「炒り卵」と「スクランブルエッグ」の違いって…
nullどちらも溶いた卵を炒めて作る、シンプルな卵料理ですよね。単純に和風、洋風で呼び方が違うだけ?と思い調べてみると……。
炒り卵は水分をとばして作る「ポロポロ」食感
炒り卵は「卵の水分をとばしながら」いりつけるのが特徴。醤油や砂糖を味付けに使う、和食という扱いです。
割り落とした鶏卵にしょうゆや砂糖などの調味料を加えて煎りつけた料理。
【出典】日本国語大辞典(小学館)
スクランブルエッグは「とろとろ柔らか」で水分たっぷり
スクランブルエッグは、卵に牛乳や生クリームといった乳製品を混ぜて作ります。バターで風味を出しつつ火にかける時間を短くして「卵の水分を残したまま」の仕上がり。
卵に牛乳などを加え、バターで手早くやわらかに炒りあげた料理。
【出典】デジタル大辞泉(小学館)
で、つまり「炒り卵」と「スクランブルエッグ」の違いは…
炒り卵は「しっかり水分をとばしてポロポロ状に」、スクランブルエッグは「水分を残してふんわりやわらかく」と、その仕上がりの考え方はかなり違うもの。
和食と洋食という、全く別ジャンルの卵料理なので、作り方に違いがあるのも納得ですね。
決め手は「卵の水分」でした!
null卵の水分をとばすか残すかがポイントなんですね。
料理研究家の時吉さんによると、
「炒り卵は油をしかずに、パラパラにしていきます。昔は雪平鍋を使って、焦げつかないよう菜箸を4本くらい持って、グルグルかき回しながら作っていました。
調味料もお醤油や砂糖などを少々。水分を抜いて充分加熱させていくことが大切なんです。今は卵にお酢やマヨネーズを入れる方もいますが、それでも炒り卵は和食の仲間ですね」(以下「」内、時吉さん)
卵を炒めるときは、油をしくものばかりだと思っていましたが、炒り卵にはもともと油を使わないんですね。ヘルシー!
そして確かに、そぼろ丼などにのっている炒り卵は、だいたいがポロポロとした粒状。お弁当にもよく使われるので、傷みづらいという意味でも、水分を飛ばしてしっかり加熱、が安心ですね。
「スクランブルエッグは、卵1個に対して牛乳などの乳製品を大さじ1ずつ加え、バターや油などの油分でとろっと半熟に仕上げていくのが基本。炒り卵と違い、水分を足しながら作っていくんですよ。ふんわりさせるために炭酸水を加える人もいるようですね」
こんなにも明確に料理法が違っていたとは……。これは別ものですね。
ポロポロにも、ふんわりにも、カンタンに姿を変えて美味しくなってくれる、汎用性の高い卵、大好きです!
【取材協力】
料理研究家 時吉真由美
(株)Clocca代表取締役 cooking Clocca代表
土井勝料理学校をはじめ各地の料理教室講師のほか、「ZIP!MOCO’Sキッチン」(放送終了)「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」などTV・出版物等のフードコーディネートや、料理、レシピ制作などで幅広く活躍中。
楽天レシピに多数のレシピを掲載する他、YouTubeチャンネル「Clocca Cooking Channel」にて、語り継ぎたい伝統的な行事食を中心に、作り方やプチ知識を公開中!