レタス類に含まれる栄養素情報
レタスの種類によって栄養素は変わる?
レタスとひと言で言っても、結球レタス、サニーレタス、ロメインレタスなどスーパーにはさまざまな種類が並んでいます。
球のように巻いた状態に育つので結球レタスと呼ばれます。玉レタスとも呼ばれますが、ここでは以下単に「レタス」と呼びます。パリッとした歯ざわりの、最も親しまれている種類です。
サニーレタスは、葉先が濃い赤紫色をした、結球レタスのように巻かずに育つリーフレタスの1種です。葉の質が薄くてやわらかいのが特徴です。1枚ずつはがして使うのが簡単で、何かを巻いて食べるのにも適しています。
ロメインレタスはコスレタスとも呼ばれ、ぴんと伸びたしっかりした葉が特徴です。シーザーサラダに利用されるのをよく見ますね。
見た目も味もそれぞれですが、栄養面でも少しずつ異なります。それぞれ100gあたりのレタス、サニーレタス、ロメインレタスの栄養素を比較してみましょう。
レタス類にはパントテン酸が含まれます。パントテン酸はエネルギー代謝に関係する栄養素です。
葉先が赤褐色のサニーレタスは粘膜の保護、皮膚の健康を守る働きがあるβ‐カロテンが豊富です。また、ロメインレタスとともに葉酸の量がレタスより多くなります。
気になるカロリーや食物繊維量は?
サラダに使われるレタスはヘルシーなイメージがありますよね。100gあたりのエネルギーを比較してみましょう。
・レタス 12kcal、サニーレタス 16kcal、ロメインレタス 17kcal
最もエネルギーが低いのはレタスですが、全体的に低いのでそれほど大きな違いにはなりません。ダイエット中、エネルギーとともに意識したい栄養素が「食物繊維」。便通をよくする働きのほかに、血糖値の急上昇を抑える働きがある食物繊維はダイエットの味方ともいえる栄養素です。
次に100g当たりに含まれる食物繊維の量を比べてみましょう。
・レタス 1.1g、サニーレタス 2.0g、ロメインレタス 1.9g
ロメインレタスとサニーレタスはレタスと比べて食物繊維を2倍近く含みます。日本人は食物繊維が不足しがちといわれるので、洗うだけで手軽に食べられるレタスは強い味方。上手に活用しましょう。
気になる糖質は?
レタスの糖質は100gあたり1.7gとさほど高くありません(糖質量は、炭水化物量から食物繊維量を引いた数値で表します)。ちなみにキャベツは100gあたり3.5g。ヘルシーなイメージのキャベツよりも実はレタスのほうが糖質は低いことがわかります。
ただし、糖質は体にとって必要な栄養素なので少なければいいというものではありません。バランスよく摂るようにしましょう。
レタスのおいしさをキープする保存方法
冷蔵保存するときのコツ
水分が多いレタスを、買ってきた状態で冷蔵保存すると2、3日で萎びてしまいます。1週間ほど保存できる方法をご紹介します。
レタスは芯があると成長しようとして栄養を使うので、芯をくり抜いて濡らしたキッチンペーパーを入れるとみずみずしい状態をキープできます。
また、芯に爪楊枝を2~3本刺して生長点を遮る方法もあります。
サニーレタスやロメインレタスなどの葉レタスは濡らしたキッチンペーパーで包んでポリ袋に入れて保存すると乾燥を防ぐことができます。玉レタスよりも乾燥しやすいので早めに使い切るようにしてください。
いずれの種類のレタスも、使うときは外側の葉から1枚ずつ剥がして使うようにしてください。レタスを包丁で切ると断面から酸化して赤く変色する場合があります。切ってしまったものはなるべく早めに使い切るようにします。
実はレタスも冷凍できる!解凍後は加熱調理を
実は、レタスも冷凍保存することができます! 使いやすいようにひと口大や千切りなどに切ったレタスを密閉袋に入れて冷凍すると便利です。冷凍したレタスはやわらかい食感になるため、生で食べるよりはスープ、炒め物などの加熱した料理に使うのがおすすめ。冷凍したレタスは1カ月以内に使うようにしてください。
サラダだけじゃない!レタスのいろいろな食べ方
栄養素を十分に活かすためには?
葉レタスに特に多く含まれるβ‐カロテンやビタミンEは、油と一緒に摂ることで吸収率が上がります。サラダにするときは油を使ったドレッシングやナッツ類などと摂るのがおすすめです。ただし、ドレッシングやナッツ類はエネルギーが高い傾向があるので、使いすぎには気を付けてくださいね。
洗いすぎはNG!?
レタスに含まれるビタミンCは水に溶ける性質があるので、洗うときはさっと短い時間にしてください。外側の葉は泥などがついていることがありますが、中の葉は汚れが付きにくいので、軽く洗うだけで使うことができます。
食べる前に水に浸けるとパリッとした食感になりますが、長い時間水に浸けっぱなしにすることも避けましょう。
加熱してもおいしいレタス
サラダなど生で食べることが多いレタスですが、加熱してもおいしく、かさが減るのでたっぷり食べることができます。レタスに含まれるビタミンCは熱に弱いので、加熱する際は短時間にするのがポイントです。β‐カロテンやビタミンEの吸収率を上げるために油を使った調理方法もよいでしょう。
●炒める
シャキシャキした食感が残るように最後に加えてさっと炒めるようにします。
●煮る
煮汁ごと楽しめるスープなら水に溶ける葉酸やビタミンCなどもしっかり摂れます。
●蒸す
レタスはシューマイなど蒸し料理の下に敷いて使われることもあります。茹でるよりも蒸したほうが水に溶けやすい葉酸やビタミンCの流出が少ないのでおすすめです。
撮影/田中 麻以(小学館)
【参考】
・農林水産省「園芸特産作物に関する情報」今月の園芸特産作物:4月 レタス
https://www.maff.go.jp/hokuriku/seisan/engei/tokusan201904.html
・文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
・厚生労働省「e-ヘルスネット」食物繊維の必要性と健康
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
・「新・野菜の便利帳」板木利隆監修 高橋書店
・「その調理、9割の栄養捨ててます!」 東京慈恵医科大学附属病院栄養部監修 世界文化社
(最終参照日 すべて2020/01/15)