こんにちは、島本美由紀です。連載78回目は「イチジク」。赤く熟したイチジクは、優しい甘さと口に広がるプチプチとした独特の食感が魅力です。イチジクはとても傷みやすくデリケートな果物ですが、上手に保存をすれば旬の美味しさはそのまま、しっかりと長持ちさせることができますよ。
美味しいイチジクの選び方
nullイチジクはふっくらと丸みがあって、枝のつけ根付近までしっかりと色づいているものが良品です。日が経つと表面の皮がしぼんでくるので、皮にハリがあってなるべく傷がないものを選びましょう。おしり部分が開いて、中が少し見えた状態のものが食べごろです。
なお、枝の切り口に白い液がついているものは新鮮な証拠。イチジクは傷みやすいうえ、店頭に並んでいるものは収穫からすでに日が経っていることも多いので、より新鮮なイチジクを選ぶようにしてください。
イチジクの冷蔵保存の仕方
nullあまり日持ちしないイチジクは、常温ではなく必ず冷蔵保存するようにしてください。
・キッチンペーパーとポリ袋で二重に包む
イチジクは乾燥を防ぐために、1個ずつキッチンペーパーで包んでから重ならないように2~3個ずつまとめてポリ袋に入れ、野菜室で保存します。
イチジクの冷凍保存の仕方
nullイチジクは、丸ごともしくはカットしてから冷凍することができます。皮がついたままだと解凍する際にグチャグチャになってしまうので、必ず皮をむいた状態で冷凍してください。しっかり熟したイチジクなら、枝のほうからおしりに向かって皮を引っ張るだけで、きれいに皮をむくことができます。
・丸ごと冷凍する場合
イチジクを丸ごと冷凍する場合は、皮をむいてから丸ごと1個ずつラップで包み、まとめて冷凍用保存袋に入れて冷凍します。食べるときは自然解凍してからいただきましょう。5分ほど室温に置いておけば、包丁で簡単に切ることができます。
・カットして冷凍する場合
ジャムやソースなど用途が決まっている場合は、カットしてから冷凍しておくと便利。皮をむいて使いやすい大きさにカットしたら、重ならないようにラップで包んでから冷凍用保存袋に入れて冷凍します。使用する際は、凍ったまま煮込んでジャムやソース、コンポートなどにするといいでしょう。
イチジクの保存期間の目安
nullイチジクはあまり日持ちしないので、なるべく早めに食べるか、すぐに食べきれないような場合は冷凍するのがおすすめです。
・冷蔵保存の場合の目安
採れたてのイチジクなら冷蔵庫で1週間保存が可能です。ただし、スーパーなどで購入したものは収穫からすでに2~3日経っていることがほとんどなので、基本的には4日程度しか保存できません。イチジクは向きをどのようにして置いても、おしり部分から徐々に柔らかく傷んできてしまいます。
・冷凍保存の場合の目安
丸ごとでもカットしてから冷凍した場合でも、どちらも約1カ月間保存が可能です。必ず皮をむいてから冷凍するようにしてください。
ラクワザ!レンジで簡単にイチジクジャムを作る方法
nullイチジクは砂糖といっしょに煮込んでジャムにすると、トロッと甘くてとても美味しくなりますが、作る手間を考えると面倒でついついそのまま食べてしまうという人も多いと思います。今回はそんな人のために、電子レンジを使って簡単にイチジクジャムを作る方法をご紹介します。
・様子を見ながら数回に分けて加熱
イチジク(4~5個)は皮をむいて粗みじん切りにし、耐熱ボウルに入れます。そこに砂糖大さじ1、レモン汁小さじ2を加え、ふんわりとラップをかけて10分ほど常温に置いておきましょう。イチジクから水分が出て砂糖となじんできたら、ラップをかけずに電子レンジで5分加熱。取り出してひと混ぜしてから再び3分加熱し、さらにひと混ぜして様子を見ながら1~2分ほど加熱すれば出来上がりです。
出来上がったイチジクジャムは、トーストに塗ってもいいし、ヨーグルトにかけてもOK。パンナコッタやミルクプリンなどのソースはもちろん、パンケーキに添えても美味しくいただけます。
いかがでしたか? デリケートで傷みやすいイチジクですが、冷蔵、冷凍ともに正しい方法で保存をすれば、美味しさはそのままきちんと長持ちさせることができます。上手に保存をして、今だけの旬の美味しさをしっかり楽しみましょう。
構成・文/土田奈々子