熱容器に切り干し大根と水を加えてラップをして電子レンジ(600W)で1分加熱する。
(2)ポリ袋に鶏ひき肉、切り干し大根、砂糖、味噌を入れて粘りが出るまでよく練る。
(3)長ねぎと木綿豆腐、片栗粉を加えてさらに練り、10等分して小さな俵型にする。
(4)フライパンにサラダ油を熱し、(2)の両面を焼き、<調味料>を加えて照りが出るまで煮詰めて、つくねに絡める。
(5)器に盛り、白いりごまをふり、お好みで卵黄を添える。
お豆腐入りでふわふわのやわらかいつくねに、切り干し大根のシャキッとした食感がアクセント。鶏肉の旨味を切り干し大根が吸い込んでさらにおいしくなります! おかずにもおつまみにもなる鶏つくねです。
もっと気軽に乾物を活用しよう!
もっと気軽に乾物を活用しよう!切り干し大根はカルシウム・カリウム・葉酸・鉄などの栄養素が凝縮している栄養満点の乾物。ストックしておけば、ちょっと野菜が足りないかな?という時にもすぐに使えて便利です。
戻し時間も短く、手軽に使える切り干し大根をぜひ毎日の食卓に取り入れてみてくださいね。