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赤と黄色のパプリカどっちが甘いと思う?色によって味や栄養に違いが!知られざる「パプリカの基礎知識」

夏が旬の「パプリカ」は、料理に彩りを添えたい時に助けてくれる優れもの。何と言っても、赤、黄色、オレンジなど、そのカラフルな色が特徴です。さまざまな色がありますが、そもそも色による違いは何かあるの? 

そんな素朴な疑問を管理栄養士のFUKAさんに聞いてみたところ、思った以上に差があってビックリ!? 実は深すぎたパプリカの世界をお届けします!

パプリカは「赤」が一番甘くてコクがある!

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パプリカは種類が豊富でカラフル!

まずは、管理栄養士のFUKAさんに、パプリカの色の種類について尋ねると……。

「パプリカには想像以上にたくさんの色があります。一般的にスーパーなどでよく見かけるのは、赤、黄色、オレンジですが、他にも緑(完熟前の状態)や、紫、白といった珍しい色のパプリカも。色によって味や食感が異なるので、料理によって使い分けると面白いですよ」(以下「」内、FUKAさん)

色によって味が異なる(!)とのこと。具体的にはどのような味わいなのでしょうか?

「全体的に言えるのは、ピーマンに比べると、どの色のパプリカも苦味が少なく、甘味が強いのが特徴です。

なかでも、赤は完熟しているので、一番甘くてコクがあります。

黄色はフルーティーで軽やかな甘さ。

オレンジはその中間くらい、バランスの取れた甘味があります。

緑は完熟していない状態なので、少し苦味や青臭さがあって、シャープな味わい。

珍しい紫色のパプリカも。

紫や白は品種によって風味が異なりますが、紫は苦味が少なくフルーティー、一方の白はやや苦味があり、甘さが控えめな印象です」

色によってこんなにも味に違いがあったとは! 甘い、苦いなど、好みの味から色を選ぶといいのですね。

栄養素のバランスが一番いいのも「赤」だった!

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赤、黄色、オレンジが主流のカラー。

ちなみに、色による栄養素の違いはあるのでしょうか?

「ビタミンCが豊富なパプリカは、色によって含まれる抗酸化成分やビタミンの量が異なります。主要な赤、黄色、オレンジで比べてみましょう。

赤は、β-カロテンやビタミンC、ビタミンEが豊富で、抗酸化作用が高いのが特徴です。色で迷った時は、赤を選ぶと栄養面が一番いいですよ。

黄色は、ルテインが多く、ビタミンCも多め。オレンジもルテインを多く含んでいます。ちなみに、ルテインはカロテノイドの一種で、強い抗酸化作用を持つ天然色素。目を守るのに効果的な栄養素で、肌の老化予防にも効果があると言われています」

参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

ちなみに、赤パプリカ、黄パプリカ、ピーマンの3つの栄養素を比べた表を見てみると、カリウム、βカロテン、ビタミンE、ビタミンC、すべての値で赤パプリカがトップ! 栄養面が気になる人は、とりあえず迷ったら、赤を選ぶとよさそうです。

色で使い分ければ、いつもの料理がグンと美味しく!

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最後に、色の違いによって、適した料理はあるのでしょうか? 上手に使い分けできると便利ですよね。それぞれ、おすすめの料理があれば、ぜひ知りたいです!

赤パプリカは「ローストパプリカのマリネ」

「赤パプリカは、甘味とコクがしっかりしていて、加熱するとさらに甘味が際立つので、私はローストパプリカのマリネがお気に入り。

赤パプリカを皮が焦げるまで丸ごとじっくり炙ってから、皮をむいてオリーブオイルとビネガーでマリネして冷蔵庫へ。これは我が家で定番の作りおきで、冷蔵庫で寝かせるほど味がなじんで絶品です!

また、グリルしてペースト状にすれば、パスタソースにも使えます。赤パプリカは素材の甘味を活かしたい料理に向いていますよ。

黄パプリカは「サラダやピクルス」

鮮やかな黄色は夏にぴったりなビタミンカラー!元気な差し色に。

黄パプリカは、さっぱりとしたフルーティーな甘さで、シャキッとした食感を楽しむ料理に向いています。

生で食べるサラダやピクルスはもちろん、さっと炒めるだけでも彩りとさわやかさを添えてくれるので、中華やエスニック系の炒め物にぴったり。

明るく華やかな黄色は食欲をそそるため、夏の冷たい前菜や付け合わせにもおすすめです。目からも元気をいただけますね。

オレンジパプリカは「お弁当のおかず」の彩りに

オレンジパプリカはクセがなく、甘味も穏やかでバランスがいい万能選手。どんな料理にも合わせやすく、特にお弁当のおかずや子ども向けのメニューの彩りに最適です。

卵に混ぜてオムレツにしたり、ツナと和えてサラダにしたりと、手軽に使えて便利なんですよ。主張しすぎないので、他の素材の味を邪魔せず、彩りだけ添えたいときにも重宝します。

緑パプリカは「炒め物や肉詰め」

緑パプリカ(完熟前のもの)は、苦味や青っぽさがある分、油と相性抜群! 炒め物や肉詰めに使うと味がシャープに締まります。

例えば、ミートソースやひき肉を詰めると、肉の旨味とのバランスがよく、程よい苦味が全体をキリッと引き締めてくれます。ほのかな苦味で深みが増す、大人向けのパプリカです」

こんなに色によって使い分けができるなんてビックリ! 正直、「この料理にはこの色が合いそうだな〜」くらいの感覚でいつも選んでいました……。味や食感を活かして上手に使い分けできると、いつもの料理がより美味しくパワーアップしそうですね!

これからはスーパーで並ぶパプリカを見る目が変わる予感。ぜひ、旬の美味しい季節に、色の違いも楽しみながら、さまざまなパプリカを味わってみてください。

 

取材・文/岸綾香

 

【参考文献】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

FUKA
FUKA

家族が笑顔になれる 【幸せおうちごはん】のレシピを紹介する管理栄養士/料理家。簡単だけど、美味しくてちょっとおしゃれなレシピが大人気。

公式Instagram:【管理栄養士】FUKAの褒められおうちごはん @morifu_popo

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