緊急避難時の「非常用持ち出し袋」のアイテムは厳選する
null防災グッズや備蓄品をリュックサックなどにまとめて“非常用持ち出し袋”にしておきましょう。すぐ持ち出せる「一次持ち出し品」、救援物資が届くまで数日間を生き延びるための「二次持ち出し品」に分けて用意して。地域によっては数週間程度避難所生活を送るための「三次持ち出し品」も必要かもしれません。
今回は緊急避難時にすぐ必要な一次持ち出し品について考えていきましょう。一次持ち出し品には命を守るもの、安全に避難するために必要な最低限のものを入れます。あれもこれもと持って行きたくなりますが、災害の種類や規模によっては避難に一刻を争うかもしれません。1日分程度の非常食と水と厳選したグッズをリュックサックなどにまとめ、すぐ取り出せる玄関などに置いておきましょう。
ポケットがたくさんついているベストを非常用持ち出し袋の代わりにするのも良い方法です。比較的重さを感じにくいので、子どもや高齢者でも自分の分を持って避難できるでしょう。ペットを連れて避難するときは、荷物の量を減らしたほうがいいかもしれません。
防災グッズは地域や家庭によって必要な備えが変わるので、自治体が作成したチェックリストを参考に非常用持ち出し袋を用意しましょう。「必要に見えるけど使うかな?」と迷うグッズがあったら、まずは100円ショップで買って試してみるのがおすすめです。避難のときに使えるか、使いこなせるか、本当に役に立つか……ということをチェックしてください。
100円ショップのライトが優秀!避難の「必需品」はこちら
null防災士の筆者が100円ショップで買えるものの中から、避難の際に持っていきたい「必需品」を選んでみました! 備えについて詳しくは「東京都防災ホームページ」などを参考にしましょう。
・LEDライト(懐中電灯)(キャンドゥ)
懐中電灯は暗くなってから避難するときだけでなく、やむをえず夜間に避難場所などを移動するときにも役立ちます。乾電池1本で約12時間使える省エネ&高コスパのグッズです。軽くて小さいものなので、家族全員の一次持ち出し品にも複数入れておきたいですね。
・LEDランタンライト(キャンドゥ)
“LEDランタンライト”はスイッチの切り替えで1LED(弱い明かり/約30時間連続使用可)と、12LED(強い明かり/約5時間連続使用可)の2Way使用ができる優れもの。明るくなるのは主に前方なので、たとえば避難してから人が多い場所にとどまる場合に、明かりが広がって周囲の就寝を妨げるということが起きにくいと思います。単三乾電池が3本必要なので多めに備えておきましょう。
・保温アルミシート(ダイソー)
避難場所は一時的に避難するための場所で、公園などが指定されているケースが大半。しばらく屋外で過ごす場合、季節によっては“保温アルミシート”で暖をとるのもおすすめです。厚みがあるので敷物としても役立つうえ、座っているだけでホットカーペットのようにポカポカします。
・携帯トイレ(セリア)
緊急避難時は、トイレの混雑や衛生面が問題になりがち。夜間は一人で移動するのが危険な場合もあります。尿だけであれば人が多い場所からそれほど離れずに物陰で用を足せる“携帯トイレ”を利用するのも一案。使うのにコツが必要なので、できれば自宅で一度練習しておきたいですね。
・その他
災害時にはSNSが情報収集や安否確認などに役立つので、スマートフォンのモバイルバッテリー(500円商品、ダイソー)、対応のライトニングケーブル(iPhone用 150円商品、ダイソー)も用意しておくと安心。給水車から水をもらうためのウォーターバッグを入れてもいいでしょう。その他、ビニール袋、ウェットティッシュ、マスクなどの衛生用品も役立ちます。
両手があくライトや洗濯物を干すアレが役立つ!避難する際に「あると便利」な物はこちら
null100円ショップには想像以上に役立つグッズがたくさんあります。前項でご紹介した「避難の必需品」とまではいかないけれど、余裕があれば入れておきたい「これがあると便利」と筆者が思ったグッズを紹介します。
・LEDヘッドライト(セリア)
ゴムバンドで頭につけられる“LEDヘッドライト”なら、両手が空くので避難や作業に便利です。ただし、電池カバーを開けるときに小さいプラスドライバーが必要になります。
・使い捨てショーツ(キャンドゥ、ダイソー)
ポリプロピレン製の使い捨てショーツは、5枚セットで女性用・男性用が売っています。軽いものなので非常用持ち出し袋に入れておくといいかも。通気性が良くて意外と快適でした!
・強力ゴムグリ手袋(セリア)
手のひら側にゴム製の滑り止めがついている手袋は、避難の際に障害物をどけたりするときに活躍します。私は普段からアウトドアの作業で使っています! 軍手でもOKですが、布地なので木片が貫通したり水に濡れたりする心配があるので注意を。
・電池パック(セリア)
単四乾電池を単三乾電池に変えられるパックです。単三乾電池が必要な懐中電灯などを使うときに単四乾電池でも代用できます。
・その他
雨天のときの避難や移動に便利なレインコート、折りたためるシリコンコップもあると便利なグッズです。
一次持ち出し品は「素早く取り出せる場所」に。二次持ち出し品は「分散収納」がおすすめ
null用意した100円グッズや防災グッズは確認を兼ねて実際に使ってみることがとても重要です。いざというときに使い慣れていないとトラブルにつながるかもしれません。
一次持ち出し品は、まずは公園などの“一時避難場所”(地域によっては避難所)へ避難するときに持って行きます。災害のピークが過ぎて自宅へ戻れそうなら、二次持ち出し品や必要であれば三次持ち出し品を取りにいきましょう。ただし余震や土砂崩れなどの危険がある場合、帰宅してはいけません。詳しくは内閣府の防災情報のページを確認してください。
防災グッズは「そろえたところで一安心」とは行かないのが、災害の怖いところ。日頃からいろいろな事態を想定して、準備を進めたり使ってみたりしておくことが、命を守ることに繋がります。
撮影(一部)/黒石あみ(小学館)
※掲載商品は現在取り扱いのない場合があります
【参考】