実は江戸時代からある琥珀糖
null琥珀糖は、簡単に言うと溶かした寒天に砂糖を混ぜ込んで固め、風通しのいい場所で乾燥させたお菓子のこと。乾燥させることで表面は砂糖が結晶化してカリカリの食感になり、中はゼリー状の寒天のままという2つの食感が楽しめるのもこのお菓子の特徴です。
美しくてかわいらしいお菓子ですから、現代のものと思う人も多いと思います。でも琥珀糖の原型は江戸時代にすでにあったといわれています。
当時は「金玉糖(きんぎょくとう)」と言われ、寒天ではなく、ところてんに砂糖を混ぜ、凍らせたお菓子だったんだとか。
歴史ある日本のお菓子だったんですね!
琥珀糖を作るときのコツ
琥珀糖の作り方はとても簡単! ですが、「いくつかコツやポイントがあるので、最初に覚えておくといいですよ!」と太田さん。
<琥珀糖を作るときのポイント>
●寒天は粉寒天が便利です。棒寒天は水につけたり、ちぎったりする手間がいりますが、粉寒天なら水と一緒に鍋に入れ、混ぜながら煮溶かすだけでOK。
●吹きこぼれやすいので火にかけている間は目を離さずに。
●バットや製氷皿などの型は1度ぬらしてから琥珀糖の原液を流し入れて。ぬらすことで取り外しがしやすくなります。
では、作ってみましょう!
「基本のシンプルな琥珀糖」の作り方
null材料(15×18cmのバット1台分)
寒天 4g
砂糖 300g
水 200ml
作り方
(1)小鍋に、水、砂糖、寒天の順で入れ、中火で温める。
(2)沸騰したら弱火に落とし、2~3分温める。とろみがついたら火から下ろす、
(3)バットに流し入れ、冷蔵庫で30分冷やす。
(4)バットから取り出し、好きな形に切る。(手でちぎってもOK)
(5)クッキングシートの上に重ならないように並べ、風通しのいい場所で3~4日乾燥させる。
シロップやフルーツをプラスした「アレンジ琥珀糖」
null基本の琥珀糖の作り方をマスターしたら、ぜひアレンジに挑戦を。
色づけしたり、フルーツを入れたり……出来上がりのかわいさが違います。
ただ1つだけ注意を。
フルーツを入れる場合、水気の少ないフルーツを入れてください。キウイやオレンジ、レモンなどは水分が多いので不向き。固まらなくなってしまいます。ドライフルーツなどはOKです。
「ジュエル琥珀糖」の作り方
材料(製氷皿1つ分)
寒天 4g
砂糖 300g
水 200ml
かき氷シロップ 10g
※今回は抹茶、いちご、メロン、ブルーハワイを使用
作り方
(1)小鍋に、水、砂糖、寒天の順で入れ、中火で温める。
(2)沸騰したら弱火に落とし、2~3分温める。とろみがついたら火から下ろす、
(3)製氷皿に流し入れ、その上からかき氷シロップをスプーンで1滴ずつ落とし入れる。冷蔵庫で30分冷やす。
(4)製氷皿から取り出し、クッキングシートの上に重ならないように並べ、風通しのいい場所で3~4日乾燥させる。
「フルーツ入り琥珀糖」の作り方
材料(15cm×18cmのバット)
寒天 4g
砂糖 300g
水 200ml
ブルーベリー、マスカットなど 20g
作り方
(1)小鍋に水、砂糖、寒天の順で入れ、中火で温める。
(2)沸騰したら弱火に落とし、2~3分温める。とろみがついたら火から下ろす、
(3)バットに流し入れ、フルーツを散らす。冷蔵庫で30分冷やす。
(4)クッキングシートの上に重ならないように並べ、風通しのいい場所で3~4日乾燥させる。
(5)包丁で切り分ける。
いかがでしたか? 美しき和菓子・琥珀糖。ぜひ作ってみてくださいね!
【取材協力】
太田さちか
ケーキデザイナー。慶應義塾大学卒業後、マーケティング会社に勤務する傍ら、今田美奈子お菓子教室、パリのエコール・ド・リッツエスコフィエにてディプロマを獲得。著書に『メレンゲのお菓子パブロバ』(立東舎)がある。