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どれが何歳?還暦・古希・喜寿など、長寿のお祝いの呼び方と基礎知識【解決!お祝いのマナー】

おじいちゃんおばあちゃんが元気に年を重ねたことを祝う長寿祝い。それぞれの呼び方と年齢などについてすぐに答えられますか? 最も身近な「還暦=60歳」に続く古希、喜寿、傘寿……などの呼び方と年齢、またそれぞれのお祝いのイメージカラーについて、マナーアドバイザーの松本繁美さんに解説してもらいました!

基本は数え年でお祝い、満年齢でのお祝いも一般的に

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長寿のお祝いは昔から数え年で行うものとされてきましたが、最近では満年齢の誕生日に合わせて祝うことも多くなっています。平成16年に皇后美智子様(当時)の古希のお祝いが満年齢で催されたこともあり、その辺りから一段と満年齢でのお祝いが増えたようです。

日本人の平均寿命は女性87.45歳、男性81.41歳。女性の約半数が90歳まで生きる時代になり(※1)、長寿のお祝いはますます必要かつ不可欠になってきました。

ここでは、その際に必須の知識となる長寿のお祝いの種類と意味、それぞれのイメージカラーを確認しておきましょう。

※1:厚生労働省 令和元年「簡易生命表」よりhttps://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life19/index.html

 

お祝いに必須!長寿祝いの種類とカラーの知識

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【還暦 :かんれき】数え61歳・または満60歳

還暦祝いは数え61歳・満60歳のお祝いで、イメージカラーは「赤」です。

還暦とは、60年で干支が一回り(※2)して再び生まれた年の干支に戻ることから、元の暦に戻るという意味でお祝いします。

還暦祝いで赤いちゃんちゃんこを着るのはポピュラーな光景ですが、赤色に”魔除け”の意味があるのと、干支が一巡して”赤ちゃんに還る”という意味もあります。

※2:日本では「干支」を「えと」と呼んで十二支のみを指すことが多いのですが、本来の「干支」は「十干」と「十二支」を合わせたものをいいます。十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)、十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)それぞれを組み合わせたものが甲子、乙丑、丙寅……と60通りあり、六十干支(ろくじっかんし)と呼ばれます。そのため、本来の干支の意味では60年をひと区切りとするのです。

【古希:こき】数え70歳(満69歳)または満70歳

古希祝いは数え70歳・満69歳のお祝いで、イメージカラーは「紫」です。

「古希」の「希」は「まれ」という意味で、「珍しいほどの長生き」ということです。これは、唐の詩人・杜甫の詠んだ詩の一節の「人生七十年古来稀なり」(70年生きる人は古くから稀である)から由来していると云われています。現在では当たり前の70歳という年齢も、短命な人が多かった昔では珍しいほどの長寿だったのですね。

古希祝いの「紫色」は、古くから高貴で特別な色と位置づけられ、身分の高い人の服にも使われました。そのため古希のお祝いには、長寿への敬意といたわりの心が込められた紫色が使われています。

【喜寿:きじゅ】数え77歳(満76歳)または満77歳

喜寿祝いは数え77歳・満76歳のお祝いで、カラーは「紫」です。

喜寿は「喜」の文字を草書体で書くと「七」を重ねたように見えることから、数えの77歳(満76歳)で祝うとされています。 室町時代から始まったと言われ本来は厄年の一つであったという説もあります。

還暦や古希のお祝いはもともと中国から伝わってきたものですが、長寿を祝うという習慣が定着する中、「喜寿」を祝う風習もできてきました。

喜寿のお祝いも「紫色」で、高貴な色とされていること、また落ち着いた雰囲気を表す色としても、喜寿のお祝いにふさわしいとされています。

【傘寿:さんじゅ】数え80歳(満79歳)または満80歳

傘寿祝いは数え80歳・満79歳のお祝いで、カラーは「黄色または金色」です。

77歳の喜寿のお祝いと88歳の米寿のお祝いは誰もが知るところですが、数え年で80歳のお祝いに「傘寿」があることも忘れてはなりません。 傘寿は「傘」の字の中に「八」と「十」があるのが由来とも言われます。

80歳は女性も男性も通過する人が増えたため、大切な節目のお祝いです。

傘寿 お祝い

【米寿:べいじゅ】数え88歳(満87歳)または満88歳

米寿祝いは数え88歳、満87歳のお祝いで、カラーは「黄色または金色」です。

米寿は「八八」の字が末広がりで縁起が良いこと、また 「米寿」の「米」の字を分解すると、「十」を軸にして2つの「八」で囲む形になっていることから非常におめでたいお祝いとされました。

赤より紫よりさらに貴いとされる「黄色」(中国でも日本でも皇帝などの最高位しか着用が認められなかった色)で米寿を祝うため、黄色や金色のちゃんちゃんこや頭巾を贈り、本人に着用してもらって祝ったりします。

【卒寿:そつじゅ】数え90歳(満89歳)または満90歳

卒寿祝いは数え90歳、満89歳のお祝いで、カラーは「紫色」。卒寿は「卒」の字の略字「卆」が「九十」と書くところから名付けられました。 

【白寿:はくじゅ】数え99歳(満98歳)または満99歳

百の字の一を取ると「白」の字になります。100歳のひとつ手前の99歳を意味するお祝いです。このお祝いは中国からではなく、日本独自に始まったお祝い。カラーはもちろん「白」です。

【紀寿:きじゅ、百寿:ひゃくじゅ、ももじゅ】数え100歳(満99歳)または満100歳

紀寿は一世紀を表す「紀」から来るお祝いです。百寿は「ももじゅ」とも読むので、ももいろ(桃色)、ピンクがイメージカラーです。

【茶寿:ちゃじゅ】数え108歳(満107歳)または満108歳

なし

茶の字を分解すると「八十八」の上に「十」が二つ並んで見えることから、88+10+10=108ということで、108歳でお祝いするようになったといわれています。100歳を超えるとカラーは関係なくお祝いするので、茶寿だからと茶色を使わなくても大丈夫です。

【皇寿:こうじゅ】数え111歳(満110歳)または満111歳

なし

皇の字を分解すると白(99歳)、一、十、一となり、すべて合わせると111になることから、このお祝いが始まりました。イメージカラーはありません。

【大還暦:だいかんれき】数え120歳(満119歳)または満120歳

なし

2回目の還暦、60年×2回で120歳を祝います。こちらもイメージカラーはありません。

 

※イメージカラーは地域により異なる場合があります。

このように長寿のお祝いは昔では考えられなかったほど、種類も増え、お祝いの方法、プレゼントなどもさまざまです。長寿大国の日本、両親だけでなく、祖父母や曾祖父母のお祝いができるチャンスも増えているのではないでしょうか。

次回は、どんなお祝いが喜ばれるか、贈り物の内容などについて解説します。

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