大掃除って本当に必要ですか?
null「まず、夕食が終わった後にシンクを掃除する、朝起きたときに床をさっと拭くなど、少しの時間で済む掃除をコツコツ積み重ねるのが第一歩。その“小そうじ”でとりきれない汚れを、“まとめ掃除”として週に1回、月に1回、数カ月に1回など頻度を調整して行うと、1年中快適に過ごせます。
“たまった汚れを一気に取り除く”のが大掃除だとすると、“まとめ掃除”は汚れをためないことを目的に行います。
ただでさえ忙しい年末に長い時間をかけて大掃除をするより、その方がよほどラクだと思いませんか?」と、本橋さん(以下「」内、本橋さん)
耳の痛いお話です……。では具体的にどう進めていけばいいでしょうか。
「ここでご紹介する掃除の頻度は、人によって異なります。台所の使い方(家族の人数やよく作る料理の内容)、子どもがいるか、またその人数、ペットがいるか、家がある場所の環境などにより、掃除が必要になるタイミングはそれぞれ。“汚れがたまる前にきれいにする”ことを念頭に置いて、間隔はそれぞれの家族で調整してください」
そして、毎日、週1、月1などに行いたい掃除を以下のように提案してくれました。
毎日掃除の例
null「水周りはとにかく水分を残さないことが大切。毎日できるだけ乾燥した状態を保てるよう、使うたびに水分を取り除くことを習慣にします。油汚れは冷えて固まるとやっかいなので、これも汚れがついたらすぐに拭き取ることが大切です」
■朝起きたときにフロアワイパーで床を拭く
夜のうちに床に落ちてきたホコリを、朝イチでさっと取り除くと効率が良いです。ハンディワイパーで棚の上、フロアワイパーで床の順に行います。
■キッチンリセット
食事の片付けが終わったら、シンクや排水口のゴミ受けをキレイに洗います。コンロ周りも、調理をしながら、もしくは調理が終わってすぐの油が冷えて固まる前にさっと拭き、五徳も毎日洗えばピカピカに。
こちらも参考に!
コンロの周りの汚れは重曹で!【ナチュラル洗剤で簡単「小そうじ」テクニック】#1
■トイレ掃除
トイレの便座、便器、床をさっと拭き掃除。
■洗面所の水ハネの拭き取り
水分が残っているとカビや水アカの原因に。顔を洗ったり歯磨きをするたびに使い終わったタオルで水滴を拭いておくと、汚れの蓄積を防げます。
■お風呂掃除
お風呂のお湯を抜きながら、バスタブや浴室内の壁をシャワーで流し、スクイージーを使って上から順に水気を切っていきます。
週1掃除の例
null「毎日掃除で取り切れなかった汚れや、毎日は行き届かない箇所などは週1で。週末にまとめてやっても、月曜は○○、火曜は○○、とルーティーンを決めておいても。家族で担当制にするのもいいですね」
■ホコリ取り
床や棚の上などは毎日フロアワイパーやハンディワイパーなどでホコリを除きます。高い場所など、毎日できないところは週1で!
■排水口掃除
酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)で、排水口まわりの黒ずみやヌメリを一掃。
こちらも参考に!
キッチン排水口のヌメリとニオイは酸素系漂白剤で撃退!【ナチュラル洗剤で簡単「小そうじ」テクニック】#5
■少しサボったアブラ汚れ
五徳の焦げつき、コンロ周りの壁にベタつきなどがあれば、汚れをリセット。
毎月掃除の例
null「家族みんなが見るカレンダーなどに、“今月掃除する場所はここ”とリストを書いておくと、週1掃除と組み合わせて順次終わらせていくことができます。第1土曜日は○○、というように決めておいても」
■リビングや廊下の拭き掃除
重曹を溶かした水で絞ったマイクロファイバークロスを使い、床のアブラ汚れを一掃。
■エアコンのフィルター掃除
エアコンが稼働している時期は2週に1回~1カ月に1回フィルターの掃除を。
季節掃除の例(2カ月に1度~年に1度)
null「これには季節も関係してきます。特にアブラ汚れは気温が低くなるほど落としにくくなります。台所などの掃除は少しでも暖かい時期に済ませるように心がけましょう。窓拭きなど屋外の掃除も寒い時期はつらいです!」
■窓掃除(2カ月に1度~半年に1度)
水スプレーで濡らし、スクイージーで水分を除くだけでOKだから簡単! 開け閉めの際に手で触った皮脂汚れがついている場合は、さらに重曹水やアルコールスプレーで拭き取ります。
■換気扇周りの漬けおき洗い(2~3カ月に1度)
シーズンごとに洗えばそんなに大変ではありません! 汚れがひどいときは酸素系漂白剤(過炭酸ナドリウム)、軽いときは重曹を使って熱めのお湯で漬けおきすれば、こする手間は最低限できれいにできます。(部品の素材により使える洗剤が異なるので確認してから。)
■洗濯機の除菌(カビの生えやすい夏場は1カ月に1度、その他の季節は2~3カ月に1度)
酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム、または洗濯機純正の洗剤など)で漬けおき洗いするとカビや雑菌の繁殖を抑えることができます。
■窓のサッシ、ベランダ(年に2度)
砂や泥などの汚れは洗剤不要。サッシ部分は水を流し、ブラシで汚れをかき出します。ベランダもブラシでこすり洗い。これも寒い時期ではつらいので、春先や台風シーズンのあとなど、天気の良いときに。
■クローゼットと押し入れの掃除(年に2度)
洋服、布団、収納ボックスなどが詰まって通気が悪く、カビが映えやすい場所。衣替えのタイミングで中身を全て出し、掃除機などでホコリを取り除いたらアルコールスプレーを使って拭き掃除を。
このように、掃除するべき箇所をリストアップし、自分の生活に合わせた頻度を決めて、その月にすることをカレンダーなどに書き込んでおきましょう。家族で共有して、分担を決めて協力するとスムーズ。
家事のスケジュールを管理できるアプリもあります。設定したタイミングでお知らせしてくれる機能などを活用すると掃除の漏れがなくなります。
来年こそ大掛かりな大掃除をしなくても良い生活にトライしてみるのはいかがでしょうか。
ナチュラルクリーニング講師。大学では化学を専攻、会社員時代には合成洗剤の製造を経験。結婚を機に退職し、専業主婦として家事を担当するが、子どもが産まれ、自身と同じアトピー体質であったことから、改めて主婦として洗剤に興味を持つ。
掃除、洗濯、洗剤を科学的に解説するナチュラルクリーニング講座を運営、環境&手肌に優しく、安心安全な方法を伝える活動に取り組む。
『ナチュラルおそうじ大全』、『やることの「見える化」で掃除を劇的にラクにする方法』(ともに主婦の友社)など著書多数。