自宅や保育園へ安全にたどり着くために「社内のデスクやロッカー」に置いておきたいものとは
null防災の基本は自分自身を助ける“自助”です。社員用に災害時の備えをしている会社もありますが、自分でも準備しておきましょう。発災時は公共交通機関が利用できなかったり道路が通行止めになったりする可能性があります。徒歩で自宅や幼稚園へたどり着けるように社内のデスクやロッカーに置いておきたいものは……?
(1)災害時の帰宅用地図
災害時の帰宅用地図を用意しておきましょう。広域避難場所や「災害時帰宅支援ステーション」となるコンビニエンスストアなどが表示されているので、徒歩で安全に向かうためのサポートをしてくれます。危険な場所が注意書きしてある地図もあります。
(2)モバイルバッテリー
スマートフォンや携帯電話を充電できるバッテリーも準備を。災害時は電話が通じにくくなるので、災害用伝言ダイヤル「171」やメールを活用しましょう。ツイッターなどのSNSも通信や情報収拾の手段として使えます。電池式充電器と電池があれば安心です。
(3)スニーカー
ヒールのあるパンプスなどを履いていると、長時間歩くのがつらかったりでこぼこの道を通るのが大変だったりします。歩きやすいスニーカーを用意しておきましょう。
(4)リュックサック
最低限の荷物が入るリュックサックも準備を。両手が空くうえ歩きやすくなります。ノートパソコンなど重い荷物は社内に置いて行くのも一案です。
(5)水
都市部では避難者や帰宅者が多いため、水が手に入れられるとは限りません。持ち歩けるサイズのペットボトルの水を用意するのがおすすめ。
(6)非常食
手軽に携帯できて食べられる非常食の用意を。常温保存ができるゼリー状の栄養補助食品なら、水がなくても飲み込みやすくて便利です。
そのほか、レインコート、ライト、厚手の手袋などもあると便利かもしれません。余裕があれば自宅の備えを参考に社内にも用意しておきましょう。出歩く機会が多ければ厳選して持ち歩くのがおすすめです。
学校や家族、ご近所さんとの「災害時の連絡方法」を決めておこう
null地域で助け合う“共助”も災害時に役立ちます。災害が起きたときに備えて、家族や保育園、保護者同士、ご近所さんなどとの災害時の連絡について、事前に確認しておきたいことついてお伝えします。
(1)保育園や小学校の避難方法や対応を確認
保育園・幼稚園や学校に、災害が起きたときの対応を確認しておきましょう。災害の種類に応じた避難方法を知っていればより安心です。また、学校は避難所に指定されていることが多いため、震災時は状況によっては保護者が迎えに行くより学校にいるほうがお互いに安全かもしれません。
(2)子どもの安否情報を知る方法
子どもの安否情報を確認できるように、保育園・幼稚園や学校に非常時の連絡方法を確認しておきましょう。
(3)家族と連絡をとる方法
子どもの居場所に近い家族が迎えに行けるように、お互いの連絡方法を決めておきます。非常事態なので連絡がとれない場合も想定しておきたいもの。
(4)友人やご近所さんと連絡をとる方法
状況によっては友人や知り合いの保護者、ご近所さんや親戚の人に迎えに行ってもらうのも一案です。
阪神・淡路大震災のときに倒壊した建物から救出された人の8割は、近所の住民に助けられています。いざというときに助け合う関係を築いておきたいですね。
防災訓練で「災害を体験すること」も備えになる
null災害が起きるとどうなるのか、どのように避難するのか……怖くて想像したくない人もいるかもしれません。子どもや家族と災害や避難を擬似的に体験するだけでも防災になります。
(1)防災訓練に参加
勤務先、地域、保育園・幼稚園、学校などの防災訓練には積極的に参加しましょう。家族と“防災体験施設”に出かけるのもおすすめです。繰り返し体験することでいざというときの行動が身につきます。
(2)シェイクアウトを家族で実施
「シェイクアウト」とは、地震のときに身を守る行動のこと。「まず低く、頭を守り、動かない」という行動がとっさにできるように家族と練習しましょう。保護者がそばにいないときでも、その習慣が子どもを守ってくれるはずです。
(3)会社から自宅や保育園・幼稚園、学校まで歩く
災害時の帰宅用地図を見ながら、実際に会社から自宅や保育園・幼稚園、学校まで歩いてみましょう。所要時間や労力を確認しておくと安心です。避難ルート上にある広域避難場所やコンビニエンスストアの場所、土砂崩れの危険がある道、人通りの多い道など、実際に見てわかることもあります。
今回は災害時に“会社から子どもを迎えに行く準備”に焦点を当てて紹介しました。子どもと再会できたあとは、避難生活が待っているかもしれません。そのようなことを想定して普段から備蓄を心がけたいもの。防災に“正解”や“絶対”はないので、自分や家族の生活や地域の状況に合わせてオリジナルの防災を考えましょう。