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どこに置くのが正解?「電子レンジ」の故障の原因になるNGな使い方

料理の時短に一役買ってくれる“電子レンジ”は、今や忙しい女性にとって、日々の生活に欠かせない家電のひとつです。家族みんなで毎日使う家庭も多いので、できるだけ長く使いたいもの。

そこで、家電の延長保証サービスを運営するテックマークジャパン株式会社で総合家電エンジニア資格を取得し、修理精査業務にあたる家電のスペシャリスト・本多宏行さんに、電子レンジの故障の原因になりやすいNGな使い方を教えてもらいました。(※冒頭の写真はイメージです)

電子レンジの設置場所に注意

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最近のオーブンレンジのトレンドは、加熱水蒸気を使ったウォーターヒート方式。オーブンの加熱には頼らず、加熱水蒸気のみで食材の油分を落として食材を焼いたり、ヘルシーなスチーム調理も人気です。

しかし、スチームを使用するため、レンジ庫内は想像以上に高温多湿になっているので、置く場所の注意が必要だと本多さん(下写真)は警告します。

「レンジの庫内が大変熱くなるため、レンジ本体の背面に排気口が設けられているタイプのものが大半です。この排気口を塞ぐのは絶対に御法度! ここを塞いでしまうと、熱い空気を外に逃がすことができず、排気口カバーの熱変形や破損、故障の原因につながります」

電子レンジは、キッチンの中でも置くスペースが限定されがちですが、壁ギリギリに接して置いたり、冷蔵庫の上に置いたりするのは避けないといけませんね。

機種によって、背面につけて設置してもよい製品もありますが、壁面の素材など説明書の注意書きに沿って設置場所を選びましょう。

給水タンクに入れてOKなのは“水道水”だけ

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また、加熱水蒸気を使ったウォーターヒート方式の電子レンジは、水蒸気を発生させるために水が必要。実はこの給水用の水もなんでも入れてよいわけではないのです。

「備え付けの給水タンクに入れていいのは、水道水のみ。前回、加湿空気清浄機の時にもお伝えしましたが(参照:「水道水しか入れちゃダメ!?“加湿空気清浄機”の故障の原因になるNGな使い方」)、塩素消毒されている水道水以外のものは、雑菌が繁殖しやすいためおすすめできません。たとえば、浄水器を通した水道水、アルカリイオン水、ミネラルウォーター、井戸水などは御法度です。

とはいえ、水道水でも使用後に入れっぱなしにしておくのはやめましょう。給水タンクを空にしておくことで、カビなどの発生を抑制でき、清潔に保つことができます。食べ物を扱う家電なので、いつも清潔に保ちたいですね」

地金が剥がれているとスパークして危険!

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今度は、レンジの内部を見てみましょう。庫内はグリル皿の受け棚を含め、高周波によるスパーク(火花が飛び散る状態)を避けるための絶縁塗装が施されています。ところが、グリル皿を出し入れするうちに、この塗装が剥がれてくると地金が顔を出してしまいます。

「こうなるとレンジ庫内にアルミ箔を入れて加熱しているのと同じ状態になり、スパークが起こって大変危険です。できるだけプレートの出し入れは丁寧に行い、プレートの受け棚などに擦り傷のようなものがないか時々チェックしてください。地金がうっすら見える場合は、メーカーサービスに相談するのがおすすめです」

また、開閉時の注意も必要だと本多さんは話します。

「ドアを開ける時よりも、閉める時こそ丁寧に行ってください。扉にはドアの密着性を高めるため、やや強めのスプリングが使用されています。そのため、ドアを閉める途中で手を放すと、勢いよくバタン!と閉まり、各部の破損や故障の原因になります。最後まで手を放さずに、優しく閉めてくださいね」

他にも、庫内の汚れを放置しておくと、マイクロ波によって食材の一部が炭化します。炭化すると弾けますので、その時に絶縁部を損傷させて、火花が飛んだりすることもあるそうです。汚れが気になる時は、中性洗剤を水で薄めて布に含ませ、庫内を掃除しましょう。

 

調理家電の中でも、日々の暮らしを格段に便利にしてくれる電子レンジ。長持ちさせるためには、給水やドアの開閉に気をつけるなど、毎日の積み重ねが大切でした。

もう一度、取り扱い説明書を見て設置場所やお手入れ方法などを確認しつつ、ぜひ家族にも伝えて、大切に長持ちさせてくださいね。

【取材協力】

本多宏行・・・テックマークジャパン株式会社 オペレーション部 クレームチーム チーフ。大手自動車ディーラーでメカニックを経験後、1999年に同社に入社。2000年頃から家電やパソコンの修理精査業務を開始。幅広い家電製品の専門知識が必要となる「総合家電エンジニア」資格を取得。現在、延長保証を利用した修理の精査業務で活躍中。

 

取材・文/岸綾香

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