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夏こそ食べたい!「みょうが」の栄養情報・上手な保存方法を解説します【管理栄養士監修】

独特の爽やかな香りで夏のそうめんやお味噌汁には欠かせないみょうが。実はその香りには、夏の疲れを癒やすのにも役立ってくれるそう! 香りをキープするための保存方法や、添え物としてではなくたっぷりみょうがを食べる調理法を、管理栄養士の小原さんが紹介します! 

暑い夏の強い味方!みょうがの栄養情報

暑い夏の強い味方!みょうがの栄養情報

みょうがに含まれる主な栄養素(100gあたり)

  • エネルギー:11kcal
  • 食物繊維:2.1g
    水溶性食物繊維:0.4g
    不溶性食物繊維:1.7g
  • カリウム:210mg
  • 葉酸:25μg

むくみ予防を助けるカリウム

みょうがにはカリウムや葉酸など様々な栄養素が含まれています。カリウムは体内の水分量の調整をする働きがあるため、むくみの予防にも役立ちます。葉酸は血液の赤さの元である赤血球を作るのに重要な役割をしています。

みょうがの香り成分の効能って?

みょうがの爽やかな香りは精油成分のα-ピネンによるものです。α-ピネンは多くの木にも含まれていて、森林浴でも注目されています。α-ピネンに期待できるのは胃腸を整え食欲を増進させる、血行を促す、質の良い睡眠を促すなどの作用。「暑さで食欲がない」「冷房で体が冷えてしまった」そんな時にみょうがはぴったりの食材といえます。

香りキープ!みょうがの上手な保存方法

香りキープ!みょうがの上手な保存方法

おいしいみょうがの選び方

鮮度のいい、おいしいみょうがの特徴は以下の通りです。

・ふっくらと丸みがある
・穂先が締まっている
・鮮やかな紅色でツヤがある

さらに、触ってふかふかと柔らかいものは苦みが強いといわれます。以上の点を選ぶ際の参考にしてみてくださいね。

保存の目安は冷蔵2週間/冷凍1カ月

冷蔵庫で保存するときは、保存容器に入れ、みょうががかぶるくらいの水を注ぎます。3日に1回水を替え、2週間を目安に使い切りましょう。

冷凍保存するときは千切り、小口切り、みじん切りなど用途に合わせて切り、ジッパー付きフリージングバッグに入れ、平らにならして冷凍します。調理するときは凍ったままで大丈夫。保存目安は1カ月程度です。みょうがは冷凍すると食感がやややわらかくなるので、生で食べるよりは味噌汁に入れたり、炒め物の仕上げに加えたりするのに向いています。

保存食で長く楽しむ

みょうがは甘酢漬け、塩漬け、しょう油漬けなどの漬物にすることで保存性が高まり、長期間おいしくいただくことができます。また、みじん切りにして味噌や砂糖と一緒に炒めたみょうが味噌は日持ちもしますし、ごはんやおにぎりはもちろん、生野菜に添えたりや田楽にしたりしても楽しめますよ。

薬味以外でも!みょうがのおいしい食べ方

薬味以外でも!みょうがのおいしい食べ方

料理に合わせた下ごしらえと切り方

ひと手間かけて下ごしらえをし、料理に合わせた切り方をすると、みょうがをいっそうおいしく食べることができます。

■下ごしらえ
土や汚れを水で洗い流し、黒ずみ・変色・先端が乾いているなどがあればその部分だけ切り落とします。

■千切り
細長く仕上がるため存在感があり、シャキシャキの食感が味わえます。大きめの具材やそうめんなど細長い具材と合わせやすいのが特徴です。

根元を少し切り落とし縦半分に切り、切り口をまな板につけ、繊維に沿って細く切ります。

千切りをする前に根元にV字の切り込みを入れ、芯を取るとほぐれやすくなります。多少つながっていてもいいというときはそのまま切って問題ありません。

■小口切り

細かく仕上がり具材とからみやすいのが特徴です。和え物や混ぜ込むなど、みょうがを全体に絡ませたいときに向いている切り方。
根元を少し切り落とし、端から繊維を断つように細く切り、軽くほぐします。

■水にさらす

水にさらすと香りや苦みが和らぎ、食感がよくなります。生で食べるときや苦みが気になるときは水にさらしてから使うといいでしょう。香りと味を流しすぎないように水にさらすのはサッと短時間で済ませ、手ではしぼらずザルなどでしっかり水を切るようにします。

みょうがの食べ方アイディア

みょうがの食べ方アイディア

薬味など食卓では脇役に徹することの多いみょうがですが、せっかくの旬の野菜ですから、ほかの食材と組み合わせてたっぷり食べましょう!

鶏肉と合わせた炒め物や、みょうがを縦四つ割りにして豚薄切り肉を巻いて甘辛く焼いた肉巻きなどお肉とも好相性です。

またうなぎやしらすと一緒に卵とじにしたり、天ぷらやかき揚げなどの揚げ物にしたりしても楽しめます。

鮮烈な香りと鮮やかな紅色が食卓を彩るみょうが。ポイントを押さえて鮮度のいいものを選ぶと保存性がよく毎日の料理に重宝します。生でも加熱調理してもおいしいので、薬味としてだけでなくいろいろな料理を試してみてくださいね。

 

撮影:田中 麻以(小学館)

 

【参考】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「e-ヘルスネット」カリウム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-008.html
・林野庁「赤沢自然休養林を活用した森林セラピーの取り組み」
https://www.rinya.maff.go.jp/chubu/gijyutu/pdf/pdf/h20_087.pdf
・森林総合研究所「研究紹介」木材由来のにおい成分α-ピネンは人をリラックスさせる
https://www.ffpri.affrc.go.jp/research/saizensen/2017/20170309-03.html
・養命酒製造株式会社「ハーブ・生薬のあるすこやかな暮らしをお届け!楽しむ・学ぶ」東大名誉教授にきく、森林浴の効果!香りのメカニズムと注目の効能
https://www.yomeishu.co.jp/health/3748/
・『野菜のソムリエ「ベジフルキッチン」栄養と保存と調理の知恵』日本ベジタル&フルーツマイスター協会 幻冬社 2006年
・「NHK出版からだのための食材大全」池上文雄 NHK出版 2020年
・「ひと目でわかる!食品保存事典」島本美由紀 講談社 2015年

(最終参照日:すべて2021/5/11)

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