【北海道】鮭、いくら、エビ…海の幸を贅沢に
null「石狩雑煮、鮭を入れた雑煮。北海道」(40歳男性/その他)
「エビ雑煮。エビだしをとり醤油、餅をいれる。良くないことが起こったとき、エビが身代わりになると聞いたことがある。北海道江別市」(26歳男性/コンピュータ関連技術職)
「いくら雑煮。北海道根室半島」(39歳男性/公務員)
「鰹出汁、醤油、砂糖、切り餅のお雑煮。もともと北海道はお雑煮の習慣がない地域なのでいわれは聞いたことがない。北海道、札幌市」(36歳女性/その他)
北海道といえば海の幸! 鮭、エビ、それにイクラ……と、何ともうらやましい食材が並びます。素材が新鮮だから、出汁もきっとおいしいのでしょうね。
【東北地方】焼きハゼ、しょっつる、ワラビ…各地の名産が
null「基礎は、けんちん汁であるが、具を細かく刻むことが特徴である。祖母が秋田県生まれで、それが引き継がれている。東北北部では、この様なお雑煮が作られる傾向がある」(50歳男性/学生・フリーター)
「小さめのかまぼこが入る。名産品だから。 宮城県」(37歳男性/総務・人事・事務)
「焼きハゼの出汁のお雑煮。近隣の河川で捕れたハゼを焼いてから天日干しにして使用する。晩秋から冬のハゼは体が大きく身も美味しい。宮城県。河川沿岸」(51歳男性/その他)
「ハタハタの『しょっつる』を使った雑煮。秋田県全般」(65歳男性/その他)
「すましもち。正月についたもちを昆布だしのつゆで煮てとろろ昆布や大根おろしをのせる。秋田県」(36歳女性/公務員)
「醤油に煮干しと昆布の出汁で、ワラビと厚揚げとこんにゃくに丸餅を入れるのが嫁さんの作ってくれる雑煮レシピです。キーはワラビですね。山形県の日本海側の酒田地方です」(71歳男性/その他)
東北地方からは、各地の名産を生かした雑煮レシピが集まりました。宮城では、焼きハゼをだしをとるのに使うだけでなく、雑煮の具材にもするのだとか……。
丸餅といえば、西日本が中心。しかし日本海側の酒田市などでは、東北であっても丸餅の雑煮を食べるご家庭もあるそう。これは、江戸時代の北前船の交易によるものだと考えられているそうですよ。
また、雑煮に大根おろしを乗せるとさっぱりとして、ごちそうを食べ過ぎたりお酒を飲み過ぎたりした翌日にぴったりかもしれませんね。
【関東地方】角餅、鶏肉、青菜…シンプルな関東風
null「おだしだけで、ネギを入れたお雑煮。茨城南部」(56歳女性/その他)
「カツオだし・しょうゆ味で角餅をいれ具は鶏肉に菜の花。栃木県宇都宮」(73歳男性/その他)
「田舎お雑煮、具材は関東風ですが薬味として青のりと桜エビをのせます。群馬県北西部」(35歳男性/その他)
「醤油ベースの鶏ガラだしで、ほうれん草と鶏肉を入れます。埼玉県」(55歳女性/主婦)
「しょうゆ味の澄まし汁でもちとほうれん草が入っている。千葉県北西部」(50歳女性/その他)
「青のり、かつお節、はばのりを使った海の風味豊かなお雑煮。幅を利かせると縁起に掛けて食べた事がある。千葉県、北東部の特に太平洋側」(51歳男性/金融関係)
「お雑煮と言えば鰹だしで醤油味のつゆに焼いた角餅を入れ、三つ葉をのせたものです。東京育ちの私にとってお雑煮とはこういうものです。東京都、東京23区東部の下町と呼ばれる地域」(55歳男性/その他)
「関東なので特別な物はない。とり、小松菜、にんじん、長ネギ、醤油、だしに焼いた角餅を入れる。神奈川県」(45歳女性/その他)
“シンプル・イズ・ベスト”と形容するにふさわしい関東地方のお雑煮。具は角餅、鶏肉、そこにホウレンソウなどの青菜の彩りを加えるのが主流のようです。
キーワード“雑煮”で画像検索すると、真っ先に出てくるタイプですし、「雑煮といえばこれでしょ」という人は、他の地域でも多いかもしれませんね。
【中部地方】鯛のあら、もち菜、きのこ…山の幸に海の幸
null「塩鮭に短冊切りの大根を入れ、塩味のスープで頂く。無病息災になれる。新潟県、村上地方」(37歳女性/その他)
「鯛のあらで出汁をとりめでたいといわれる。富山県」(48歳女性/その他)
「具なしの昆布だしに蒲鉾だけ。石川県金沢市」(35歳女性/主婦)
「かぼちゃからだしをとってほうとう雑煮を作る 。山梨県甲府市」(62歳男性/総務・人事・事務)
「長野県では、鶏で取った出汁に、きのこと野菜がたくさん入った雑煮を食べます。きのこもスーパーに売っている一般的なものから、秋にとって塩漬けしておいた雑キノコが入ります。長野県伊那地方」(59歳男性/公務員)
「雑煮に青のりをかける。静岡市、静岡県中部」(65歳男性/その他)
「醤油とかつおだしのスープで、角餅のすまし汁。イワシのつみれ団子と、鶏肉、里芋、かまぼこ、なると、大根、にんじん、水菜が入る。かつおの水揚げ量全国有数の焼津漁港が近いため、かつおの濃厚だしを使う。静岡県中部地区の一部のみだと思う」(60歳男性/その他)
「お餅ともち菜だけのシンプルなもの。名古屋市」(61歳男性/企画・マーケティング)
“中部地方”と一括りにするのがはばかられるくらい、各地からバリエーションに富むコメントが寄せられました。海に面したところは海の幸、内陸部では山の幸が生かされており、各地域の伝統が感じられますね。
ちなみに、“もち菜”というのは、小松菜の仲間で尾張地方で栽培されているもの。小松菜よりも甘みがあって、くせがなく、生でも食べられるほどなのだそう。この地方の雑煮には欠かせないものらしく、「もち菜を入れる」という声は複数寄せられています。
【近畿地方】クワイ、栗、あげ…丸餅、白味噌ベースに縁起物をプラス
null「丸餅と白菜をいれた白味噌仕立て。紀北地方」(59歳男性/コンピュータ関連技術職)
「お雑煮としてぜんざいを食べる習慣がある。いろいろな人を幅広く受け入れる意味がある。京都府京丹後」(53歳男性/営業・販売)
「白みそ雑煮。京都、大阪で昔からある定番料理。家によって異なるが、京都は甘め」(64歳男性/会社経営・役員)
「白みそ仕立てのお雑煮にクワイを入れます。目が出るようにと言う出世を願うそうです。大阪府大東市」(59歳女性/主婦)
「白みそ、丸餅、さといも、にんじん、大根、くりなどで作る。くりは、勝ち栗といって縁起がいい。大阪府八尾市」(61歳男性/その他)
「すまし汁に丸餅。昔からの習慣。兵庫県」(48歳男性/その他)
「あげを入れる。人生あげれるように。兵庫但馬地方」(38歳男性/営業・販売)
「白味噌仕立ての生もち。大根と金時人参と里芋をいれる。丸もちでまるーく生きれるように。和歌山県和歌山市」(54歳女性/主婦)
ここまでご紹介した地域では、“醤油ベースに角餅”という意見が多かったのですが、近畿地方では“白味噌に丸餅”という声が優勢。丸餅には、「角が立たない」という意味があるとのことです。いろいろないわれがあって面白いですね。
【中国地方】岩のり、ぜんざい、牡蠣…丸餅に各地の伝統の品を
null「夫の生まれ故郷、島根県太田市地方で子どもの頃から食べていたそうですが、雑煮鰹と昆布のだしで醤油仕立てで、丸い餅を使います。食べる時黒豆と花かつおをのせて食べます。黒豆は歳の数程入れるとか。私の地方では四角い餅で具だくさんだったので最初はびっくりしました」(64歳女性/主婦)
「まるでぜんざいのような小豆で煮てある雑煮が出てくる。ぜんざいの発祥の地だからだそうだ。島根の出雲地方」(56歳男性/会社経営・役員)
「広島では牡蠣と塩ぶりを入れた雑煮が一般的。どちらも広島の名産だからだと思う」(30歳男性/研究・開発)
中国地方で、特にユニークなのは島根県。数年前にテレビ『秘密のケンミンSHOW』でも紹介されたのですが、県内に少なくとも4タイプの雑煮があるといいます。上記コメントにある黒豆を入れるタイプ、ぜんざいタイプのほか、餅と岩海苔だけ入れるシンプルタイプ、そして、錦糸卵などを入れるカラフルタイプとのこと。ぜひ食べ比べしてみたいものですね。
【四国】白味噌、あん餅…瀬戸内海産のいりこ出汁が特色
null「実家の徳島では鶏肉、大根、ニンジン、鳴門、ホウレンソウで白みそ仕立て」(64歳女性/その他)
「大根、人参、ゴボウ入りの白味噌ベースの汁に、餡入りもちを入れて食べる。香川県全域」(41歳女性/その他)
「我が家では、あまり多くのものを入れない大変シンプルなお雑煮ですが、だしを取る時にいりこを使います。瀬戸内海に面していて昔からいりこ漁が盛んな地域ですから、いりこなどの小魚のだしが最もポピュラーで、煮物などにも良く使います。我が家は愛媛県です」(63歳女性/主婦)
「いりこ出汁でしょうゆ味です。具は白菜、大根、ニンジン、宇和島のじゃこてん、宇和島のかまぼこ、お餅は小判餅です。具だくさんですね。愛媛県宇和島市」(64歳男性/その他)
香川県の雑煮は、あん餅入り! 白味噌とあん餅の相性が抜群とのことで、甘いもの好きな人にはたまりませんね。
また、瀬戸内海産のいりこは四国だけではなく、対岸の山口・広島あたりでも、だしをとるのによく用いられています。
【九州地方】あご、スルメ、海老…出汁に各地の特色が
null「福岡の出汁は“あごだし”と“かしわ(鶏)だし”に分かれる。具材には塩漬けのぶり、かつお菜、ニンジン、シイタケ、だいこん、かまぼこが使われ具材の数はどこよりも多いと思われる。福岡県福岡市」(64歳男性/その他)
「お正月の雑煮は焼きアゴだしを絶対に使うということです。焼きアゴから出る味は上品で、お正月だからこそ贅沢を味わうということがこちらの風習です。ちなみに普段のみそ汁などはイリコを使用しています。長崎県北地域」(57歳男性/その他)
「我が家のお正月のお雑煮はスルメと昆布でだしをとり大根、人参、里芋、ゴボウ、竹輪、かまぼこ、焼き豆腐を醤油ベースに丸餅いれて煮たものです。熊本県、山鹿市鹿本町の地域」(72歳男性/その他)
「アカアシという海老を干して藁紐で7~8尾結び干してそれを炙って出汁を取りお餅を焼いて入れるお雑煮を食べます。海老は腰が曲がり髭が長い事から長寿になると言われてます。熊本県芦北地方です」(52歳男性/会社経営・役員)
「大分県由布市では餅は焼かずに入れ、鶏肉と牛蒡でシンプルにしたてたスープで食べる」(65歳男性/コンピュータ関連以外の技術職)
「スルメとこんぶの白菜の醤油仕立て。鹿児島のご当地レシピです」(43歳女性/主婦)
「鰹節でだしを取り白菜など野菜をたっぷり入れて水は加えない雑煮です。鹿児島市内」(68歳男性/その他)
焼きあご、“するめ+昆布”、海老など、九州地方では出汁のとりかたに地域ごとの特色が……。各地域の人たちにとって、まさしくふるさとの味なのでしょうね。
アンケート結果をもとに、日本全国のお雑煮文化をご紹介しましたが、「うちでは違う食べ方をする!」という意見がまだまだあるかもしれませんね。2020年の正月は、あなたはどんなお雑煮を食べますか?