「超慎重派」ファッション編集者の視点でお届けします!
null服は涼しいものを選んでも……暑さのイライラが止まらない! その理由は、身につけている下着にありました。
どんなに涼しいトップスを着ようとも下着の着心地が快適でないと台無し。トップスの中のムレや滝汗が最大のストレスになっていたんです。そこで、7月は3,000円台以下のカップ付きインナーを徹底比較。
キャッチコピーや口コミだけでは信用できない、超慎重派ならではの視点で気になるカップ付きインナーを本気レビューしていきます。
まずは私のデータから。
御年47歳の「超暑がり」ファッションエディター。7、8月は秋冬の展示会シーズンということもあり外出頻度高め。暑い夏の日中を快適に過ごせるファッションやインナー選びに余念がない。
夏はロゴT×リネンパンツのワンツーコーデをアクセで盛ったり、1枚でさらっと着られるカットソーワンピを“脱手抜き”に見せるテクを模索中。
身長168cm、締め付けにより段差が気になる背肉&脇肉あり。カップ付きインナーのサイズは普段MからL。
1:ユニクロ エアリズム コットンブラ チューブトップ(2,290円)
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機能性素材+シンプルなデザインに惹かれて、毎シーズン疑いなく1、2枚を新調してきたエアリズムシリーズのブラトップ。
ラウンドネックのものは何枚か持っているので、今季はシアートップスとのレイヤード用に、胸元が水平カットのチューブトップタイプを購入しました。
結論から言うと、そこまで涼しくはありません。エアリズム=涼しい、と解釈してしまうと、この商品はイメージと着用感にズレが生じる可能性あり。2枚仕立ての部分がメッシュ素材のようになってはいるものの、ムレやすいアンダー下のゴム、張り付きやすい強めのフィット感が影響し、涼しさという点ではおすすめできず。
実際に薄手のカットソーワンピを合わせて外出してみたところ、涼しさより“汗をかいても乾きやすい”という感想。ストラップを外してチューブトップとして着る際、ズリ落ちないことを重視したためか、全体的にタイトなつくり。バストも身ごろもホールド力が強く窮屈に感じてしまうのも(買うときはワンサイズ上がおすすめ)暑さを感じる原因のひとつかもしれません。
素材やホールド力がしっかりしたカップ付きチューブトップを探している人には太鼓判ですが、涼しさを求めている人は別の商品がよさそう。涼しさ+着心地にリラックス感が欲しい、という人は、ユニクロであればエアリズムブラキャミソールのほうがおすすめ。カップ下にはゴムが入っていますが、背面はシームレス&ゴムなしなので、チューブトップより涼しく感じます。
【結論】
〇 肩紐を外しても「ずり落ちにくい」
〇「見えてもおしゃれ」な細ストラップ
△「アンダーのゴムが窮屈」&フィットしすぎて暑い
△ 2枚仕立ての「カップ部分がムレやすい」
△ バストサイズによっては胸がつぶれてしまう
2:無印良品 なめらかブラキャミソール(1,990円)
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無印良品の人気商品と聞いて、白のブラキャミソールLを購入。
ユーカリが主原料のリヨセルが使われていてムレにくく、なめらかな肌触りが特徴だというこの商品。冬のあったかインナーもナチュラルな肌触りやムレにくい着用感がよかったのでMUJIへの信頼度は高め!
早速、リネンシャツの下に合わせて日中の外出を試みましたが、カップ下と背中のゴム部分が非常に暑く、夏の使用は一旦断念することに(胸の開きが深いためシャツとの相性はGOOD!)。ゴムの幅とホールド力がしっかりあるので、暑がりの私はギブアップ。
さらに、素材のやわらかさが裏目に出て、バストと背中の上部をぐるっとホールドしているゴムによって、脇肉・背肉の段差が生まれてしまうというアクシデントが……。薄着の夏は合わせるトップスを入念に選ぶ必要がありそうです。
私の体型上、カップ付きキャミ1枚で外出することは絶対にないけれど……、1枚で家の中をうろつくのもNGと判断(笑)。つくりがしっかりしているので真夏には不向きに感じましたが、カップの縫い付けやゴムの入れ方などが丁寧&肌触りはとてもいいので、秋になったらニットのインナーに再登場させる予定です。
【結論】
〇やわらかい生地特有の心地よさがある
〇胸を中央に寄せてくれる「カップの形状が優秀」
△アンダーや背中の「ゴム部分に汗が集中」→ムレやすい
△Tシャツやワンピースの「背中や脇に段差」ができる可能性あり
△洗濯方法によってはヨレやすいので要注意
3:グンゼ アセドロン ブラタンクトップ(2,200円)
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今年はじめて購入したのが、下着メーカーGUNZE(グンゼ)の機能性インナー。
ベタつきやジメジメなど、汗によって引き起こされる不快感を解消するグンゼ最高クラスの“汗解消”テクノロジーが採用されていることで、購入前から期待値高め。
化学繊維っぽいハリ感とか強すぎるストレッチ性がなく、肌触りも着心地もちょっと懐かしい感じ。どこも締め付けていないけど、バストはきれいに収まっている、という感想です。
キュプラ素材のワンピを重ねての外出でしたが、インナーそのものがお腹や背中に張り付く感覚がほとんどない! 着用感がめちゃくちゃ軽い! 汗が乾きやすい!
カップ下にゴムがないのもかなりの高ポイント。カップ下のゴムの有り無しは、涼しいインナー選びの大事なポイント。ゴム無しでもバストがある程度支えられていれば、涼しさ重視の私的には言うことナシ。
ちなみに背中の上部が2枚仕立てになっているのですが、それによる暑さより汗の吸収がいいという利点が勝ってます。
【結論】
〇 2025購入インナーの中でいちばん涼しく快適!
〇 餅は餅屋! 「下着の老舗メーカーならではの着心地」と良心的な価格
〇 放湿性が高く「インナーの肌離れがいい」
〇「アンダーにゴムがない」のでリラックス感も涼しさも◎
△ カップ面積が大きくないため「バストにボリュームがある人は要試着」
△ やわらかな素材なので洗濯時はネット使用がおすすめ
4:GU スタイルドライ ブラフィールクロップド キャミソール(1,290円)
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プチプラの殿堂GUで販売している「ブラフィールシリーズ」もお試し。
薄手でさらっとした素材×おへそが見えるショート丈なので期待しましたが、アンダーゴムが強めで日中の外出には暑かった(涙)。カップとアンダーのムレが気になりました。
太めのアンダーゴムとサイドのパワーネットが特長で、涼しさより、バストを寄せてボリュームを出したい人におすすめ。カップが大きめなので(今回の購入品の中でいちばん大きく素材がかため)、しっかりバストを収めたい人、胸にボリュームがある人は試す価値あり。
お腹まわりがもたつかない短丈は、ウエストがすっきり見える&トレンドのクロップドトップスを着るときにも便利! 涼しさを最優先しないなら、価格・肌触り・着回し力はバツグン。
【結論】
〇 クロップド丈なので「ウエストまわりがすっきり」見える
〇 真夏以外のトレンドコーデにひっぱりだこ
△ 涼しさよりバストの「ボリュームアップに効果あり」
5:グンゼ Fitte ノンワイヤーブラジャー(2,640円)
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バストラインはキレイに整えたいけど締め付けはイヤ!というニーズにぴったりハマるノンワイヤーブラ。
アンダーゴムの痛みやムレから解放されるし、お腹や背中に張り付かないからとにかく涼しい! ゆるっとした半袖ブラウスなどを合わせると風通しもよく、猛暑の日中もかなり楽。デザインがシンプルで響かないので、これ一枚で大丈夫です。
ストラップ調節をするとブラが上がってきちゃう問題が起きない&バスト位置も合わせられて横から見たときのシルエットもきれい。バスト位置が高く見えると印象も若々しくなる!カップのホールド感も安心感あり。
素材が薄いので洗濯は手洗いかネットに入れておしゃれ着洗いが◎。
【結論】
〇つけてる感の少ない「シンプルで軽い」デザイン
〇風通しがよく涼しい
〇バストの形や「シルエットがきれい」
△「素材がやわらかい」ので洗濯には注意が必要
6:トリンプ sloggi ゼロフィール ハーフトップ(3,850円)
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トリンプから発売されている「sloggi」ラインのハーフブラは妊婦時代から10年近く愛用。ヨガ時間やナイトブラとしても心地良いので、買い替えながらリピート中。
カラバリにベージュ系が3色あるので、より透けない色が選べるのも魅力! 着用感は軽く締め付けもほぼナシ。肩紐に幅があり食い込む感じがしないので、長時間のデスクワークなどにも重宝。
2重に圧着されているのはカップ部分のみという最小限のつくりも涼しさのポイントです。一方で、取り外しできるカップなので、洗濯後にカップを入れる手間(入れたまま洗濯するとカップが飛び出す)、バストラインが美しく決まらないという懸念も。
背中の布面積が多く、服によってはブラの背面がちらっと見えてしまうことも。
ちなみに、より通気性を求めて、sloggiのレースタイプ(画像左下)も購入してみましたが、肌触りは通常のZERO FEELに軍配。個人的には肌当たりとアンダーがめくれやすいことが気になり、レースタイプは登場回数ほぼゼロ。
【結論】
〇 ムレにくい&ハーフトップでとにかく涼しい!
〇 自分の肌色になじむ「ベージュ系カラーが3色」あり
〇 洗濯しても伸びにくい
△「バストラインは高さが出ず」ややつぶれる
7:ユニクロ ワイヤレスブラ ウルトラリラックス(2,290円)
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ハーフトップタイプのワイヤレスブラは、アンダーにゴムがない&お腹まわりの張り付きが少ないので酷暑におすすめ。ブラトップに比べて、カップの通気性が圧倒的にいい気がするので、ユニクロのインナーはハーフトップタイプが断然推し。
暑くなるほどキャミやタンクである必要がないので、涼しさを何よりも重視したい人にはおすすめです。

ほかに、紐の長さ調節ができるウルトラリラックスUネック(こちらの写真のもの)も発売されていて、胸の位置とカップをしっかりと合わせたい人にはそちらがよさそう。
私はバストをグッと持ち上げてくれる安定感が欲しいため、アジャスター付きの“細ストラップ”より、幅のある肩紐が好みです。
お洗濯を重ねるごとに少しずつ生地が伸びるので(かなり使った場合)、許容範囲であればワンサイズ下を購入するのもあり(ワンサイズ下げても背肉の段差は目立ちにくいです)。
【結論】
〇「アンダーゴムがない」カップ内蔵ハーフトップは涼しい
〇「薄いカップ」は通気性が良くバストやアンダーのムレを感じにくい
〇 透けにくいカラーを選べば、トップスの下はこれ1枚で問題ナシ!
〇「ワンサイズ下」を選ぶとフィット感が長く続く
〇 肩紐がズレにくい
〇「Vネックが深く」服合わせがしやすい
△ カップがやわらかいので「バストに高さは出ない」
自分の優先順位によって「最適インナー」を選びましょう
null春から試し始めたカップ付きインナー(3,000円台以内)は10種類ほど。暑い素材のものは避けて、7月は薄手や機能性素材、ハーフトップを着用して比較しました。
アンダーにしっかりゴムが入っていたり、カップが厚めだったり、丁寧に縫い付けられているタイプは、もちろん胸の形はきれいに見えるものが多いのですが、涼しさを最優先に選ぶとなると落選しがち。
私が涼しさを優先したように、自分にとっての優先順位を決めて選ぶのがおすすめです。
あくまでも個人の感想になりますが……
・補正効果より涼しさを重視して選ぶなら
3の「グンゼ アセドロンのタンクトップ」か、5・6・7(グンゼ、sloggi、ユニクロ)の「ノンワイヤーブラ」
・バストをきれいに見せたいなら
4の「GUのクロップドキャミ」か2の「無印良品のキャミソール(ワイヤー入りブラのようなシルエットにはなりませんが!)」
・涼しさもバストの形もできるだけ両立したい人は
5の「グンゼ ノンワイヤーブラ」
がおすすめです。
失敗したくない買い物なので、購入する際はお店で試着したり、交換や返品できるサイトを利用したり、泣く泣く使う……ということにならないよう気を付けて下さいね。
40代、50代こそ「ショート丈」がおすすめの理由
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左上/ユニクロ、その他/GU
ちなみに、今回も紹介したクロップド丈のインナーですが、40代50代の女性にこそ、キャミはショート丈を猛烈にプッシュしたい。
へそだしファッションをするとかしないとか、そういうことじゃないんです!!
ショート丈を選ぶ理由は、
・服を着たときにお腹まわりがすっきり見える!
・ボトムに裾をINする手間がない!
・ショーツやガードルと重ならないのでウエストがぼてぼてしない!
・お腹や背中に張り付かないから涼しい!
など、実はメリットがたくさんあるんです。
ショート丈=若いコの流行……という思い込みは捨てて(そんな思い込み無いかもですが笑)ぜひ一度トライしてみて欲しいです。
カップ付きインナー1枚で、夏のおしゃれもストレスも改善できる時代。涼しくて今っぽいおしゃれを目指して、この機会にインナーの見直しをしてみてください!

女性誌を中心にファッションエディターとして活動中。8歳男児の子育てに奔走しながら、せっせと働くアラフォーママ。モットーは、仕事も家庭もニコニコ楽しく♡そんなノンストレスな両立ライフが目標です。趣味は、外食と散歩とお取り寄せ。インスタグラム(@yayuuumi)でも日々気になったものをアップ中。