ビタミン類や食物繊維などさまざまな栄養素が
ビタミン類や食物繊維などさまざまな栄養素が【洋梨(西洋なし)100gあたりに含まれる主な栄養素】
- エネルギー:48kcal
- 糖質量:12.5g
- 食物繊維:1.9g
- カリウム:140mg
- ビタミンC:3mg
- カルシウム:5mg
- アスパラギン酸:88mg
洋梨(西洋なし)は食物繊維やカリウムが豊富です。さらに、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、葉酸などのビタミン類に加えて、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラル類まで幅広い栄養素が含まれていますが、それぞれの含有量はそれほど多くないのが特徴です。
洋梨のエネルギー(カロリー)・糖質・食物繊維量
洋梨1個(可食部170g)にはエネルギー82kcal、糖質21.3g、食物繊維3.2gが含まれています。おなじみの和梨(日本なし)と比較すると、洋梨のほうがエネルギー、糖質、食物繊維ともに多くなっています。
洋梨に含まれる糖質はブドウ糖、果糖、ショ糖ですが、なかでも果糖が多く含まれています。果糖を含む果物は冷やすことで甘みを強く感じられるのが特徴です。
さまざまなビタミン類も
洋梨にはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、葉酸などさまざまなビタミン類が含まれています。葉酸も含んだビタミンB群はエネルギー代謝を助ける栄養素なので、補給することで疲労回復に役立ちます。
また、葉酸は産前産後の母子の健康や赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素です。
ビタミンCはコラーゲンの生成に必要で肌や粘膜の健康を維持する働きがあります。
カリウムが豊富!むくみ予防や高血圧予防に
洋梨1個(可食部170g)にはカリウムが238mg含まれています。
カリウムは体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を促す働きがあり、高血圧予防、生活習慣病予防に役立つミネラルです。厚生労働省は「食事摂取基準(2020年版)」で、成人が生活習慣病予防のため1日に摂りたいカリウムの目標量を、男性3000mg以上、女性2600mg以上としています。食事や間食に洋梨を取り入れることで手軽にカリウムを補給しましょう。
洋梨に含まれるアスパラギン酸で疲労回復
アスパラギン酸はもともと、アスパラガスから発見されたアミノ酸の一種であることからその名が付きました。うま味成分としても知られている栄養素ですね。アスパラギン酸は新陳代謝を高める働きにより、疲労回復に役立つと期待されています。
洋梨から得られる効果・効能は?
洋梨から得られる効果・効能は?抗酸化作用・美肌に期待大!
洋梨にはビタミンC、食物繊維など美容にうれしい栄養素が含まれています。ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かせない栄養素で、肌の健康を保つ働きにより、美肌・美白を保ちたい人や日焼け予防をしたいときにおすすめです。
さらに、ビタミンCには抗酸化作用によって体内の活性酸素を除去する働きがあることから、老化予防(アンチエイジング)効果も期待できます。
食物繊維は腸内環境を整え、便秘が原因で起こる肌荒れを改善する働きがあります。
カリウムでむくみ予防・改善!
前述したように洋梨はカリウムが豊富。カリウムは体内の水分を調整する働きや利尿作用があるので、むくみの予防・改善におすすめです。
カリウムは野菜にも多く含まれますが、水溶性のミネラルで、茹でたり、水にさらしたりすると失われてしまいます。生のまま手軽においしく食べられる洋梨はカリウム補給にぴったりの食べものです。
洋梨を長持ちさせるコツ・保存方法
洋梨を長持ちさせるコツ・保存方法洋梨の食べごろはいつ?追熟の目安
洋梨は追熟することでおいしく味わうことができる果物です。
熟してくると表面が柔らかく、手になじむ感覚になります。さらに軸にシワが現れ、香りが強くなってきたら食べごろです。
未熟な洋梨は硬くて洋梨独特のこっくりとした甘みと、とろけるような食感がなく、食べ比べてみると別の果物に感じるほどの違いです。未熟な洋梨をおいしくするには追熟が必要です。紙袋や段ボールに入れて冷暗所へ置き、食べごろまで待ちましょう。
熟した洋梨の保存方法
熟した洋梨は追熟を遅らせて長持ちさせるため、ひとつひとつキッチンペーパーや新聞紙で優しく包んだあと、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存するのがおすすめです。
スライスして冷凍保存も
完熟した洋梨は冷凍保存も可能ですが、未熟なものは甘みが足りず冷凍保存には向きません。冷凍保存するときは皮を剥き、芯を取って食べやすく切り、なるべく重ならないように保存袋に入れてから冷凍庫に入れてください。
半解凍するとシャーベット感覚でおいしく食べられます。凍ったまま牛乳や豆乳と合わせミキサーでスムージーにしたり、砂糖を加えて鍋で煮込みジャムにしたりと、いろいろ使えて便利です。
撮影:黒石 あみ(小学館)
【参考】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・「くらしに役立つ栄養学」新出真理監修 ナツメ社
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・「からだにおいしいフルーツの便利帳」三輪正幸監修 高橋書店
・農林水産省 北陸農政局「今月の園芸特産作物:11月 」西洋なし
https://www.maff.go.jp/hokuriku/seisan/engei/tokusan201711.html
・JAグループ「とれたて大百科」西洋ナシ
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=89
・毎日くだもの200グラム推進全国協議会委員 「くだものの栄養素」
http://www.kudamono200.or.jp/health/health_01.html
・毎日くだもの200グラム推進全国協議会委員 「くだものの健康効果」
http://www.kudamono200.or.jp/health/health_02.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」カリウム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」食物繊維
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
(最終参照日:2021/08/20)