ベランダ菜園の魅力
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せっかく植えるなら食べられるものを……と、野菜作りにはずいぶん長くハマり、いろんな種類を育ててきました。わが家の菜園は世田谷区のアパートの3階。地植えではなく「プランター」なので、収穫を見込もうとすると案外難しく、かつてはグリーンカーテンに憧れてゴーヤやキュウリを育ててみたけど、あまり採れなかったなぁ。「買った方が安い」と残念なことに気づいてしまったのはナスですね……。そう、スーパーに並ぶ旬の季節野菜って当たり前だけど安いんです。
せっかく育てるなら元を取りたい!という気持ちが大きくなり、ここ数年は菜園へのふわっとした憧れは捨て、「必ず元が取れる野菜」ばかり育てています(笑)。1苗数百円でも、何十個も収穫できる高コスパ野菜は以下です。


国井的必ず元が取れる野菜7選
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- ミニトマト
→「脇芽かき」と「支柱」の立て方さえしっかりコツをつかめば夏の間トマトを買う必要は皆無に。 - 万願寺唐辛子
→大量収穫が見込める万願寺唐辛子は甘くて肉厚、焼くだけでごちそう感。鰹節をドサーッと載せて醤油を回しかけたらすてきな一品に。 - 鷹の爪や青唐辛子など辛い唐辛子
→細かく刻んで調味料に漬けたら極上の「万能調味料」が完成。醤油漬けはうどん、冷奴、油揚げとナスの焼き浸しの上に載せてもヨシ。酢漬けやナンプラー&ニンニク漬けは、カオマンガイとかアジアンメニューにばっちり。 - オクラ
→花が咲いたら必ず実がなる。想像以上にボコボコできます。 - シソ
- バジル
- パセリ
スーパーで買うと大量で使い切れずに傷みがちな薬味やハーブ類ですが、ベランダ菜園なら「ちょっと使い」ができてすごく便利。これぞ菜園の醍醐味!
7選の野菜たちは、基本ほったらかし栽培です。病害虫に強く、適度な日当たりがあればグングン育つ。肥料も月に数回、思い出したときにパラりと撒くくらいで、健気にたくさんの実をつけてくれます。強いて言うなら、実を付けたままにしない。こまめに収穫する。また、ハーブ類も背丈が大きくなる前に大胆に摘芯(カット)、そしておいしく食べる。そうすればトウ立ちを防げて長く楽しむことができますよ。


ベランダ菜園で元が取れない野菜たち
元が取れないのは、ナス、ゴーヤ、キュウリですかね……。あと、パクチーも何度も植えたけど、スグにトウ立ちしてしまい、元取った~という気になったことはないです。それからミントも気を付けないといけません。「ミントテロ」って聞いたことありますか? 庭に植えた日は、庭中ミントまみれになるほど繁殖力が強い。もしデザートやモヒートなどに使いたい場合は、小さな鉢で育てるのがいいと思います。
ベランダ菜園を成功させるコツ
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水やりはどうしたらいい?
編集担当さんから「水やりはどうすればいいですか?」と、質問もらいました!
- いまからの暑い季節、水やりのコツは?
→早朝、夕方の2回、たっぷり土を湿らすことがオススメ。というのも太陽がカンカン照りの時間帯に水やりをすると土が熱湯のようになり、水が蒸発。根に届きにくいのと、葉に水がかかると「レンズ効果」で葉焼けのリスクも。 - 旅行中の水やりはどうする?
→2~3日の不在で一番簡単なのは、「ペットボトル給水器」。ペットボトルのキャップに穴が開いた給水器をセット。ペットボトルを逆さに挿すだけ。100均でも売っています。1週間以上の不在時には、タイマー設定できる「自動潅水キット」がおすすめ。複数鉢がある場合にも便利ですよ。わが家はこちらを利用。

苗は一年でオシマイ?
春夏に植える野菜の苗の多くは「一年草」または「春夏野菜(春まき・夏どり)」と呼ばれるもの。基本的にはその年限りで終わりです。
でもローズマリー、タイム、オレガノ、ミント、チャイブなどハーブ中心に「多年草」の苗も。風通しを良くして、定期的な剪定をすれば何年も長く摘むことができます。

日当たりがあまり良くないベランダでも育てやすい野菜は?
葉ものやハーブ系がおススメ。「短期間で収穫」「光が少なくても徒長しにくい」種類を選ぶと◎。収穫目的を変えることで日照不足でもベランダ菜園はじゅうぶん楽しめます。小松菜、ラディッシュ、ミント(小鉢で!)、シソ、それから「ミョウガ」もたくさん採れますよ。
うちは東側のベランダが柵があったり、日中も建物の陰に隠れてしまったりと、どの野菜を植えてもパッとしなかったのですが、友人から株分けしてもらったミョウガがベストマッチ。毎年たくさん収穫できています。「多年草」なので植えっぱなしOKなのもラク。


害虫、鳥害対策はどうしてる?



わが家は3階なので、虫で困ったという記憶はそこまではないですね。でも、なぜかカナブンの幼虫は土を掘り返すと出てきます。
生まれる前から家に菜園があった長男。気づいたら菜園当番になっていました。長男は土いじりが楽しいようで、こうやって害虫を駆除してくれたり、毎朝晩の水やりや雑草抜きも率先してやってくれます。私といえば野菜を摘むだけという、一番おいしい作業しかしていません。作戦は成功です(笑)。
虫にはさほど困らないけど、カラスやムクドリに目を付けられた年もありました。鳥害に悩まされるなんて、世田谷とは思えないほど自然があふれているんです(笑)。やられた年は鳥よけネットでトマトをガードしています。
トマト苗をいくつか植える際の「コツ」
わが家はトマト苗を3~5苗ほど植えています。同じ時期に植えてしまうと一気に実がなり、消費に追われて大変です。
関東なら6月半ばくらいまでトマトの苗は売られているので、時期を半月ずつずらすと、長いこと収穫できますよ。

トマトやオクラは8月中旬くらいまで、唐辛子系(万願寺唐辛子、日光唐辛子、ピーマン、パプリカ)は9月終わりくらいまで楽しめますよ~。みなさん、すてきなベランダ菜園ライフを。

1975年東京生まれ。大学卒業後ラジオレポーターなどを経て二輪雑誌でエッセイスト・デビュー。現在は、オートバイのほか、旅、クルマ(キャンピングカー所有)、自転車、サーフィン(ショートもロングも)、スノーボード、ファミリートレッキングなど多趣味をいかしたエッセイを執筆中。旅が好きなのと同時に、おうちも大好き。家での一番の趣味は収納(整理収納アドバイザー1級資格取得)。いかにラクするか考えること、「時短」という言葉も大好き。嫌いな言葉は「二度手間」。インテリア、ネットショッピング、お取り寄せグルメ・酒、手抜きおつまみ作りに熱心。「痩せたい」というのが口癖。直近は苦手な掃除をがんばっている。飼い犬はボストンテリア。ふたりの男児の母でもある。
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