経験値0と1とでは大違い
null約2年半前から積立投資をはじめた筆者。実は当初から株式投資にも興味があり、経済ニュースをチェックしたり『会社四季報』を購読したりしていました。しかし初期投資が多額ということもあり、一歩も踏み出せないまま月日は流れ……。
「1,000円でも2,000円でも、自分のお金を投じてみないと何が成功で何が失敗なのかもわかりません。これは株式投資だけでなく、何事も同じだと思いますよ。
ただ、最初からまとまった金額が必要な『単元株(通常100株)』は難しいという気持ちもわかります。そんな方が一歩を踏み出すのにぴったりなのが『単元未満株』です」(以下「」内、藤川理絵さん)
「単元未満株」とは
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「単元未満株」とは、単元株制度(※)において1単元に満たない数の株式のこと。通常、株を買うには銘柄ごとに100株/1口などと最低限の単元株数が決まっています。しかし単元未満株なら1株から購入できるのです。
「以前は『単元未満株』の売買は手数料がかかり、割高でした。また、1株で買える銘柄も少なかったんです。でも近頃は各証券会社のサービスがかなり充実して、売買手数料も0円のところがほとんどです」
なんと、安ければワンコインで知っている企業の株が購入できるとは! それははじめない手はありません。
※単元株制度・・・100株など複数の株式を1つの「単元」として設定し、この単元ごとに議決権の行使を認める制度。
株主優待などの権利はナシ
ただ一方で、株主総会への出席や株主優待などの権利は、単元株でなければ認められません。とくに株主優待が受けられないのは、なんだか損した気分……。
「株主優待はとっつきやすいかもしれませんが、あくまでもオプション。株式投資の目的は“投資”です。お食事券3,000円分とか商品1,000円分などという株主優待に左右されるのは、目的から外れているような? それに、企業の業績によっては株主優待がなくなる可能性もあります。
単元未満株は積み立てもできるので、毎週1株ずつとか毎月1株ずつとか、コツコツ買い増していけば、いつか100株所有の立派な株主になれますよ」
まずは1株買ってみよう
null「大切なことは、気になった株を1株買ってみること」と藤川さん。
「1株でも買うと、気になって見るようになります。そして、なぜ株価が下がるのか? 上がるのか?と考えるはず。考えると疑問が湧いて、調べたり学んだりするでしょう。そうすれば知識が増えて、興味も湧いて、新たな世界がどんどん広がっていきますよ」
気軽に一歩を踏み出せる単元未満株。お金が働いてくれるだけでなく、新たな世界が広がる魅力もあるなんて! 今すぐにはじめたい!
ウズウズして、今にも走り出したい気持ちの筆者。次回は「株式の買い方」について伺います。

藤川里絵さん。
【教えてくれた人】
藤川里絵(ふじかわりえ)さん
CFP、株式投資スクール講師、個人投資家。2010年より株式投資をはじめ、主に『会社四季報』を使った投資方法で、5年で自己資金を10倍に増やす。負けない投資がモットー。普通の人が趣味として楽しめる株式投資を、日本中の(とくに数字オンチの)人に広めるため、講演活動、YouTube、オンラインサロンと多岐に活動中。

『ド文系女子の株の達人が教える 世界一楽しい!会社四季報の読み方』
『ド文系女子の株の達人が教える 世界一楽しい!会社四季報の読み方』
個人投資家のバイブルともいえる『会社四季報』。ただ、あまりにも膨大な情報が掲載されているため、どう活用すればよいのか、また、どこをチェックすればよいのかわからないという声も多い。そこで、本書では、自他ともに認める四季報マニアで、かつ四季報オンラインの大人気コラムニスト・藤川里絵さんが、推理小説のように謎解きを楽しみながら、かつ株価が上がる会社が見つかる、これまでにない新しい四季報の読み方を解説! !

朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote