いつ読み聞かせをする?
Q1:いつも時間に追われていて、ゆっくり読み聞かせをする時間がとれません(43歳・総務・人事・事務)
A1:たまには優先順位をかえてみても…?
働くママの毎日は確かに忙しい。朝、ご飯を食べさせて(あるいはお弁当をつくって)、お着がえをして保育園・幼稚園へ送り届け。仕事が終われば、お迎えへ行き、ご飯をつくり、食べさせて、お風呂に入れて、明日の支度をして、寝かしつけをして……。自分の時間が取れるのは夜中だけ。お休みの日になったって、行事があったり、習い事があったり、お買い物に行ったり。たまった洗濯やお掃除もある。
思い返せば、私のまわりのママ友もみんな忙しそうだったな。ちょっと誘おうと思っても「家の用事が終わってからね」と、予定外の事は大概断られてしまう。かくいう私も「ワーキングママ」だったわけだから、毎日やることが山積み、休日になるとさらに憂鬱な気持ちになったりして。だけど、なぜか絵本の読み聞かせをする時間はあったのです。どうしてだろうとよく思い出してみると、一つの答えが見えてきた!?
それはつまり……「家事をさぼっていた」から。
例えご飯の仕事をしている最中だったとしても、お風呂に入らなきゃいけない時間だとしても、部屋中がちらかっていたとしても、「絵本読んで」と言われれば、とりあえずそれらを放っておいて、読み聞かせの時間にしていたのでしょう。家事の方は後回し、絵本の時間が最優先。褒められた話じゃありませんよね。まわりのしっかりしたママたちは、これをしていなかったのですから。
でも、絵本の時間も終わってみれば10~20分。大した話じゃないと思うのです。少しくらい家事が中途半端になったとしても、親子で過ごす絵本時間の方が断然楽しい! おかずが一品減ったとしても、お風呂に入りそこねたとしてもね。
もちろん、これは私の考え方なのでオススメはできません。でも、たまには試してみる価値はあるかもしれませんよ。
Q2:ベッドに入る時間が遅くて、読み聞かせがなかなかできない(42歳・その他)
A2:たとえ遅くても、絵本を読んであげた方がスムーズに寝てくれるかも!?
夜寝る前、おやすみタイムの読み聞かせは確かにおすすめです。毎日決まった時間にベッドに入り、楽しみにしていた絵本を読んでもらう。こんな気持ちになってもらえたら、親として、どんなに嬉しいでしょう。
だけど、現実はなかなかうまくいきません。なにしろ子どもたちっていうのは、思っている以上にパワーが有り余っているのです。いくら昼間に遊んでいたとしても、ご飯をたくさん食べたとしても、おめめパッチリ! 寝てくれる気配がなくて困ってしまうもの……。
ところで、この場合、困っているのは「ベッドに入る時間が遅い」ことなのでしょうか。それとも「読み聞かせができない」ことなのでしょうか。もし、睡眠時間をきちんと確保したい、生活時間を整えたいということなら、絵本を読んでいる場合じゃないかもしれませんよね。
昼間にどう過ごすか、という部分が大事になってくるのでしょう。でも、もし「読み聞かせができない」ことに困っているとしたら、答えは簡単。「時間が遅くても絵本を読んであげればいい」のです。ここまで遅くなったら、もう少しくらい遅くなったって大して変わらないはず! ママやパパがダウンしてしまったらいけないけれど、絵本を読んで気持ちのいい眠りに入れるとしたら、ぜひ読んであげてくださいね。
今月のおすすめ絵本
毎日読めなくても、毎日を楽しくしてしまう絵本『まいにちたのしい』
『まいにちたのしい』(ブロンズ新社)文/KAKATO 絵/オオクボリュウ
おはよう!
朝、目が覚めて窓の外を見れば、太陽がのぼっています。
「ようよう たいよう さんさん おはよう
おはよう さんさん たいよう ようよう」
起きたら、パジャマを脱いで、服を着て……
「ぬぎぬぎ おきがえ かえかえ ぬぎぬぎ
かえかえ ぬぎかえ おきがえ かえかえ」
朝食をしっかりと食べて、今日はどこに出かけよう。
なにを言っているのかって?
考える前に、とりあえず声に出して読んでみて!
……あれあれ、自然にからだがゆれてきて、リズムを刻んで口ずさむ。
なにこの楽しい感じ、ワクワクする感じ。
驚くなかれ。
なんとこの絵本、世にもめずらしい「ラップ絵本」。
声に出して気持ちのいい言葉とリズムと、そして動く出すような絵。
ラップのことはよくわからないけど、心とからだが乗せられていくこの感じ。
うーーーーん、クセになる!!
絵本に登場するこの子は一体なにもの!?
私だって、今日からこんな風に過ごしたい。
息子と一緒に口ずさみながら生活したい。
一度読んだら、生活が変わってしまう。
そんな絵本があるなんて、発見です。
全力で一日を駆け抜けたら……
「ぐーぐー ぐっすり ずぅーずぅーずぅー」
おやすみなさい!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
※ 『絵本ナビ』より引用
毎日「よみきかせ」の時間がしっかりと取れなかったとしても、好きな絵本の好きなフレーズを親子で口ずさみながら一日を過ごす。そんな方法も楽しそうですよね。
【参考】
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