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意外な健康効果も!らっきょうの栄養情報&おいしい食べ方をご紹介【管理栄養士監修】

カレーのおともに欠かせないという人も多いらっきょう。独特の香りと歯触りがくせになるおいしさです。らっきょうはもともとは薬用に使われていたというくらい、いくつもの効能が期待できる野菜。そのくわしい栄養情報や保存方法、生のらっきょうが手に入ったときの甘酢漬け以外の楽しみ方までご紹介。管理栄養士が解説する、野菜の基礎知識シリーズです。

元気をサポート!らっきょうの栄養情報

らっきょうに含まれる主な栄養素(100gあたり)

  • エネルギー:83kcal
  • 食物繊維:20.7g
    水溶性食物繊維:18.6g
    不溶性食物繊維:2.1g
  • カリウム:230mg

肥満予防が期待できる食物繊維

らっきょうには食物繊維が多く含まれていて、その量はごぼうのおよそ3.6倍。食物繊維には水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維がありますが、らっきょうに多く含まれているのは水溶性食物繊維です。

食物繊維の働きのひとつに脂質や糖を吸着して体の外に排出する作用があります。そのため脂質や糖の摂り過ぎによって引き起こされる肥満の予防や改善に効果が期待されています。

水分の調整役、カリウム

カリウムは体内の水分量の調整をする働きがあり、むくみ対策や熱中症の予防に役立つ栄養素です。また、過剰なナトリウムを体から排出する作用があり、塩分の摂り過ぎを調整する上でも大切です。外食やテイクアウトの食事が多いときなどには頼りになりますね。

硫化アリル×ビタミンB1でエネルギー効率アップ!

らっきょう独特の匂いは硫化アリルによるものです。硫化アリルはビタミンB1の吸収を高める働きがあります。ビタミンB1は糖質からエネルギーを生み出す糖代謝にかかわる栄養素で、多く含む食材は豚肉や大豆、玄米、えのきたけなどです。

ポークカレーとらっきょうはおいしいだけではなく、栄養的にも良い組み合わせといえるんです!

らっきょうの上手な保存方法

生のらっきょうはすぐに調理!

生のらっきょうは収穫後も成長力が盛んですぐに芽が出てしまうため、手に入れたらなるべく早く調理することをおすすめします。すぐに調理ができないときは紙に包み、冷暗所か冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。それでも成長は続くので、早めに調理して下さい。

冷凍保存はひと手間かけて

生のらっきょうは低温を嫌い、冷凍すると食感や風味が損なわれてしまいます。らっきょうを冷凍保存するときは甘酢漬けにするなど、調理してからがいいでしょう。その際は漬け汁も一緒に保存するのがおすすめです。

先人の知恵を活かして保存食に

らっきょうは甘酢漬けや塩漬けなど漬物にすることで長期間保存ができます。

昔ながらの作り方では下漬けをしてから本漬けをするなど手間と時間がかかる作業でしたが、現在では黒酢漬けやキムチなどバリエーションが増え、楽しみ方もさまざまです。生のらっきょうが出回る期間はわずかですから、ぜひ手作りの漬物にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

甘酢漬けだけじゃない!らっきょうの食べ方

期間限定!生のらっきょうが手に入ったら?

らっきょうの収穫期間はおよそ1カ月。貴重な旬の野菜として楽しんでみてはいかがでしょうか。玉ねぎのように薄切りにして、かつお節としょうゆをかけたり、みじん切りにしたものを薬味として料理に添えたり、ドレッシングにしたりするとおいしく食べられます。

加熱するとホクホクに!焼く・天ぷら・炒める

らっきょうは加熱するとホクホクした食感になり辛味が和らぎます。焦げ目がつくまでフライパンで焼く焼きらっきょうや、かき揚げや天ぷらなどの揚げ物とも好相性です。また甘酢漬けや塩漬けにしたらっきょうを漬け汁ごと炒め物に入れても。

食卓では脇役になることが多いらっきょう。健康を支える栄養を含み、いろいろな料理で楽しむことができる食材です。生のらっきょうを味わえるのはごく限られた時期だけ。漬物以外の食べ方も、ぜひ楽しんでみてくださいね!

 

撮影:田中 麻以(小学館)

 

【参考】
・厚生労働省「e-ヘルスネット」食物繊維
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」食物繊維の重要性
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」カリウム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
・農林水産省「園芸特産作物に関する情報」今月の園芸特産作物:7月らっきょう
https://www.maff.go.jp/hokuriku/seisan/engei/tokusan201807.html
・JAグループ「とれたて大百科」ラッキョウ
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=52
・JA鳥取いなば「ええもん届ける便」生らっきょうQ&A
https://jainaba.net/hpgen/HPB/entries/6.html
・JA高知県「土佐の高知のあぐりの地から」らっきょう
https://ja-kochi.or.jp/agriculture/products/vegetable/852/
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・「からだにおいしい あたらしい 栄養学」吉田企世子監修 高橋書店 2016年

(最終参照日:すべて2021/5/6)

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