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「冬のお弁当の悩み」ご飯が冷えてかたい、脂が固まる…。料理研究家がズバリ解決法を伝授!

夏は食材が傷まないようにと気を使うお弁当作りですが、冬は寒いなりに悩ましいことがあるようで……!? 『kufura』では、20-50代女性の173人に「冬のお弁当の悩み」をうかがったところ、5つの“悩み事”が浮き彫りになりました。

そのお悩み解決のためにアドバイスをくださったのが、料理研究家の時吉真由美さん。一時期、仕事をしながら3人分のお弁当作りに励んでいたという時吉さんに、すぐ実践できる解決法を教えてもらいました!

1:地味に食べにくい…ご飯がカチカチに固まる

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「ご飯がかたくて美味しくない」(27歳/その他)

「ご飯が寒さで硬すぎて箸が折れるかと思った」(41歳/その他)

冷めるとかたくなってしまうご飯。箸が折れそうなほど!と回答した人が数名いました。かたいと食べづらいだけでなく、美味しく感じないという人も……。

【時吉さんからのアドバイス】

・もち米を混ぜて炊く

もちっとした食感のもち米を加えることで、ご飯がかたくなりにくくなります。3合炊く場合の分量の目安は、白米2.5合+もち米0.5合で、大さじ2杯ほど水を多く入れてみてください。

・お米をしっかり浸水させる

最近のお米は浸水させなくても、洗うだけで水分を吸ってくれる品種が多いそうです。ですが、お弁当に入れるお米はしっかり浸水させ、水分を中までしっかり含ませるようにしましょう。

・油でお米をコーティングする

お米1合につき、オリーブオイルまたはサラダ油などを大さじ1くらいを加えて炊くと、お米が油で包まれるので適度にしっとりしてパサつきにくくなります。おかずを洋風にしてあげると相性も◎!

・詰め方を工夫する

お弁当箱にご飯を詰める時は、ギュッと押さえず軽く入れましょう。片側に寄せて詰めることが多いと思いますが、中央にご飯を置いて両サイドに煮物などやや汁気のあるおかずを詰めると、両側から保湿してくれるんじゃないかなと思います。または、ご飯を軽く一口サイズに握ってから詰めると、箸が入れやすく食べやすくなりますよ。

・お米の品種を変えてみる

以前テレビ番組のお仕事で、数種類のお米を同じ条件で一斉に炊いて、どれがかたくなりにくいのか実験したことがあります。その結果、「つや姫」「ななつぼし」「ゆめぴりか」「はえぬき」などが好評でした。今はお米の品種が豊富なので、いろいろ試してみるといいかもしれません。

2:家族から不評の声も…お肉がかたくなる&脂が固まる

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「冷たくなり硬くなりやすいので肉が入れられない」(50歳/主婦)

「お弁当にウインナーやアスパラベーコンを詰めて入れると、お昼ご飯の時に脂の固まりが付いていてびっくりしたと子どもに言われました」(36歳/パート・アルバイト)

「お肉の炒め物を入れると、お肉は固くて脂も白く固まり、夫にいつもよりおいしくなかったと言われてしまいました」(55歳/その他)

ご飯と同じく、冷たくなるとかたくなってしまうお肉。白く固まった脂は見た目にも食欲を減退させてしまうようです。

【時吉さんからのアドバイス】

・脂身のない部位を使う

豚や牛といった動物性の脂は、“常温固形”なのが特徴。そのため、寒いとお肉の脂が固まりやすいんです。まずは、脂が少ないヒレやささ身、むね肉を使ったり、ロースの場合は脂身を切り落としてから使うようにすると手っ取り早いかもしれません。

・下味にお酒を使う

下味にお酒を使うことで、お肉がかたくなるのを防ぐ効果が期待できます。また、細かくカットしたお肉などがひとかたまりにならないようにするには、下味の段階でサラダ油を混ぜるのも手です。油がまわっているとほぐれやすくなりますよ。

・湯通しして脂を落とす

脂があるお肉を使う場合、調理前にサッと湯通しして脂を落とす方法も。長く湯に入れるとかえってかたくなってしまうので、しゃぶしゃぶくらいを目安にしてくださいね。

・片栗粉で脂をコーティングする

お肉に片栗粉や小麦粉ををまぶしてから焼くと、お肉の脂をとじこめることができるので、見た目で「うっ」となることは少なくなると思います(笑)。調味料やタレの絡みもよくなりますから、湯通しして若干パサついてしまったお肉であってもおいしく仕上げることができますよ。

3:卵焼きが固くなる

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「卵焼きの食感が、かたくボソボソになってしまっていてがっかりした」(40歳/パート・アルバイト)

お弁当の定番である卵焼きも、かたく食感がイマイチだったとの声が……。

【時吉さんからのアドバイス】

・水分を加える

やはり卵だけだとかたくなってしまうので、お水やだし、炭酸水などで水分を加えてあげましょう。牛乳なら水分だけでなく油分も少し加わるので、よりかたくなりにくいですよ。卵1個に対し、大さじ1くらいなら牛乳くささも残りません。

・卵は混ぜすぎない

溶き卵を用意する時、混ぜすぎないのがポイント。混ぜすぎるとコシがなくなってふんわり感が出なくなってしまいます。また、溶き方にもポイントが。菜箸をぐるぐる回転させるのではなく、菜箸をボールの底に垂直に立てて、左右に振ってさばくように溶いてみてください。上手く卵白をきることができますよ。

・強火で焼く

弱火で焼いていると、どんどん水分が失われてかたくなってしまいます。焦げそう……と心配になる方もいるかもしれませんが、強火で焼くとふんわりとした仕上がりになります。

4:寒すぎて…冷凍食品が解凍できてない!

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「冷凍食品が解凍されない」(29歳/主婦)

「自然解凍のものを入れると、お昼の時間に解凍しきれてないと言われます」(53歳/主婦)

各メーカーが出している自然解凍の冷凍食品は、お弁当に入れるだけなのでとっても手軽ですよね。ただ、あまりに寒すぎるのか、解凍が十分でなかったというケースもあるようです。まず、冷凍食品メーカーの大手『ニッスイ』に聞いてみたところ……

自然解凍可能な商品は、室温20℃の場合2時間ほどで溶けてお昼頃には美味しくお召し上がりいただけます。冷えた環境にお弁当を置いてなかなか解凍が進まない場合は、温かい場所に置くとかえって食材を傷めてしまう可能性があるので、電子レンジでパッケージに記載の調理時間で加熱し、冷ましてからお弁当に詰めていただくと間違いありません。

という回答をいただきました。天気予報などを見て今日は怪しいかも……という時は、レンチンのひと手間をかけてあげたいですね。市販のものではなく、作り置きしたものも同様でしょうか?

【時吉さんからのアドバイス】

・必ず解凍して火を通す

自分で作り置きしたモノは、ちゃんと解凍して、しっかり熱を通してから詰めましょう。揚げ物は、ラップしてレンチンすると衣がべちゃっとしてしまうので、焦げないようアルミホイルに包んでオーブントースターで加熱するのがおすすめ。霧吹きで水分を含ませてから温め直すとサクッと食感が戻りますよ。または、カツ煮や天丼など、別のメニューにリメイク調理するのも手ですね。

5:そもそもだけど…冬はキッチンに立つのがツライ!

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「朝起きるのがつらくて作る時間が足りない」(40歳/事務職)

「冬場は台所も寒いのでお弁当を手抜きしがち。種類が少ないと悲しくなるが仕方ない」(52歳/その他)

冬場の水回りってキンキンに冷えてますよね。そん中でのお弁当作りはモチベーションが上がらない……という状況に、「分かります」と時吉さん。実際にどんな工夫をしていたのでしょうか?

【時吉さんが実践していたこと】

夕飯の片付けをしながら、なるべくできることを済ませておくようにしていました。例えば、卵やちぎったレタス、茹でたブロッコリーなどをバットに置いた“調理セット”のようなものを準備しておくと、翌朝はそのバットを冷蔵庫から取り出すだけでお弁当作りに取りかかれます。お肉系おかずの下味も前日に仕込んでいましたし、なんだったら焼いておいた時もあります。

茶色いものが多くなりがちなので、穴埋め野菜としてトマトやブロッコリーのほかに、乾燥パセリなんかも手軽で重宝しましたよ。

あとは少しでもキッチンを暖かくしたいですよね(笑)。IHコンロを使っている今、ガス火の暖かさって貴重だったんだなと感じます。まずはお湯でも沸かしてコーヒーでも淹れ、お部屋と体をあっためられるといいですね。

 

以上、冬のお弁当のお悩み解決アドバイスでした。

まだ寒い日が続きます。冷めてかたまりにくい食材や調理法をうまく取り入れて、「冬のお弁当作り」を乗り切れるといいですね!


【取材協力】

時吉真由美

料理研究家。(株)Clocca代表取締役 cooking Clocca代表

土井勝料理学校をはじめ各地の料理教室講師のほか、「ZIP!MOCO’Sキッチン」(放送終了)「有吉ゼミ」などTV・出版物等のフードコーディネートや、料理、レシピ制作などで幅広く活躍。

Instagram(@cooking_clocca)では、日々のお料理や季節の和菓子といったレシピを中心に、オススメの調理器具やロケ先で出合った食材などを発信中。

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