弔電の目的は?葬儀に参列する場合は送らない?
null弔電とは、事情があって通夜や葬儀に参列できないときに、喪主や親戚に対して弔意を示す電報を送ることです。近年では、葬儀に参列する・しないに関わらず、生前におつきあいがあった人が送るケースも見受けられます。
弔電の送り方は?いつまでに送る?
null弔電はNTTの115番や、インターネットで申し込み受付をしている業者を通じて発注することができます。送り先は喪主で、通夜や葬儀に間に合わせる場合には、葬儀会場に直接送りましょう。
葬儀が終わった後であっても、遺族に弔意を伝えるために弔電を送るケースもあります。
弔電の選び方
最近、弔電のデザインは豊富にそろっています。紙製のものだけでなく、線香や花、ぬいぐるみなどがセットになっているものもあります。どれを選んでもいいのですが、高価なセットは遺族のお返しの負担になってしまうこともあります。弔電において大切なのは弔意を表すことですので、一般的にはシンプルなタイプで十分です。
弔電の文章はどうやって作成する?
null弔電のサービスを取り扱う会社には、故人との関係性に応じた一通りの定型文が用意されています。
たとえ業者で用意された定型文を用いる場合でも、文中に自分の言葉を添えるといいでしょう。
例としては以下のような内容です。
・故人との忘れられない思い出
・お世話になったこと
・感謝していること
・一緒にやりたかったこと
弔電の内容は参列客の前で読み上げられる可能性もあります。自分の言葉を一言でも添えることで、故人の人柄や送り主との温かな関係性が伝わるのではないでしょうか。
弔電に使う言葉のマナーや注意点は?
null先述した通り、弔電は葬儀に参列した人の前で読み上げられる場合があります。遺族が深い悲しみを抱えていることを配慮した表現を選びましょう。
【避けたほうがいい表現】
・(遺族に向けて)前を向いてがんばってください。
・大往生されて……
・天寿を全うされて
・苦しみから解放されて……
たとえ故人が長寿であってでも、遺族は「もっと一緒にいたい」と感じているかもしれません。悲しみに寄り添う表現を選びましょう。
また、いわゆる“忌み言葉”と呼ばれる不吉とされる言葉は弔電の中で使用するのは避けたほうがよいとされています。お悔みのシーンでは、“死”や“苦”を連想する言葉や、不幸が重なることを嫌って繰り返しのある言葉は避けるようにします。弔電に限らず、お悔みの手紙やメールにおいても同様です。
【繰り返しの言葉】
「重ね重ね」/「くれぐれも」/「返す返す」/「いよいよ」/「たびたび」/「まだまだ」/「またまた」/「次々」
【“二度続く”イメージの言葉】
「再び」/「また」/「続いて」/「追って」/「再三」
一点、気をつけたいのが、このような“忌み言葉”を気にしすぎて、本当に伝えたいことが伝わらずに型どおりの文章になってしまうことです。一番大切なのは、真心をこめた言葉を選ぶことだと頭においたうえで、文章の中に自分の言葉を含めていきましょう。
弔電を受け取った際のマナー
nullもし、遺族として弔電を受け取った場合は、特にお返しの必要はありません。相手との関係性によっては、電話や手紙、携帯電話のテキストメッセージなどでお礼を伝えます。
今回は、吉川美津子さんに弔電のマナーについてうかがいました。
電話が一般家庭に普及する前に、いち早くメッセージを届けるための連絡手段として使われていた電報。伝達手段が発達した今、弔電で思いを伝える方法を選択する場合は、自分の言葉を使って弔意を表せるといいですね。
【取材協力・監修】
葬儀・お墓・終活ビジネスコンサルタント
吉川 美津子(きっかわ みつこ)
大手葬儀社、大手仏壇・墓石販売店勤務を経て、専門学校にて葬祭マネジメントコース運営に参画。現在は葬儀・お墓・終活ビジネスコンサルタントとしての活動に加え、医療・介護と葬送・供養の連携を視野に葬送・終活ソーシャルワーカー(社会福祉士)としても活動している。
共同監修『葬儀・相続 手続きとお金』(扶桑社)、共著『死後離婚』(洋泉社)、著書『お墓の大問題』(小学館)など。