切ってむいて甘酢に漬けるだけ。実はそんなに難しくない!
nullらっきょうの旬は5〜6月。スーパーにらっきょうが並び始め、この季節になると、母がらっきょうを漬けていたのを思い出します。自分で漬けてみたいと常々思いながらも、なかなか重い腰が上がらなかったのですが、ステイホームが続く今年こそは挑戦したい!
「旬の時期しか出回らず、あまり慣れない食材なので、なんとなく難しく感じますが、らっきょうを漬けるのって、実はそんなに難しくないんですよ。ポイントは1つだけ。根はギリギリで切ること。それさえ気をつければ、失敗なく作れますよ。らっきょうの香りを嗅ぎながら、季節を感じる手仕事を楽しんでみてくださいね」(以下「」内、沼津さん)
毎年らっきょうを漬け続けている沼津さん。初心者でも分かりやすく教えてくれたので、早速、作り方を動画でチェックしてみましょう。
【材料】(作りやすい分量)
らっきょう・・・500g
塩・・・25g
酢・・・1カップ
砂糖・・・1/2カップ
赤唐辛子・・・1本
【作り方】
(1)らっきょうを洗う
まずはらっきょうを水でよく洗います。表面の汚れを取るようにしてゴシゴシ洗い、くっついているものは外して1つにしましょう。
(2)根と頭を切り落とす
きれいに洗ったら、根と頭の部分を少しずつ切り落とします。
「この時に、根の部分は切り落としすぎないのが最大のポイント! 汚れた部分はギリギリで切ってください。切り落としすぎると水分が入り過ぎて、グシャッとした食感に。らっきょうならではのシャキシャキした歯応えのある食感がなくなるので注意して。ここは手間でも慎重に行ってくださいね」
【右がOKな切り口】ギリギリで根を切っているので、黄色っぽい芯が見えるが、これで正解!
【左はNGな切り口】切り過ぎてしまっているので、水分が入り過ぎてグシャッとした食感になってしまう。
「らっきょうは芽が伸びるのが早いので、買ってきてなかなか漬けないで置いておくと、芽がどんどん伸びてしまいます。買ってきたら、すぐに漬けてくださいね」
(3)薄皮をむく
らっきょうの周りの薄皮をむきます。厚い皮までむくと実が減ってしまうので、外側の薄い皮だけでOK。
(4)塩を振る
キレイに皮がむけたら、水分を拭きながら保存容器に入れます。水気が残っている場合はペーパーでしっかり拭いてください。
塩を振り、全体に塩をなじませます。このままふたをして、塩が溶けるまで一晩置きましょう。
(5)清潔な保存瓶に入れる
一晩置き、塩が溶けて水分が出たらOK! 余分な水気をペーパーで拭き、らっきょうを保存瓶に入れます。
「多めの塩で水を出したので塩分が濃いため、軽く拭くと甘酢との相性がよくなります。保存瓶は煮沸消毒やアルコール消毒をした清潔なものを使ってください。あまりらっきょうを触らないようにして、保存瓶に入れましょう」
(6)甘酢を作る
小鍋に酢、砂糖、種を取った赤唐辛子を入れ、火にかけ、一度沸騰したら火を止めて冷まします。
「砂糖が溶けたらOKです。これで1年ほど持ちますが、さらに保存性を高めたい人は、甘酢に塩小さじ2を加えると、より保存性が高まり、キリッとした味わいになります」
(7)甘酢を入れて保存する
甘酢が冷めたら、らっきょうを入れた保存瓶に甘酢を加えます。ふたをして、保存瓶を軽くゆすって全体をなじませまたら、これで作業は終了です!
「冷暗所に1〜3カ月置くと、甘酢が上がってくるので、時々ゆすって全体をなじませてください。らっきょうが全部浸るくらいまで甘酢が上がったらOK。漬けて1カ月後から食べられますが、3カ月後以降が味がなじんでよりおいしくなります。3カ月を過ぎたら冷蔵室で保存してください。1年を目安に食べ切ってくださいね」
(8)できあがり!
1〜3カ月置いて、おいしく漬かるのを楽しみに待ちましょう。
今回、撮影で余ったらっきょうを沼津さんからいただいたので、家に帰って早速漬けてみました。旬のらっきょうは香りがさわやか。切る所だけは慎重に、慎重に。根をギリギリで切る目安を教えてもらったので、迷わずできました。
皮をむくとツルンとしたらっきょうが顔を出すのが気持ちよく、夢中になってしまい、無心で黙々と皮むきに没頭。こんなひとときも楽しいものです。難しいことは特になく、あとは同じ作業の繰り返し。初めて作った甘酢に漬かったらっきょうは、愛しいものがありました。食べる日が今から待ち遠しいです!
以上、らっきょうの甘酢漬けの作り方でした。単調な作業で、気持ちもリフレッシュできるので、ステイホームが続く中、お子さんと一緒に作っても楽しいかもしれません。
次回は、「きゅうり」のちょこっと漬けを紹介します。
取材・文/岸綾香
【取材協力】
沼津りえ
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『低糖質だからおいしい!「おやつ&スイーツ」』(K&M企画室)、『野菜丸ごと冷凍レシピ』(主婦の友社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu