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【乾物と仲良くなろう!】「高野豆腐」はたんぱく質&カルシウムの宝庫!栄養とおいしいレシピ

昔から身近にあるけれど、ちょっと手を出しにくいという人も多い乾物。でも実は、生の状態より水分が抜けて成分が凝縮されていることで栄養パワーがアップしていることが多く、長期保存も可能なため、使いこなせるとたくさんいいことがある食材なんです。

そんな乾物の栄養情報に加え、基本の戻し方やおいしいレシピを、栄養士であり料理家であるあーぴんさんが紹介してくれるシリーズが始まります! 

第1回目は「高野豆腐」。良質な植物性のたんぱく質を含む豆腐から作られている高野豆腐は、カルシウムや鉄分などの不足しがちな栄養素がしっかり摂れる優等生乾物! 基本の含め煮と、子どもにも人気のボリュームたっぷりの肉巻きのレシピをご紹介します。

高野豆腐の基礎知識

高野豆腐の基礎知識

こんにちは。栄養士の道添明子です。料理家「あーぴん」として、時短簡単・おいしい・おしゃれな“みんなが笑顔になれる幸せごはん”を、毎日SNSで発信しています。

おうち時間が増えて、これまでよりお料理に興味をもつようになったという方も増えたように思います。まだまだ油断できないコロナ禍では、買い物の回数を減らすことが推奨されています。そんなときこそ乾物を上手に利用してみませんか?

今回は、高野豆腐についてご紹介します!

高野豆腐ってどんなもの?

高野豆腐は生の豆腐を凍らせ、低温で熟成させてから水分を抜いて乾燥させたもので、「凍り豆腐」「凍み豆腐(しみどうふ)」とも呼ばれます。高野山のお坊さんが作っていたから高野豆腐と呼ばれるようになったとも言われています。

高野豆腐の栄養情報

乾燥した状態の高野豆腐100gあたりに含まれるおもな栄養素は以下の通りです。

  • エネルギー:496kcal
  • たんぱく質:50.5g
  • 脂質:34.1g
  • 炭水化物:4.2g
  • 食物繊維:2.5g
  • ナトリウム:440mg
  • カルシウム:630mg
  • 鉄:7.5mg
  • 亜鉛:5.2mg

※「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より

高野豆腐は高たんぱく質で低糖質な一方、鉄分やカルシウムが豊富です。

高野豆腐に含まれる「レジスタントたんぱく質」は、“難消化性たんぱく質”とも呼ばれ、胃腸で消化されにくいたんぱく質のこと。

血糖値やコレステロールの上昇を抑えたり、余分な脂質を排出させる食物繊維のような働きをすることが期待されています。ダイエットや健康を気遣う人にはぴったりですね。

また、原料は大豆ですから、ポリフェノールの一種である大豆イソフラボンも多く含まれています。

高野豆腐の扱い方とおいしいレシピ

高野豆腐の扱い方とおいしいレシピ

高野豆腐の戻し方

左が戻す前、右が戻したあとの高野豆腐。

高野豆腐を平らなバットなどに入れ、ひたひたのぬるま湯(50℃前後)を注ぎます。柔らかく戻ったら、両手で軽く挟んで水気を切って使います。戻るまでの時間は商品によってもかなり違いますので、様子を見て調整してください。

最近は戻さずにすぐに使えるタイプもあります。この場合はパッケージに「戻さないでください」と表示されていますので、使う前に確認しておきましょう。

基本レシピ:高野豆腐の含め煮

【材料】(4人分)

  • 高野豆腐 5個(80g前後)
  • 干ししいたけ 5枚
  • にんじん 1本
  • さやえんどう 30g
  • だし汁 干ししいたけの戻し汁と合わせて600ml

<調味料>

  • 砂糖 大さじ3
  • 薄口しょうゆ 大さじ2
  • みりん 大さじ1
  • 塩 ひとつまみ

【作り方】

(1)干ししいたけはぬるま湯に浸けて戻しておく。やわらかくなったら、石づきを取り、カサの部分に飾り切りする。戻し汁は残しておく。

(2)高野豆腐はぬるま湯に浸けて戻す。やわらかくなったら、水気をしぼる。半分または1/4のサイズに切る。

(3)さやえんどうは筋をとる。にんじんは1cmの厚さの輪切りにする(今回は花型で抜きました)。

(4)鍋またはフライパンに干ししいたけの戻し汁と合わせただし汁、<調味料>を加え、沸騰したら高野豆腐、干ししいたけ、にんじんを加え、蓋を少しずらして弱火で煮る。

(5)さやえんどうは塩ひとつまみを入れた熱湯でゆでて、水にさらして色止めしておく。

(6)煮汁が少し残る程度まで約10分ほど煮て、にんじんが柔らかくなったら火を止める。

(7)お皿に盛り合わせ、(5)のさやえんどうを添え、上から煮汁をかける。

煮汁は色が濃くなりすぎないように薄口しょうゆを使っています。噛むと煮汁があふれ出すほっこりした味わいが魅力です。

アレンジレシピ:高野豆腐の肉巻き

【材料】(4人分)

  • 豚薄切り肉 12枚(ばら肉、ロース肉などお好みで 200g前後)
  • 高野豆腐 6個(100g前後)
  • 小麦粉 大さじ2〜3
  • サラダ油 大さじ1

<調味料>

  • しょうゆ 大さじ1
  • みりん 大さじ1
  • 酒 大さじ1
  • 砂糖 小さじ2
  • オイスターソース 小さじ2
  • 七味唐辛子、白いりごま 適量

【作り方】

(1)高野豆腐は大きめのバットに並べてぬるま湯で戻し、水気をよく絞る。縦半分に切る。

(2)豚薄切り肉をまな板に広げて筋を切り、小麦粉を振り、高野豆腐を巻いて巻き終わりを下にしておく。

(3)豚肉の周りに小麦粉をまぶす。

(4)フライパンにサラダ油を熱し、豚肉の巻き終わりを下にして焼き、全面をこんがり焼く。 <調味料>を全て混ぜ合わせてからフライパンに入れ、タレを絡めたら完成!
七味唐辛子、白いりごまをお好みで添えてください。

戻した高野豆腐に豚肉を巻いてボリュームアップしたおかず。甘辛いタレに絡めて濃いめに味付けしています。

高野豆腐の水気をしっかり絞るのがポイントです。戻した高野豆腐を手のひらではさみ、形を崩さないようにやさしく絞ります。

豚肉に小麦粉をまぶしてから巻くと剥がれにくくなります。さらに全体に小麦粉をまぶしてから焼くことで、味がよく絡みます。

もっと気軽に乾物を活用しよう!

もっと気軽に乾物を活用しよう!

高野豆腐には、今回使った長方形のもの以外にも、小さな一口大タイプのもの、薄切りしてあり炒め物やサラダに使いやすいもの、ひき肉と合わせて使える細かく刻んだものなど、バリエーションも豊富です。

ストックしておくとあと一品欲しい時にも便利。定番の煮物以外にも、意外と和洋中さまざまなお料理にアレンジ可能です。ぜひいろいろな食べ方で、食卓に取り入れてみてくださいね。

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