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「ひじき」をもっと便利に美味しく!栄養、戻し方から絶品レシピまで【乾物と仲良くなろう!】

昔から身近にあるけれど、ちょっと手を出しにくいという人も多い乾物。でも実は、生の状態より水分が抜けて成分が凝縮されていることで栄養アップしていることが多く、長期保存も可能なため、使いこなせるとたくさんいいことがある食材なんです。

そんな乾物の栄養情報に加え、基本の戻し方やおいしいレシピを、栄養士であり料理家であるあーぴんさんが紹介してくれるシリーズです!

第3回目は「ひじき」。ひじきの煮物は作り置きの定番ですが、そのほかにも洋風メニューなどいろんな使い方が! マンネリに悩む方もぜひチェックしてみてくださいね。

ひじきの基礎知識

ひじきの基礎知識

こんにちは。栄養士の道添明子です。料理家「あーぴん」として、時短簡単・美味しい・お洒落な、“みんなが笑顔になれる幸せごはん”の料理教室を主宰、簡単レシピを毎日SNSで発信しています。今回はひじきについてご紹介します!

芽ひじきと長ひじきの違いって?

歯ごたえ・食べごたえのある長ひじき
細かくてやわらかい芽ひじき

ひじきは海藻の一種で、乾燥品には「芽ひじき」と「長ひじき」があります。芽ひじきは小枝の部分、長ひじきは長い茎の部分を乾燥させたもので、芽ひじきの方が早く戻り、やわらかいのが特徴。長ひじきの方が歯ごたえがあります。料理や好みで選ぶとよいでしょう。栄養成分はどちらでも変わりません。

また、冬から春に出回る「生ひじき」はみずみずしい風味とやわらかい口当たりを生かして、サラダやあえものなどで食べるのがおすすめです。

ひじきの栄養情報(乾燥状態のもの100gあたり)

  • エネルギー 180kcal
  • 鉄分 6.2mg
  • カルシウム 1000mg
  • 食物繊維 51.8g
  • ヨウ素 45000μg

※文部科学省『日本食品成分表2020年版(八訂)』より

 

その他、ビタミンA、ビタミンK、マグネシウムなどミネラルが豊富に含まれています。

骨や歯の成形を助けるカルシウムは牛乳の約12倍。日本人に不足しがちな食物繊維も豊富に含まれています。腸内環境をととのえて、老廃物を体の外に出す働きもあります。

以前は「鉄分の王様」と言われていたけれど…

以前は「ひじきといえば鉄分」と連想されるほど、鉄分が豊富な食材として知られていました。しかし、2015年の食品成分表の改訂で、鉄分の値がなんと約9分の1に引き下げられることに。これは乾燥ひじきに加工する際のひじきを茹でる釜が、昔ながらの鉄製からステンレス製に変わったことによる変化です。

  • 鉄釜で加工:58.2mg
  • ステンレス釜で加工:6.2mg

加工する釜により鉄分の量が増減していたのですね。王様と言える量ではなくなってしまいましたが、鉄分はしっかりと含まれていますよ。

ひじきの扱い方とおいしいレシピ

ひじきの扱い方とおいしいレシピ

ひじきの戻し方

大きめの容器にたっぷりの水またはぬるま湯とともに入れ、10〜15分ほどつけて戻します。水で戻すと8倍から10倍にふくらみます。芽ひじきのほうが早く戻り、長ひじきは少し時間がかかります。

そのままザルにあけると底に沈んでいた砂粒などが入ってしまうので、手やスプーンなどですくってザルに移すのがポイントです。

レンジ調理OK!基本のひじきの煮物

戻したひじきを油で炒め、にんじん、油揚げなどを加えて甘辛く煮るのが定番です。今回はより簡単に電子レンジを使って調理しました。調味料もすべて大さじ1ずつの覚えやすい配合ですから、気軽に作ってみてください。

【材料】(4人分 作りやすい分量)

  • 長ひじき 10g(乾燥)
  • ぬるま湯 200ml
  • 油揚げ 1枚(50g)
  • にんじん 小1本(90g)
  • ちくわ 2本(50g)
  • ごま油 大さじ1

<調味料>

  • 水または出汁 200ml
  • めんつゆ(3倍濃縮) 大さじ1
  • しょうゆ 大さじ1
  • 砂糖 大さじ1
  • 酒 大さじ1
  • みりん 大さじ1

【作り方】

下準備
・長ひじきはざっと洗って汚れを落として、水かぬるま湯で10分以上戻しておく。長いものは食べやすい長さに切る。
・油揚げは熱湯をかけて油抜きして短冊切りに。
・にんじんは4cmの短冊切りに。
・ちくわは縦半分にし、斜めに5mm幅に切る。

(1)耐熱ボウルに戻したひじきの水気を切って入れ、にんじん、<調味料>をすべて入れてふわっとラップをかける。600Wの電子レンジで4分間加熱する。

(2)にんじんがやわらかくなったら、油揚げを加えて、再びラップをして600Wの電子レンジで2分間加熱する。

(3)ちくわを加え、ごま油を回しかけて600Wの電子レンジで1分間加熱する。

時間が経つとひじきにだんだん味が染みておいしくなります。作り置きにも最適。熱湯消毒した容器に入れ、清潔なお箸で取り出しすようにしてください。冷蔵庫で3〜4日、冷凍庫で3週間程度保存可能です。

アレンジレシピ:ひじきの簡単デリ風ホットサラダ

和風のイメージがあるひじきですが、デリ風のおしゃれなサラダにもなります。今回はひじきとベーコンをペペロンチーノ風に炒めました。パプリカも加えて、カラフルで酸味の効いたホットサラダです。冷やして食べてもおいしいですよ。

【材料】(4人分)

  • 長ひじき 10g(乾燥)
  • 厚切りベーコン 100g
  • 玉ねぎ 1/2個(100g)
  • 赤・黄色パプリカ 各1/4個
  • にんにく 1かけ
  • 赤唐辛子 1本
  • オリーブ油 大さじ3
  • パセリ 適量

<調味料>

  • 酢 大さじ3
  • 砂糖 小さじ1〜2
  • 塩・こしょう 各少々

【作り方】

下準備
・長ひじきはぬるま湯で戻しておく。長いものは食べやすい長さに切る。
・厚切りベーコンは1cm幅に切る。
・玉ねぎ、赤・黄色パプリカ、にんにくはそれぞれ薄切りにする。
・赤唐辛子は種をとる。

(1)フライパンにオリーブ油を中温に熱し、にんにく、赤唐辛子を入れてこんがり色づいたら取り出しておく。

(2)同じフライパンに玉ねぎ、ベーコンを入れて炒め、玉ねぎがしんなりしてきたらひじきを加えて炒める。

(3)パプリカを加えてさっと炒め、仕上げに<調味料>で味をととのえる。

(4)器に盛り、(1)を散らしてパセリを飾る。

アレンジレシピ:ひじき入りヘルシーつくね

材料を混ぜて焼くだけの簡単つくね。戻りやすい芽ひじきを使い、豆腐の水分を利用するので、ひじきは乾燥のままでOK。鶏ひき肉2:豆腐1のかさましレシピで、お財布にもダイエットにも優しいメニューです。最初に豆腐と混ぜておくのがポイント。

ここではにんじんを使いましたが、小ねぎ、いんげん、アスパラなどを刻んで入れてもおいしくできます。

お弁当や作り置きにもぴったり。冷蔵庫で3〜4日、冷凍庫で3週間程度保存可能です。

【材料】(4人分 5cmの小判形12個分)

  • 鶏ひき肉 300g
  • 芽ひじき 5g(乾燥)
  • 長ねぎ 1本(100g)
  • にんじん 1/4本(30g)
  • 片栗粉 大さじ2
  • 絹ごし豆腐 150g
  • 小麦粉 大さじ2
  • サラダ油 大さじ2

<調味料A>

  • しょうゆ 小さじ2
  • 砂糖 小さじ2
  • おろししょうが 小さじ2

<調味料B>

  • しょうゆ 大さじ2
  • みりん 大さじ1
  • 酒 大さじ1
  • 砂糖 大さじ1
  • 白炒りごま 適量

【作り方】

下準備
・芽ひじきはごみが付いている場合もあるので、さっと水洗いする。
・にんじんは細切りにする。耐熱容器に入れ、ラップまたは蓋をして、600Wの電子レンジで1分間加熱する。
・長ねぎはみじん切りにする。
・ポリ袋に豆腐と芽ひじきを混ぜておく。

(1)ボウルに鶏ひき肉と<調味料A>を入れて、粘りが出るまでよく練る。

(2)豆腐とひじきの入ったポリ袋に(1)の鶏ひき肉、にんじん、長ねぎ、片栗粉を加え、袋の上からさらにまぜる。

(3)12等分して小さな俵型にして、表面に小麦粉をふる。

(4)フライパンにサラダ油を熱し、(3)の両面を焼き、<調味料B>を加えて照りが出るまで煮詰めて、つくねに絡める。器に盛り、お好みで白炒りごまをふる。

もっと気軽に乾物を活用しよう!

もっと気軽に乾物を活用しよう!

基本のひじきの煮物は、煮汁を切ってご飯に混ぜてひじきご飯に、すし飯に混ぜたものをいなり揚げに詰めてひじきいなりに、豆腐とあえて白和えに、とアレンジ自在。戻したひじきを梅干しと炒め合わせたふりかけも、便利な常備菜になります。

また、今回ご紹介したサラダのように洋風食材とも相性が良いのもうれしい点です。

海に囲まれた日本で、ワカメや昆布とともに健康食として親しまれてきた海藻のひじき。栄養豊富でヘルシーな食材なので、ぜひいろいろな食べ方で日々の食卓に取り入れてみてくださいね。

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