ローリングストックとは、使った分を買い足すこと
nullローリングストックとは、水や食品などを多めに買い、賞味期限の古いものから消費し、消費した分を買い足して、常に備蓄品がある状態にしておく方法です。備蓄品の目安は最低3日分(できれば1週間分以上)なので、自宅に少なくとも3日分の水や食品がある状態にしましょう。
これからローリングストックを始める場合、たとえば最初に5日分を買って、賞味期限の古いものから2日分を消費したら、次の2日分を買い足すというサイクルです。賞味期限や日数を確認するのが手間だと思ったら、ストックしている分が3個になったら買い足すなど、自分が続けやすい方法にしましょう!
お住まいの地域のハザードマップを確認して、慣れてきたら推奨される日数分の備蓄品をストックしましょう。賞味期限が長い非常食は、数カ月〜数年に1回食べてから買い足す長いスパンのローリングストックで十分です。
食品を選ぶ鍵は常温・手軽・おいしさ!
nullローリングストックの参考に、今回は筆者が食品を選ぶときの基準をお伝えします。ご家庭の食生活や栄養バランスを考えてアレンジしましょう。
(1)常温で保存できるもの
災害の種類や規模によってはライフライン(電気、ガス、水道)が停止します。常温で保存できるレトルト食品や缶詰、インスタント食品を中心に、果物や野菜も用意しておくと栄養バランスの偏りを防げます。
(2)常温で食べてもおいしいもの
常温で食べてもある程度はおいしいものを用意しておきましょう。大変なときだからこそちょっとした楽しみも大切です。
(3)調理不要ですぐ食べられるもの
カセットコンロとカセットボンベを備えておいても、壊れたり不足したりして調理ができなくなる可能性があるので、そのまま食べられるものもあったほうが安心です。非常時で疲れがたまって休みたいときにも、すぐに栄養補給ができます。
(4)賞味期限が短すぎないもの
ローリングストックのサイクルを短くすると、続けるのが大変になったり買い忘れたりするので、賞味期限が短すぎないものを選ぶのがポイントです。
(5)気軽に買えるもの
近所のスーパーやホームセンター、通信販売などで気軽に買えるものを選んだほうがローリングストックの習慣が続きます。また、普段から食べ慣れているものが備蓄品になるので、災害時にも日常に近い食事ができますね。
防災士がローリングストックしている食品
null筆者はズボラなので、食品の賞味期限やストックの数を頻繁にチェックしなくて済むように、賞味期限が長い食品を中心にローリングストック。加えて、長期保存水や非常食を用意しています。
・野菜ジュース
災害時に手に入りにくい野菜の代わりになります。常温で飲んでもおいしいうえ、温めればミネストローネ風に。定期お届けコースに申し込んでいるので、買い忘れもありません。
・レトルトカレー
通常のレトルトカレーに加えて、加熱しなくても食べられるカレーを用意しています。
・乾パン
すぐ食べられて炭水化物の主食に。氷砂糖が一緒に入っている商品もあり、氷砂糖が唾液の分泌を促してくれます。
・缶詰
魚や肉の缶詰があればたんぱく質を摂ることができます。野菜と同じく災害時には不足しがちなので、栄養バランスを考えて確保しましょう。
・ゼリー飲料
エネルギーや水分を手軽に補給できるゼリー飲料は、持ち歩く非常食としても活用できます。
・煮干し
おやつとカルシウムの補給を兼ねて普段から食べています。そのまま食べられる乾物は便利。
・ドライフルーツ
主にレーズンを用意。ビタミン、ミネラル、食物繊維の補給に役立ちます。
その他、アーモンド、炭酸水、水出し飲料、ラーメン、羊羹、お菓子などを定期的に買い足しています。どれも近所で簡単に買えるものばかりです。
調理器具は水を入れるだけで加熱できる「モーリアンヒートパック」を用意。余裕がある方はカセットコンロとボンベも備えておくと、食事の楽しみが増えると思います。
防災やローリングストックと聞くと難しく感じるかもしれませんが、「多めに買って使ったら買い足す」だけ! 水や食品以外の日用品(トイレットペーパー、ビニール袋、生理用品など)も同じです。きっと知らずしらず実践していた方もいますよね。
ローリングストックは災害時だけでなく、コロナ禍で外出を控えたり、病気で買い物に行かれなかったりするときにも役立ちます。家族で相談しながら必要なものを備えてみてくださいね。防災は特別なことではなく、日常生活の延長にあります。
参考:「災害時に備えた食品ストックガイド」(農林水産省)