味噌仕立て
「兵庫県。白味噌に大根人参三つ葉小芋などの野菜を入れて頂く」(48歳女性/総務・人事・事務)
「奈良の雑煮は白味噌でお餅が丸い」(29歳男性/その他)
「広島県備後地方。丸餅で白味噌」(46歳女性/その他)
「大阪市。丸餅に小かぶに白味噌仕立て。鰹節と海苔をかけて食べます」(70歳女性/その他)
「福井県の越前嶺北地方。水から肉厚昆布と輪切りにした蕪を敷いて沸かし、丸餅を入れ柔らかくなったところで白味噌を入れ、一煮したところでお椀にとり削り鰹節と細切り柚を加えて食べる」(75歳男性/その他)
「京都のお雑煮は、白味噌で、頭芋、八ツ頭を入れたりします。丸餅です」(36歳男性/その他)
「愛知県。赤味噌で食べる」(51歳男性/営業・販売)
関西を中心に白味噌、丸餅のお雑煮が作られているようです。
海の幸
「千葉県。はば雑煮。はば(波葉)は房州産の海草でうすい塩味があり浅草のりとはちがった独特な味があります」(52歳男性/コンピュータ関連以外の技術職)
「福井県の越前海岸沿岸。角餅に近くの海で採った岩のりを入れる。醤油味。地産地消」(58歳男性/コンピュータ関連以外の技術職)
「広島県呉市安浦町。昆布を煮て一口サイズに結んで雑煮に入れて食べる。“喜コンブ”といわれ縁起のよい正月料理」(73歳男性/その他)
「岡山県美作地方。丸餅にスルメイカと鰹節出汁にカキを入れた油味」(67歳男性/その他)
「福岡県筑後地方。もちのうえにするめとこんぶをのせる」(76歳男性/その他)
「島根県の雲南市。醤油ベースにお酒に付けたノリと鰹節をかけて食べる」(30歳女性/主婦)
「愛媛県宇和島のじゃこ天をいれます」(47歳男性/その他)
「長崎県の島原。糸昆布を入れる」(59歳男性/公務員)
「新潟県村上市。鮭の入ってるお雑煮」(51歳女性/主婦)
「北海道では海鮮物が多いです」(39歳男性/その他)
沿岸部を中心に、海苔や昆布、スルメといった、縁起が良いとされる海産物を雑煮に入れる習慣があるようです。牡蠣や鮭といった特産物を使ったお雑煮も、とっても美味しそうですね !
山の幸
「長野県、天然キノコが沢山入ってる」(58歳男性/公務員)
「山形の酒田地方。ワラビがないとしまりません」(70歳男性/その他)
「新潟県上越地区(長野寄り)。ゼンマイたっぷりのすまし醤油仕立ての汁に角餠を焼いて入れる」(44歳女性/その他)
山間部ではキノコや山菜を入れる地域も。その土地ならではの贅沢なお雑煮ですね。
あんこ餠・小豆雑煮
「熊本。あんこ餅を入れる」(41歳女性/主婦)
「香川県のお雑煮に入れる餅にはあんこが入っている」(57歳女性/主婦)
「香川県さぬき市。白味噌ベースに、あんこが入った丸もち」(28歳女性/総務・人事・事務)
「高松。あんこの入った雑煮を食べる」(46歳男性/営業・販売)
「島根の松江市。小豆雑煮。ぜんざいのようなもの」(16歳女性/学生・フリーター)
四国・九州の一部で見られるのが「あんこ餅」入りのお雑煮。まるでぜんざいのような「小豆雑煮」は山陰地方を中心に食されているようです。お雑煮といえば“しょっぱいもの”というイメージがある人にとっては、驚きではないでしょうか。
出汁もそれぞれ
「鹿児島。“えびだし”が使われる。えびは、かつて鹿児島県の出水沖で“ケタ打瀬漁”によりたくさんとれる身近な食材だった。保存のために松の薪であぶり焼きにして干し、高級食材として島津家に納められていた」(39歳男性/学生・フリーター)
「宮城県、ハゼだしのお雑煮」(58歳男性/営業・販売)
「福岡県福岡市博多地区。アゴだしのすまし汁で、ブリとカツオ菜を入れたあっさり味」(49歳男性/コンピュータ関連以外の技術職)
「福岡県。出汁は地区によって“あごだし”と“かしわだし”の二種類があり、かつお菜という野菜が必ず入っている」(63歳男性/その他)
「茨城県の鹿行地区。切り餅のしょうゆ味で豚肉のだしで、特に変わったものではない」(63歳男性/その他)
「宮城石巻地方。四角の餅。出汁はウグイが定番。農家だと自家製の大根や人参を入れるのが贅沢とされている」(57歳女性/主婦)
エビ、ハゼ、アゴ、ウグイ……出汁ひとつとっても、地域の特色が際立ちます。
田舎風
「宮城県鳴子温泉。寒いのでとん汁のように具沢山の雑煮」(76歳男性/その他)
「山梨県の大月市。味噌汁に餅を入れる」(51歳男性/営業・販売)
「大阪、かす汁にお餅を入れる。縁起物」(43歳男性/公務員)
「兵庫県の田舎の方では、味噌汁に豆腐と茹でて柔らかくしたお餅を入れて、最後にかつおぶしを大量にかけて食べる。味は味噌汁そのまんまです」(36歳女性/主婦)
「青森県の津軽地方では“けの汁”があります。基本的には、昆布で出汁を取り、大根、人参、牛蒡、こんにゃく、わらび、凍り豆腐、油揚げ、昆布を細かく刻み、大豆を磨り潰したら、これらを出汁に入れて味噌で煮込むと出来上がります。“けの汁”には、小正月をのんびりと過ごす為の作り置き料理や保存食としての意味合いが込められています」(48歳男性/コンピュータ関連技術職)
山間部や東北など、寒い地域で食されている「とん汁」や「味噌汁」風のお雑煮。体の芯からあったまりそうです!
まだまだある!各地のご自慢のお雑煮
「岩手のお雑煮は、保存食と言われています。内容はお餅に大根、ごぼう、しいたけ、鶏肉 かまぼこ、三つ葉、ニンジン等を入れます」(68歳男性/その他)
「愛知県の尾張地方。四角餅を黄な粉をまぶして食べると、長生きすると言われている」(26歳男性/その他)
「北海道は豆腐やにんじんを鍋に沢山入れて、お湯で柔らかくした餅の上にかけて食べる」(69歳男性/その他)
「青森県の津軽地方。特に特徴はないと思うが、セリの生産農家が比較的多いので、セリの風味がいい」(61歳男性/公務員)
「愛知県の三河地方。餅は焼かないで直接煮る。かつおの削り節のだしや花かつをかける。八丁味噌が有名だが使わない。醤油ベース」(61歳男性/その他)
「福岡県福岡市。かつお菜をいれる。勝ちとかけた願掛けらしい」(43歳男性/営業・販売)
「福井県の鯖江市出身。かぶらしか入れないお雑煮」(48歳女性/公務員)
「岩手花巻地方で角餅、しょうゆ味・いくら・せりなどを入れる」(71歳男性/その他)
「山形県置賜地方。特にいわれはありませんが、削いだごぼうと鶏肉をしょうゆ味で煮込んだ“とりごぼう”というたれでお雑煮を食べる家が多いです」(54歳男性/その他)
「宮城県の仙台地方。薪の火で一度焼き、そのまま煙で薫製にして焼いたハゼで出汁を取り、そのハゼをお雑煮に乗せる。それから、お雑煮に入れる“ひき菜”。大根・人参・ごぼう・凍り豆腐などを細くせん切りにしたものを大きな鍋でさっと湯がき、それを一晩凍らせたもの。お雑煮に“ひき菜”を入れるのは、お正月から切るのは縁起が悪いからと大晦日までに準備を済ませ、さらに幸せを引き(ひき)込んでくれますようにとの願いを込めている」(32歳男性/学生・フリーター)
各地の伝統や特産物をひとつのお椀の中にぎゅっと凝縮させたお雑煮は、まだまだたくさん!
一方で、「沖縄にはお雑煮という文化自体がないです」(38歳男性/その他)という事実も。また、「北海道では、各地から移住したため、その出身地のお雑煮が作られている」(69歳男性/総務・人事・事務)という意見からもうかがえるように、実際に各家庭で作られているお雑煮は、先祖がかつて暮らしていた地域の特色を受け継いでいるケースもあるため、同じエリアであってもバラエティーに富む内容であることが多いのではないでしょうか。
今回のアンケートでは、「特徴はないけれど」と前置きした回答が目立ちましたが、いやはや十分に特色のある魅力的なお雑煮ばかりでした。食べ慣れたお雑煮が普通だと思いがちかもしれませんが、他の地域からみると驚きの特色が潜んでいるのかもしれません。
職場でも、郷土のお雑煮について聞いてみると、思いのほか盛り上がるかもしれませんよ!