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「娘(小6)の受験弁当」作りは「9つのお助け食材」で乗り切った!元・料理人の父さんの厳選リスト

こんにちは、東京都府中市で、娘二人(小6と小3)と、フルタイムで働く妻と四人で暮らしているマエダヒデキと申します。

若い頃は大きなレストランで調理の仕事をしていましたが、色々あってIT系に転身。現在は、ご時世と仕事柄もあり仕事の大半がリモートワークになったため、自然と子ども達の塾の送り迎えや、塾で食べるお弁当(我が家では「受験弁当」と呼んでいます)を準備する機会が増えてきました。

お弁当作りを支えてくれた「お助け食材」を紹介します

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この連載【テレワーク父さんの塾弁当】で紹介してきた娘の弁当作りでは、受験生の栄養をサポートしつつ、味の良さにもこだわってきました。いわば「勉強がはかどる調味料と常備食材」。

前回は、成長期の小学生に最適と個人的に思えるラインナップの中から「さしすせそ」の調味料を中心にお話ししましたが、今回も勉強を助けてくれる栄養がタップリ含まれた食材たちを紹介していきたいと思います。

ポイントは前回同様「スーパーで手軽に手に入ること」。加えて食材として「美味しくて、短い時間で簡単に調理できる」ことを意識しています。

受験勉強が本格化してくると、朝も夜もバタバタしがちです。そんなとき、こうした定番食材を常備しておくだけで、「もう一品ほしい」「とりあえずスープで栄養補給させたい」というピンチも楽々乗り切れます。ぜひ、お子さんの集中力アップや健康管理の助けにしてみてください。

こだわりたい「調味用の油」

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「脂質」と書いてしまうと、どうしてもダイエットや健康面を気にして摂取を控えたくなってしまいます。

しかし、脂質は炭水化物・タンパク質と並ぶ三大栄養素で、脳や神経細胞にも大切。

特に成長期の子どもには、良質な脂質を適度に摂ることが勉強面にもプラスになると考えています。

酸化に強い「米油」はお弁当作りにぴったり

調理用の油でオススメしたいのは「米油」です。米油は普通のサラダ油やキャノーラ油に比べて多少割高になりますが、ビタミンEなどの抗酸化成分が豊富で、酸化に強いという特徴があり、お弁当作りにぴったりです。

味的にも、クセが少なく、サッパリとした使いやすい油で、冷めてもべたつかないなど、良いことずくめです。

ビタミンE以外にも、悪玉コレステロールを上げにくくすると言われるオレイン酸や、中性脂肪値を下げる働きもあるリノール酸など、大人にも嬉しい栄養素も豊富なので、是非普段の食事にも取り入れてみて下さい。

オリーブオイルやごま油は、香りを押さえたものが便利

炒め油に、オリーブオイルやごま油を使いたい場合は多いと思います。健康面でも人気なオリーブオイルは、フルーティーな香りが料理を引き立てますし、ごま油も香ばしい風味が人気です。しかし、お弁当では逆にその香りが強く出過ぎてしまい、邪魔になってしまう場合も。

そこで、お弁当のおかずを調理する際には、香りを押さえたものを使うようにしています。

オリーブオイルは、日本では「エクストラバージンオリーブオイル」と「バージンオリーブオイル(ピュアオイル)」の主に2種類が流通していますが、お弁当用の調理ではピュアタイプを選びます。

選び方としては、名前に「エクストラ」とついていないものとなります。スーパーで購入出来るものでしたら何を使っても問題なさそうですが、我が家ではオリーブオイルの消費量が少な目なので、保管時の酸化なども考え、1~2カ月程度で使い切れる『J-オイルミルズ』の少量のタイプを利用しています。

ごま油は、胡麻の風味を押さえながらも、炒め物に風味をあたえる「太白ごま油」を使うようにしています。これは、焙煎していない胡麻から作った油となり、普通のごま油とちがって無色透明で、香りも無いのが特徴です。ただ、いわゆる「ごま油らしい香り」は無いのですが、胡麻の旨味とコクはしっかりと残っており、野菜などを炒めるとグッと旨味が引き立つので、積極的に使っていきたい油です。

こちらは、胡麻を圧搾して作っているものを選ぶと良いでしょう。我が家ではオリーブオイルと同様、短期間で使い切れるサイズのもので、スーパーで手に入りやすく、香りにも味にも癖の無い「九鬼 太白純正胡麻油」を愛用しています。

おにぎり用の海苔は「割り切り」と「こだわり」の二択で

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中学受験生の食事タイムは、授業の合間にパパッと済ませることが多いので、とても短めなことが殆ど。ということで、食べやすさを考えて、主食のお米はおにぎりにすることがとても多くなります。

食べるのも手早い弁当ですが、作るのもまた手早くすませたいのがお弁当。おにぎりを作る時間も惜しい時、大活躍する海苔があります。それは、最初から塩がついている3切サイズの海苔です。

スーパーの海苔売り場に行くとおにぎり用に便利なサイズとして3切や5切サイズの海苔が並んでいます、それぞれ、フルサイズの板のりを三等分にしたものと五等分にしたものなのですが、三角おにぎりに適しているのは3切サイズになります。

おにぎり作りに便利な「塩つき海苔」

そして、そのなかに「塩つき」のものがあります。これは、のりの片面に最初から塩がついているもので、おにぎりを作る際に、塩をふらなくてもよいという画期的なものです。

おにぎりに塩をふる工程は、手を濡らし、そこに適量の塩を馴染ませてからおにぎりを握るという段取りになると思うのですが、この場合、どうしても手が汚れますし、素手で触ることになるので、衛生面でも心配が残ります。

しかし、この「塩つきのり」を使えば、ラップでおにぎりを握り、その後にこの海苔で巻くだけになるので、手を洗う手間も省けますし、衛生面でも安心です。

海苔にこだわりたいときもあります

もはや、私の好みやこだわりになってしまうのですが、どうしてもお手軽な海苔では風味が物足りないと感じてしまうことがあります。そこで、時間に余裕があるときは、前回ご紹介した天然塩の「雪塩」を使い、海苔は築地からとりよせている「すしはね」海苔を使ってしまいます。

板海苔は価格と味が比例する世界なので、こだわりだしたらキリが無いのですが、なるべく価格はおさえつつも、海苔の風味を楽しめるものはないかと探した結果、寿司屋用の高級海苔の製造時に出たキズや穴のある海苔をハネた「すしはね」を見つけ、使うようになりました。味は正規品のまま、価格が安くなっているもので、とてもお得です。

専門店にいかなくても、「新のり」の季節になると、スーパーに並ぶことがありますので、見つけたら購入してみてください。

「ジャースープ」を作る際に活躍!保存の効く食材

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塾弁当で、おにぎりとセットで持たせることが多いのがジャーで作るスープです。
これまでの連載でも、多くのスープをご紹介してきましたが、ジャーで作る汁物は、手早く食べられること、栄養を(特にタンパク質を)しっかり入れられること、温かい食事が提供できること、など、受験生のお弁当に強い味方です。

基本的には和風か、洋風か、中華風か、ベースとなる味を決め、あとは冷蔵庫にある野菜や肉などを、スプーンで食べやすい大きさにカットして作ることになります。

それだけでも十分美味しいスープになるのですが、そこに食材でひと工夫を入れることで、味や栄養面でワンランク上のスープになります。

「乾物」はスープの味をワンランクアップさせ栄養も摂れる優れもの

出汁用にも使われる乾物は、手軽にスープの味をワンランクアップさせる便利アイテムです。栄養面でも優れているものが多いので、ストックしておくととても便利です。今回は特に使い勝手の良いものをチョイスしてご紹介です。

「乾燥椎茸」で旨味をUP!

乾燥椎茸ときくと「どんこ」や「こうしん」のような、数時間から一晩水に浸けて、といったものを想像しますが、スライスしたタイプの乾燥椎茸は、10分程度で戻るものも多く、スープジャー弁当にぴったりです。

和風や中華風のスープにそのまま入れるだけで旨味が出てくれますし、栄養面でも優秀で、ビタミンDは生椎茸の数倍〜数十倍も含まれるそうです。なぜ乾燥するだけで増えるのか、不思議ですね。

ビタミンDはカルシウムの吸収を促進する役割が良く知られていますが、それ以外にも、脳神経の発達にも貢献すると言われており、子どもの成長を助ける大事なビタミンとなります。

「カット高野豆腐」でスーパーフードを手軽に

高野豆腐は豊富なタンパク質やカルシウム、鉄分などに加え、ビタミン(B群やE)、脳の健康を保ち記憶力や集中力を高めるとされるレシチンなど、栄養がギュッと詰まったスーパーフードです。

なのですが、あらかじめ水で戻すなど、調理に手間がかかりますし、独特の歯ごたえを嫌う子も多く、子ども向けのお弁当では扱いが難しい食材で、敬遠しがちかと思います。

しかし、高い栄養価は魅力的……ということで、是非活用したいのが、スーパーで売られている小さくカットされた高野豆腐です。

64分の1サイズにカットされた薄切り高野豆腐は、水で戻さなくても、そのままスープに入れて使えるので、とても重宝しています。スープ以外にも、炒め物にも使いやすく、ストックしておくと何かと便利です。

「乾燥小えび(桜えび)」で味に深みを

中華風のスープで是非加えていきたいのが小エビです。味をグッと引き上げてくれますし、栄養面でもカルシウムが豊富です。

カルシウムは身体に吸収されにくい栄養素なので、吸収を助けるビタミンDと一緒に摂りたいところ、ということで上記の乾燥椎茸と一緒にスープに入れてしまいましょう。

また、野菜などを炒める際に、油を温める時に一緒に小エビを加えると、エビ油になり、味に深みが出ます。桜エビは値段が高いので、我が家では着色料を使っていない小エビを愛用しています。

「切り干し大根」で満足度アップ

切り干し大根もジャースープにオススメです。特に食物繊維が豊富ですし、噛み応えがあるので満足度もあります。もう少し具を増やしたいと感じた時に活用しています。

切り干し大根は戻すのが面倒に感じますが、ジャーを事前に熱湯で温める時に、熱湯と一緒に切り干し大根も入れてしまい、湯だけ捨てて、そのうえから出来上がったスープを加える、という方法で使っています。

こうすると手間無く戻せるので楽ですよ。

美味しさと栄養も大切ですが、なによりも「気軽さ」が大事!

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前回ご紹介した調味料「さしすせそ」に続き、我が家で大活躍している常備食材をご紹介しました。

小学6年生にもなると、受験対策の問題のあまりの難しさに(とくに算数)両親もお手上げとなり、勉強方面ではあまりお手伝いが出来なくなってきますが、そんな大人も逃げ出すような難しい勉強を頑張る子どもに、しっかりと栄養を与えたい、時間が限られているお弁当タイムを、なるべく楽しい時間にしたい。

……そんな気持ちを後押ししてくれるのが、今回ご紹介した栄養満点で便利な食材達です。

これらを常備しておけば、特別な準備をしていなくても、手早く栄養たっぷりの一品が簡単に仕上がります。我が家でも、これからの3年間、次女(小3)の受験対策でも引き続きお世話になることでしょう。

いよいよ新生活がスタートしています

さて、前回もお知らせしたとおり、わが家では長女(小6)の受験が無事終わり、春から通う学校も決まりました。制服の採寸や入学準備が進み、晴れ晴れとした笑顔を見せてくれる姿に「成長したなぁ」と感慨深い思いです。ただ、早速届いた春休みの宿題(冊子!)には少しげんなりしているようですが(笑)。

一方、次女はというと、2月から新4年生のカリキュラムがスタートし、本格的な受験体制へ突入しています。

姉と一緒に3年生から通っていた塾にそのまま通う形ですが、中学受験は4年生からのカリキュラムが本番、新たに入塾してきた優秀な塾友たちに刺激を受けているようで、やる気を燃やしています。無理せず頑張ってね。父も張り切っていきます。

次回からは、またレシピを紹介していきますのでお楽しみに。姉の受験弁当で培った経験を活かし、次女の4年生カリキュラムにも全力で挑むわが家の奮闘ぶりを、ぜひ引き続きご覧ください。

マエダヒデキ
マエダヒデキ

IT関連の企業に勤めたり、個人事業を営んだりしているアラフィフです。妻と娘二人の四人で、東京のちょっと郊外にある府中市に在住。読書とお酒が大好きで、自室の大半は本とワインに占領されており、仕事はその隙間でしています。娘が二人とも中学受験をする事になり、妻と一緒に右往左往しています。
読書ブログをのんびり更新しています: https://note.com/semimaru/

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