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いんげんの下処理、どうしていますか?気になる栄養から保存方法まで解説します【管理栄養士監修】

ごま和えなどの副菜や、煮物に彩りを添えるためにもよく使われるいんげん。1年中出回っていますが本来の旬は夏。豆の青い香りとシャキシャキとした歯触りがおいしい野菜です。添え物として使うだけではもったいないほど優秀ないんげんの栄養情報に加え、筋取りは必要?おいしい茹で時間はどれくらい?など、意外と知らないいんげんの基礎知識を、管理栄養士の小原さんにじっくりと教えてもらいました!

いんげんの栄養情報

いんげんの栄養情報

いんげんに含まれる主な栄養素(100gあたり)

  • エネルギー:23kcal
  • 糖質:2.7g
  • ビタミンK:60μg
  • 葉酸:50μg

健康な体づくりに役立つビタミン

いんげんにはビタミンB1・B2・B6などいくつものビタミンが含まれています。そのなかでも注目したいのがビタミンKと葉酸です。ビタミンKはけがをして出血したときに血液を固める、止血の働きにかかわるので「止血ビタミン」ともいわれます。葉酸は新しい血液を作り出すのに必須の成分で「造血ビタミン」といわれることも。どちらも血液にかかわる人にとって欠かすことのできないビタミンです。

いんげんは低糖質・低エネルギー(カロリー)

味わいの濃いいんげんですが、低糖質・低エネルギーの野菜です。ダイエット中で糖質やエネルギーをコントロールしたいと考えている人も、安心して料理に使える食材ですね。しかし、糖質やエネルギーが少なければいいというわけではありません。栄養バランスが偏らないように、いろいろな食材を摂るようにしましょう。

いんげんの上手な保存方法

いんげんの上手な保存方法

冷蔵保存は包んで立てる

いんげんを冷蔵庫で保存するときは、まず向きをそろえてキッチンペーパーで包み、保存袋またはポリ袋に入れます。へたを上に向け、立てて野菜室で保存しましょう。保存の目安は1週間程度です。

冷凍保存は切って生のまま

いんげんは冷凍保存も可能です。へたを切ったいんげんを使いやすい長さに切り、ジッパー付きフリージングバッグに入れ、平らにならして冷凍します。こうすることでいんげん同士がくっつくのを防ぐことができます。保存の目安は1カ月程度。凍ったまま調理ができます。

茹でたいんげんを冷凍保存することもできます。いったん冷凍したいんげんを解凍すると食感が柔らかくなりやすいので、かために茹でるようにしてください。

意外と知らない!いんげんの下処理

意外と知らない!いんげんの下処理

筋取りは必要?先端は切り落とす?

最近ではいんげんの品種改良が進み、筋がないタイプが主流になっているようです。とはいえ、見ただけでは筋の有無はわかりづらいので、料理を始める前に確認してみるのがいいでしょう。

まず、いんげんのへたの部分を軽く折り、下に向かってそっと引きます。続いて、上下を返して先端の方からも同じように筋を取ったらおしまいです。筋があるいんげんはこうすることで筋が取れますし、筋がないいんげんは2cmくらいで筋が切れます。

筋がないいんげんも先端は切り落とさなくても大丈夫。おいしく食べられますし、茹でたときに切り口から栄養が流れ出るのも防ぐことができます。ただ、見た目が気になるなどの場合は先端を切り落としましょう。

茹で時間を守ってシャキシャキ食感に

いんげんは茹でることで独特の香りが和らぐので、炒め物などのに使用するときも下茹でをおすすめします。栄養が流れ出るのを防ぐには、切らずに長いまま茹でるのがいいでしょう。ただ、使いやすい長さに切ってから茹でたほうが手間が省けるという場合もあるので、状況に合わせてやり方を変えてくださいね。

まず、いんげんのへたを揃えて切り落とします。筋を取ったいんげんはそのままで大丈夫です。鍋に湯を沸かしいんげんを入れ、1分半くらい茹でます。茹で上げたらざるに広げ、風通しのいいところで冷ましましょう。水にさらさずに冷ますと風味や味わいが濃く感じられます。色鮮やかに仕上げたいときは水にさらしますが、その場合は少し長めに茹でてください。

お手軽な電子レンジ調理

へたを取ったいんげんをさっと水にくぐらせ、耐熱皿に並べふんわりとラップをし、電子レンジで600Wで1分半くらい加熱します。加熱後はざるの上に広げてそのまま冷ましましょう。水にさらす場合は少し長めに加熱してください。

人にとって大切な栄養を含むいんげんは、料理の彩りに少量使うだけでなく和え物や汁物、炒め物などいろいろな料理に活用できる野菜です。筋なしのいんげんが主流になり扱いも難しくありません。電子レンジでも調理ができるので、忙しい朝のお弁当作りにも活躍しますよ。

 

撮影:田中 麻以(小学館)

 

【参考】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・「からだにおいしい あたらしい 栄養学」吉田企世子監修 高橋書店 2016年
・独立行政農業法人農畜産業振興機構「月報 野菜情報」今月の野菜ーさやいんげん 2011年6月
https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/yasai/1106_yasai1.html
・「花図鑑 野菜」芦澤正和監修 草土出版 2006年
・「ひと目でわかる!食品保存事典」島本美由紀 講談社 2015年

(最終参照日:すべて2021/7/5)

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