まずは「しらす」と「ちりめんじゃこ」について調べてみると…
nullしらす
カタクチイワシ、マイワシ、イカナゴ(まれにアユ)などの稚魚の総称。無色透明であるが、ゆでると白っぽくなる。「しらすぼし」などにする。「しらすぼし(白子干)」の略。
【出典】精選版日本国語大辞典 小学館
ちりめんじゃこ
一般的にはカタクチイワシを使用するが、ほかに、マイワシ、ウルメイワシ、シロウオ、イカナゴなどの体長1〜4センチメートルの仔稚魚(関西地方の呼び名は「じゃこ」)を、食塩水でゆでて干した「しらす干し」のことをいう。広げて天日干しにしたときに、表面に細かなしぼのある絹織物の縮緬のように見えることに由来する。また雑魚という意味で、ちりめんざこともいう。鮮魚の状態をシラスということから、生乾きのものをしらす干しとよび、よく乾燥させたものをちりめんじゃこと区別することもある。
【出典】日本大百科全書(ニッポニカ) 小学館
つまり「しらす」と「ちりめんじゃこ」の違いって?
主にカタクチイワシの稚魚で、生後1〜2カ月の体長2cmくらいまでのものを「しらす」、5cmくらいまでのものを「かえり」、5cm以上になると「いわし」などと呼びます(地域によって変わる場合があります)。
しらすは生でも食べられますが、鮮度が落ちるのが早いため、塩水で釜ゆでにします。一般的に、釜ゆでにして水分量が80〜90%程度のものが「釜揚げしらす」。釜ゆで後に干して、水分量が60〜70%程度のものが「しらす干し」。もっと乾燥させて水分量が50%以下になったものが「ちりめんじゃこ」。
どれも同じ「しらす」ですが、水分量の違いにより、呼び方が変わっていました!
ちなみに、普段スーパーなどでよく見かけているのは、正確には「しらす干し」なんですね。

しらすは「調味料」代わりに気軽に使ってみて!
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しらすの上にチーズをのせて焼いただけ。味付けいらずで超簡単です!
さらに、時吉さんは、「しらすは塩味が付いているので、調味料代わりに使うと便利ですよ」と話します。
「私が大好きなのがしらすピザ。ピザ生地を作って(市販のピザ生地でもOK)、そこにしらす干しをワーッとたっぷりのせて、さらにシュレッドチーズをのせて焼くだけなんですけど、孫がとても喜んで食べてくれるんです。しらすは子どもでも食べやすく、カルシウムも満点です。ピザ生地がなければ、トーストで作っても美味しいですよ!」(以下「」内、時吉さん)
家にパンがあったので早速作ってみたところ、しらすとチーズの組み合わせが最高〜! 塩味がちょうどいいので、調味料いらず。しらすとチーズの下に焼きのりを敷いてもよく合いました。

薄く広げて凍らせておけば、パキッと折って使えて便利。
「しらすは春と秋に2回旬があると言われています。安い時に買っておき、冷凍用の保存袋に平らに伸ばして凍らせておくのがおすすめ。使いたい分だけパキッと折って、凍ったまま料理に使えます」
そして、乾燥させている分、より保存が効くのが「ちりめんじゃこ」です。
「ちりめんじゃこは山椒で炊いた、京都のおばんざいが有名ですね。かぼちゃや万願寺とうがらしの煮物などにもよく使われています。
子どもが小さい時は、高菜と一緒にちりめんじゃこを炒めて、生ふりかけをよく作っていましたね。大根の葉を刻んでごま油で炒めて、ちりめんじゃこを加えても美味しい。炊き立てのごはんにのせると、子どもがよく食べてくれました。


おかずにする場合は、ピーマンやししとうと炒めてもよく合います。ちりめんじゃこに塩味も旨味もあるので、みりんとしょうゆを少し足せば手軽に一品できあがりますよ」
我が家には2歳の子どもがいますが、気付けば離乳食の頃からしらすはいつも常備しています。小さな子どもはまだ薄めの味付けなので、しらすの塩味って、ちょうどいいのですよね。炊き込みごはんに入れたり、卵焼きに入れたり、豆腐にのせたり、スープに加えたり、おにぎりにまぶしたり、とっても便利!
「しらすは調味料代わりに気軽に使ってみてください。お手軽食材ですよ」と時吉さん。ぜひ、みなさんも日々の料理のお供にしてください。
取材・文/岸綾香

料理研究家。(株)Clocca代表取締役 cooking Clocca代表
土井勝料理学校をはじめ各地の料理教室講師のほか、「ZIP!MOCO’Sキッチン」(放送終了)「有吉ゼミ」「黄
Instagram(@cooking_clocca)では、日々のお料理や季節の和菓子といったレシピを中心に、オススメの調理器具やロケ先で出合った食材などを発信中。