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手作り「スワッグ」を飾ってクリスマスから新年まで、冬のインテリアを楽しもう【10分で作れます】

ヨーロッパでは、古くから“幸福を呼ぶ飾り”や“魔除け”として、ホリデーシーズンに親しまれる「スワッグ(Swag)」。まるで花束のような形で、お部屋や玄関のドアに吊るすと空間がパッと華やぎます。

「コツさえ押さえれば、花瓶に季節のお花をいける感覚で作ることができます」とは、ヨーロッパ各国での経験があり、生花師範の資格ももつフラワーコーディネーターの松岡陽子さん。また、組み合わせ次第では、クリスマスからお正月まで長くたのしめるスワッグも作れるそう。

そこで、身近な花屋や100円均一などでそろう材料を使った、スワッグ作りのポイントとコツを教えていただきました。

材料にはかならず「常緑樹」を使う

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「常緑樹」とひと口に言ってもいろいろな形や色味があります

ドイツ語で「壁飾り」を意味する「スワッグ」には、かならず常緑樹が使われています。これは、このままの姿でドライになる常緑樹で「永遠の命」を表しているからなのだとか。

「同じようにクリスマス飾りで『リース』もありますが、こちらにも常緑樹を使います。始まりも終わりもない一定方向に丸く常緑樹をあしらうことで、『永遠』を意味しているんですよ。

このほかにも、スワッグやリースに使う赤色は『イエス・キリストが流した血』。金色は『光』といった意味合いを持つともいわれています。ただ、赤色や金色は飾りなので、かならず入れなければならないわけではなく、自由に組み合わせればOKです」(以下「」内、松岡陽子さん)

つまり、常緑樹を使うことが唯一のルール。ここからは、松岡さんがおすすめする材料をご紹介します。

スワッグの材料

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常緑樹(モミ類)

ベースとなるモミ類は、何種類かを組み合わせることでボリュームや表情が出ます。このとき、服やメイクと同じように“イエベ(イエローベース)”か“ブルベ(ブルーベース)”か意識すると、まとまりが出るそうです。

「同じ緑色でも色のトーンがちがいます。イエベならイエベ同士、ブルベならブルベ同士を組み合わせると、ぐっとまとまりが出ます。ただ、あえてイエベとブルベを混ぜるのも今っぽいので、好みでたのしんでみてください。

花屋さんによっては、枝ものなら購入前に組み合わせられるところもあります。可能なら、気になるモミ類をあてがって印象をチェックするといいですね」

<イエベのモミ類>

シノブヒバ
ヒムロスギ

「明るい印象のイエベのモミ類は、金色の飾りとの相性もよいです」

  • シノブヒバ…クリスマスに欠かせないコニファー類。透け感のある葉が美しい。
  • ヒムロスギ…シルバー味を帯びた、こんもりとした葉が特徴。クリスマスシーズンによく出回る。

<ブルベのモミ類>

オレゴンモミ
ブルーアイス
ブルーバード

「一年中出回っているユーカリや、紫の花をつけたリモニュームと組み合わせるのも素敵です」

  • オレゴンモミ…氷点下にもなるオレゴンで育ったモミ類で、葉が散りにくい。
  • ブルーアイス…もっとも香りの強いコニファー類ともいわれる。青緑色の葉が魅力的。
  • ブルーバード…青緑色の葉の裏は灰白色で、シックで落ち着いた雰囲気。香りもよい。

飾り

スワッグの飾りは、花屋さんはもちろん、100円均一ショップや『HANDS(ハンズ)』、オンラインショップなどでも手に入ります。

「ベースとなる常緑樹との相性で、お好みのものを選んでください。ポイントは、長い期間飾るので、そのままの姿が保てるものを選ぶことです」

<定番のもの>

木の実(松ぼっくり)
赤い実(サンキライ)
金色の葉
リモニューム

「“繁栄”の象徴でもある木の実は、ホリデーシーズンの伝統菓子でもよく登場します。中でも松ぼっくりは、スワッグやリースの定番ですね。

赤色は、クリスマスの定番カラー。金色は、南天や水引などと組み合わせれば、日本のお正月にもなじむスワッグに。紫の花をつけるリモニュームも、スワッグに取り入れやすい花材です」

  • 木の実…スワッグのポイントになる木の実「松ぼっくり」。ワイヤーやボンドで固定する。
  • 赤い実…乾燥するとかたくなる「サンキライ」は、赤色のアクセントを加えたいときに。
  • 金色の葉…花屋さんやクリスマスシーズンの100円均一ショップなどでも見かける花材。
  • リモニューム…そのままドライになるので、モミ類と一緒にベースに使っても。

<トレンド感が出るもの>

ユーカリ
アーティチョーク(ドライ)

「今、フラワー界では“南半球の植物”がトレンド。ベースやポイントとなる飾りに使ってみるのもおすすめです」

  • ユーカリ…モミ類とともにベースにも使える。通年、出回っているので、季節のスワッグづくりにもおすすめ。
  • アーティチョーク…蕾の状態でドライになったアーティチョークは、松ぼっくりのような存在感のある花材。

資材と道具

縛ったり、固定したりするのに必要な資材と道具はこちら。

「スワッグは、根本がほどけないようにきつく縛ります。おすすめは、見えても気にならない麻ひもです。

リボン類は、縛った根本が見えないようにする役割と、最後のお化粧。赤色や金色は定番ですが、これにとらわれなくても大丈夫。リネンやコットンなどのナチュラル素材を選ぶと、今っぽいスワッグになりますよ」

麻ひも
ラフィア
リボン類
ワイヤー
好きなオーナメント
はさみ(花切りはさみ)
  • 麻ひも…スワッグの根本を縛り、引っ掛ける輪にする。太さはお好みでOKだが、細すぎないものを。ビニール紐やラフィアでも代用可能。
  • リボン類…幅3〜4cmほどの太めのものがおすすめ。ワイヤーが入っていると形がつくりやすい。ラフィアをリボン代わりにすると、ナチュラルな印象に。
  • ワイヤー…木の実を固定するために使う。100円均一ショップでも手に入る。
  • オーナメント…ツリーに飾るオーナメントを取り入れても。お正月らしくしたければ、水引に。
  • はさみ…かたい枝もすぱっと切れる花切りはさみがあると、作業しやすい。

スワッグの作り方

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これひとつで一気にクリスマスムードが高まるスワッグの作り方を紹介します

好みの花材や資材をそろえたら、作っていきます。このとき、一つコツが。

「モミ類はヤニが出るので、素手でさわるとベタベタします。さわる前にハンドクリームを手のひらに塗っておくと、お湯で手を洗うだけでサッと落ちますよ。もしくは、メイク落とし用の石けんで洗うとよいでしょう」

 

事前にやっておこう<木の実へのワイヤーのかけ方>

1.ワイヤーを半周かける
2.木の実に沿わせるようにワイヤーをもっていく
3.一定方向に木の実をまわす
  1. ワイヤーの両端の長さが均等になるように持ち、木の実の根本から3枚くらい上の葉の間に、ワイヤーを半周かける
  2. ワイヤーを木の実に沿わせながら根本にもっていく
  3. 実を一定方向にまわすとワイヤーがしまる。さらにワイヤーだけをまわすと、2本のワイヤーが1本にまとまる

    作り方

    きつく束ねるためにも下葉はカット

    1.モミ類の下葉を5cmくらいとる

    「ハサミでカットしても、手でむしってもOKです。下葉はキレイにとります。何本かモミ類を組み合わせる場合、下葉をとる長さはそろえておくと仕上がりが美しいです」

    壁面にくる「背中」は平らなものを選びます。今回はシノブヒバを使用

    .ベースのモミ類を持つ

    「壁やドアに飾るので、背中側がなるべく平らなものを選びます。枝の長さは長くても短くてもOK。今回のように長いと大人っぽい印象になりますね」

    重ねるモミ類の色みも合わせます。こちらはイエベ同士のヒムロスギ

    .短いモミ類を重ねる

    「同じ種類でもよいですが、ちがうモミ類を組み合わせると色味や形に変化が加わります。このときにユーカリを重ねても素敵に仕上がりますよ」

    赤い実を重ねると一気にクリスマスムードが高まります

    .アクセントになるものを重ねる

    「赤い実や金色の葉、リモニュームなど、アクセントになる花材を入れます。重ねるときは、長さやボリューム感などもチェックしながら試してみてください」

    手元に近い部分に「ポイント」をつくるとバランスがよくなります

    .ポイントになるものをのせる

    「木の実やアーティチョーク、オーナメントなど、ポイントになるモチーフをのせましょう。固定の仕方はワイヤーでもボンドでも、取れなければ大丈夫です」

    外れないように、ぎゅっと固結びに。

    .麻ひもできつく縛る

    「飾るうちに水分が抜けるので、縛った根本がなるべくゆるまないように、ぎゅっときつく縛ります。麻ひもはあらかじめ4重になるようにしておくと、何度も巻きつける手間が省けますよ。

    この麻ひもは、壁にかけるためのループも兼ねています。余った麻ひもはカットしますが、間違えてループ側を切らないように注意してください」

    麻ひもは4重に折ってから巻きつけると作業しやすい
    巻きつける回数が少なくても丈夫になります
    余った麻ひもはカット

    ワイヤー入りのリボンだと形が整えやすい

    .リボンを結ぶ

    「お好みのリボンを結んだらできあがりです。もっとクリスマス感を高めたければ、赤いリボンを選んでもかわいいですが、シックなチェック柄も暖かい冬のムードが出ます」

    応用編

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    「スワッグはクリスマスのもの、と捉われなくてOK。自由に季節のスワッグを楽しんでみてほしいです」と松岡さん。基本の作り方はそのままに、花材や資材を変えた2種類を作っていただきました。

    トレンド感のあるナチュラルなスワッグ

    一年中飾れる組み合わせ

    ブルーアイスをベースに、ユーカリ、リモニューム、オレゴンモミと、ブルベでまとめたスワッグ。クリスマスにはもちろん、季節を問わず飾りたくなるデザインです。

    「花材はもちろん、リボンの印象もあると思います。あえてナチュラルな素材感と色みのリボンを組み合わせたことで、一年中飾れるスワッグになりました」

    一つで長く冬を楽しめるスワッグ

    クリスマス仕様
    お正月仕様

    一つでも、飾りを変えるだけでクリスマスからお正月まで、洋も和も楽しめるスワッグができます。

    こちらはシノブヒバにオレゴンモミを重ね、金色の葉、木の実をのせ、ナチュラル素材のラフィアで束ねたもの。そこに、クリスマスならクリスマスらしいオーナメントを。お正月なら赤い実を合わせています。

    「オーナメントは、好きなもので楽しんでください。お気に入りのツリー用オーナメントでもいいですし、近頃だと100円均一もバリエーション豊富ですね。お正月には、赤い木の実を南天にしたり、小さな水引を合わせても」

    壁にさらっと飾るだけで、お部屋がクリスマスを待ちわびる雰囲気に

    わかりやすい動画で「作り方」をチェック!

    スワッグの作り方を約60秒のリール動画でも紹介しています。ぜひご覧ください!

    ホリデーシーズンになると、おしゃれな花屋や雑貨屋で見かけるスワッグ。コツさえ押さえれば、自分らしいデザインをたのしむことができます。花材や資材さえ決まれば、束ねるのはほんの10分ほどあれば出来上がり。

    次の休日に、トライしてみませんか?

    撮影/田中麻以 (小学館)

    松岡陽子さん。

    【取材協力】
    フラワーコーディネーター 松岡陽子さん

    花のアトリエ「Arianna(アリアンナ)」主宰。イギリス最古のフラワースクール「コンスタンス・スプライ」元校長であるゲイルデリック氏を始め、フランスのメートル・ダール(人間国宝)、マルセル・ルブラノ・ギエ氏に師事。ディプロマ取得。
    現在は、個人、企業向けアレンジメントレッスンを中心に活動。舞台の装花や、ブライダルの花も手がけている。上品でシックな色使いを得意とし、その質の高いアレンジメントが女性を中心に人気を集める。著書に『プリザーブドフラワーレッスン』(浩気社)。

    Arianna

    ニイミユカ
    ニイミユカ

    朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote

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