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「献立に困ったらコレ!」元料理人・芸人 水田信二さんが教える、間違いない「おかず」

和食と洋食のお店で7年間の経験をもち、3月に初となる料理本『水田の小言を熟読するほど 一生ものの自炊力が身につく いちいちうるさい定番レシピ』 (ヨシモトブックス)を発売した芸人の水田信二さん。忙しい日々を過ごしながらも、「週に5回は自炊する」そうで、おいしいものへの情熱は人一倍!

そこで、今日の献立に悩んだときのヒントや、お弁当に入れるおすすめのおかず、食べ盛りのお子さんや男性に作るならおすすめの料理を伺いました。

今日の献立に困ったら、何作る?

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和食店での料理人経験もある水田さんの手にかかれば、難しいだし巻き卵もお手のもの! ちなみにだし巻き卵は難しいため、料理本にはあえて掲載していないそう。

仕事や家事などで疲れていると、今日の献立を考えるのも一苦労。スーパーに買い物へ行ったものの、「何作ろう?」と立ち尽くしてしまうのは筆者だけではないはず。水田さんは、今日の献立に悩みませんか?

「奥さんも料理上手で食いしん坊なので、夫婦そろって何でも好きすぎて何作ろう?って迷うことはあります。そういうときは、天ぷらうどんか天ぷらそば。つゆつきの麺なら味をつけなくていいし、麺をゆでるだけだから早いし、何でも天ぷらにすればウマいので、疲れていても頭を悩ませないですむんですよね。

揚げ物へのハードルが高い人は、天ぷら粉を使って、余った野菜をかき揚げにしてみてください。野菜は何でもOK。全部細切りにして、水溶き天ぷら粉と和えて、熱した油に入れるだけ。揚げたて、あつあつは格別です」(以下「」内、水田信二さん)

水田さんが揚げ物の中でもよく作るという「コロッケ」は、初となる料理本でも紹介。タネは成形したら冷凍できるのもポイント。

「家で揚げ物をすると、衣が薄くできるのもいい! だから食べ応えが軽やか。揚げ物を食べた満足感はありながらも、胃がもたれにくいんですよ。

揚げ油は5〜6回は使えるので、使った油を濾して保管できるオイルポットを買うのもおすすめ。そうすればいつでも油が遠慮なく使えて、さらに揚げ物へのハードルが下がるはず。僕は『野田琺瑯』のオイルポットを愛用しています」

こちらも水田さんの料理本で紹介している「鮭のソテー」。ごはんはもちろん、白ワインなどお酒とも合う!

また、切り身を使った魚のソテーも献立に迷った日のおすすめ。

「魚料理はレパートリーがなかなか増えないと、メインのおかずにお肉を選ぶ人は多いんじゃないでしょうか。でも、切り身を使えば魚料理は思った以上に気軽に作れるんですよ。

中でも20分くらいで完成するソテーは、鮭でもたらでもめかじきでも太刀魚でも、白身魚なら何でもOK。バターとにんにくで味つけしたところに、しょうゆをきかせて和風にするとごはんがすすみます。あとは、レモンを絞ってさっぱり仕上げるのもポイント」

お弁当にもおすすめのおかずは?

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にんじんと玉ねぎが余ったら作ってほしい!という「プルコギ風の炒め物」。

水田さんの信条は「できたてを食べる」ですが、冷めてもおいしく食べられる料理も教えていただきました。

「今回、紹介した中で言ったら『プルコギ風の炒め物』かな。細切りにした玉ねぎ、せん切りのにんじん、にら、牛肉を、酒・濃口しょうゆ・砂糖・ごま油で下味をつけてからサッと炒めて、白ごまをかけるだけ。14分5秒でできます。

お弁当に入れるなら汁気が少ないほうがいいですし、この料理は冷めてからも味が落ちにくい。前夜のおかずに多めに作って、次の日の朝にお弁当箱に詰めてもいいと思いますよ。

お子さんも大人も好きな味つけで、もちろんごはんもすすみます」

食べ盛りのお子さんや男性に作るなら?

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水田さんの「回鍋肉(ホイコーロー)」。料理本には、16分20秒で作れるレシピを掲載。

とにかくごはんをモリモリ食べたい! そんなときにおすすめなのは「回鍋肉(ホイコーロー)」。18歳で一人暮らしを始めた水田さんが、最初に作った思い出の料理でもあるそうです。

「当時、2合炊いたごはんがあっという間になくなりました。回鍋肉は味が濃くてごはんがすすみますし、ビールにも合う、パンチのあるおかず。お肉を食べた!っていう満足感もあります。

だけど一皿で7割は野菜だから、野菜が結構摂れるんですよね。とくにふだん野菜を摂れていない男性にはいいんじゃないでしょうか。僕もそうですが、30代を越えると健康を考えますし、とくに結婚すると『一人じゃない』と体を気遣う人も増えるので」

タレとお肉をよ〜く絡めて。
そこに水分がほどよく残った野菜を加え、サッと炒める。

「回鍋肉」のポイントは、キャベツを炒めすぎないこと。炒めすぎた失敗と炒め方が足りない失敗なら、炒め方が足りない失敗の方がいい、と水田さん。

「味付けと同じくらい炒め具合、つまり食感も大事に考えてほしい料理です」

繰り返し作ると手が抜けるようになる

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水田さんの料理本は、各工程ごとにかかる時間、段取りの順番、なぜそうするのか?などが、実に細か〜く、“うるさく”書かれています。でもその小言は、水田さんの並々ならぬおいしいものへの愛情の表れ。料理初心者にも、おいしいものを作って「料理って楽しい」「また家で作りたい」と思ってほしいからなのだとか。

「僕のレシピだけじゃなく、料理は基本に忠実に、繰り返し作るとだんだん手が抜けるようになります。そして少しずつ味つけを工夫したりして、じっくり家庭の味になっていくんだと思います」

自分や、大切な誰かのために料理をする。しんどい日もありますが、そんなときは思い切って手抜きをしたっていい。水田さんの料理本には、気力ゼロでも作れる一品も載っていますよ。気になる方はページをめくってみてくださいね。

水田信二さん

水田信二さん

1980年4月15日生まれ、愛媛県出身。NSC大阪校26期生。2006年に和牛を結成。2014年NHK上方漫才コンテスト優勝、2018年上方漫才大賞奨励賞など受賞歴多数。『M-1グランプリ』では2015年から2019年まで5年連続で決勝進出。2024年3月にコンビを解散した。調理師免許を取得しており、大阪の和食店・神戸の洋食店で計7年間修行した経験をもつ元料理人でもある。その特技を生かして『水田信二の注文の多い料理教室』(BSよしもと)、『ラヴィット!』(TBS)の企画「おいしんじ万才!」、『ミズタのレシピ!』(RNB南海放送)などバラエティ番組で手料理を披露している。

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『水田の小言を熟読するほど 一生ものの自炊力が身につく いちいちうるさい定番レシピ 』(ヨシモトブックス)

『水田の小言を熟読するほど 一生ものの自炊力が身につく いちいちうるさい定番レシピ 』(ヨシモトブックス)

時短・簡単・手軽にできる料理本がベストセラーとなる時代に、ピン芸人であり孤高の元料理人・水田信二が立ち上がった。作りたてのおいしさと調理工程にこだわった、単著としては初となるレシピ本を発売! 普通なら省かれる説明や段取りまで細かく書かれているので初心者でも安心な一方で、小言の多さに思わず目をふさぎたくなること必至! 笑いあり、愛ある小言あり、熟読するほどおいしくできると水田が太鼓判を押す自信作です!

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