ギモン解決！株式投資で「買う株の見極め方」「だめな買い方」【お金のプロに聞きました】

上場している株式会社が網羅されている本『会社四季報』は、小さな枕ほどの分厚さ。読み応え抜群な一方で、ここぞ！という企業を見つけるのは投資初心者にとって至難の業です。

では、たとえば作っている商品や提供しているサービスが好きだとか、「応援したい」などという気持ちで買うのはアリ or ナシ？

「『好き』は株を買う大きな理由になります。ただ、好きなだけで全てを許せるか？が大事。たとえば好きな異性がギャンブルにハマっていたり、暴力をふるったりする人だったら、どうですか？　好きだからと全てを許すのは難しいですね。

だから『好き』なら、その企業の業績が伸びているか？　今の株価が割安か？　など、きちんと調べることが大切です。好き＋株価が上がる理由を見極めましょう。

ちなみに『応援したい』も『好き』と似ています。株価が下がったときに、それでも応援できますか？　株式投資は利益をとるためにやるもので、株価が半分になっても応援したいと思えるでしょうか？　応援したいのなら、投資家として株を買うのではなく、消費者として商品を買えばいいと思います」（以下「」内、全て藤川里絵さん）

藤川さん曰く、「株を買うときに必ずチェックすべきものと、見極めるポイントがある」とのこと。

「企業のホームページの決算、『会社四季報』や証券会社が発表している数値などで、数年分の業績を確認しましょう。このとき、年々上がっていることがポイントです」

「『足元進行している』などとも言いますが、足元というのは今期＝現在進行中、ということです。今期が減益予測なら、株価は上がらない可能性が高い。売り上げ予想や利益予想などの目に見える数字は重要な判断材料なので、無視しないように！」

さまざまな企業をチェックしていると、ときには有名企業の株価がぐんと下がっていることも。これって買うチャンス？

「『下がったら買おう』とみんな言いますが、下がっている株は今後も下がる可能性があります。というのも、下がっているということは売っている人がいるということ。つまり売る理由があるんです。

だから値頃感だけで買うことはおすすめしません。では、いつ買うか？　これには知識と経験が必要です。たとえば株価が上がっていても、伸び率が以前より下がっているとだめな場合もあります。でもそれをジャッジできるのも知識と経験。少しずつ知識や経験をつけていくと、投資の精度は確実に上がりますよ」

自分の資産を投じるのですから、大切なのは自分で情報を集めて勉強をすること。「何もしないで得するなんてことはあり得ません」と藤川さん。

ときどきSNSで「極秘情報を教えます」「おすすめの株はコレ！」などと上がっているのも見かけますが……？

「絶対に信じちゃだめ。SNSで、なぜ極秘情報を教えてくれるの？ということです」

経済新聞を読むのもよいけれど、毎日となるとちょっと大変。藤川さんも取り入れている、気軽で確かな情報収集のコツを教えていただきました。

「毎日5分、10分でもいいので、経済ニュースやラジオ番組を観たり聞いたりしましょう。1年も続ければ、自然と知識が身につきます。おすすめの番組は、テレビ東京の『Newsモーニングサテライト』や『ワールドビジネスサテライト』、ラジオNIKKEIの『ヤング日経』です」

「全国各地にあるコンビニは、身近で、トレンドが掴みやすい場所です。たとえばコロナ禍でお惣菜がおいしくなったり、コンビニおにぎりの具が豪華になったりしたのを覚えていますか？　これらを手がけている企業の株価が上がりました。いつものコンビニで思わぬ発見があるかもしれません」

「『カンロ飴』で知られる『カンロ株式会社』は、昨今のグミ人気で業績がアップ。ペコちゃんで有名なケーキ屋を営む『株式会社不二家』も、『カントリーマアム チョコまみれ』のヒットで業績が変わりました。また、『株式会社サンリオ』も代表取締役が交代したことで、海外へも人気が広がり、株価がぐっと上がりました。クロミちゃんは今、中国でブーム。『サンリオピューロランド』も海外旅行客が増えているといいます。老舗企業の変化も、株価が上がるタイミングの場合があります」

投資は18歳からはじめられます。それゆえ「老若男女問わずいろいろな人と話が盛り上がるのも楽しい」と藤川さん。

「株式投資をはじめると、世間の情報や変化に敏感になります。そうすると自然に好奇心も湧き、雑談力も身につく。私自身、車に乗らないのであまり興味がなかったのですが、たまたま買った『テスラ』の株から興味が湧いて、今では自動車産業に関わる人と話をするのが楽しみ。もし株式投資をはじめるなら、どうぞワクワクしながら楽しんでくださいね」

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