寝る前に読み聞かせしても、興奮して寝付かないときは?
Q1:2歳の子に寝る前に読み聞かせようとしても静かに聞きません。本を取り上げたりページを次から次にめくろうとしたり…(30歳・主婦)
A1:まずは演出と雰囲気づくりから入りましょう。自然と眠くなるはずです。
まだ小さな2歳の子に「これから寝る時間だから静かに聞きなさい」と言っても、なかなか理解はできないかもしれませんよね。目の前に好きな絵本がたくさんあれば嬉しくなっちゃうし、まだ遊ぶ時間なんだと思っているのかもしれません。
まずは、演出と雰囲気づくりから入ってみるのはどうでしょう。食事もお風呂も全部終わって、パジャマを着てママとお布団に入る。部屋は薄暗くして、枕元には絵本を例えば3冊積み重ねて。
これで「おやすみ前の絵本タイム」の準備は完了です。
そこから頑張るのはママ、ちょっと眠たくなるような読み方をするのです。お話は長めがいいかもしれませんね。体をとんとんしたり、おでこをなでつけてあげるのも効果的。そうやって、毎日「寝る前に必ず絵本を読んでもらえる」という安心感と毎日の習慣で自然に眠くなってくるはずです。
そこで読んでもらった本は、もしかしたら覚えていないかもしれません。でも、きっと毎日やってくるママとの幸せな時間こそ、子どもたちにとっては大切な記憶になっていくのだと思います。
Q2:3歳の子ども。本によっては寝る前に読んだら興奮して寝付かず、困ったことも(47歳・主婦)
A2:「いつも興奮してしまう絵本」は寝る前はしまいこんでしまいましょう。
3歳の子の体力は案外あなどれません。夜、いつまでたっても元気……そんな日もあります。そういう時に心で唱えて欲しい言葉は「いそがばまわれ」。ある程度長くなると覚悟を決めて、好きな絵本を好きなだけ読んであげた方が「早く寝なさい!」と言って奮闘するよりも近道なのかもしれません。
そうやって数冊読んだ後、少し静かになってきたら、すかさずおでこをなでつけてみたり、からだをとんとんたたいてみたり。これが小さい頃からの習慣になっていたらさらに効果的! 気持ちよく眠りに入ってくれるはずですよ。
そうはいっても時間がない、お子さんの体力が心配、という方には興奮してしまう絵本をわかっておくのが効率的。昼間のうちに読んであげる、あるいは夜寝る前にはその絵本を思い出さないようにしまってしまう、という手もあります。
目の前に好きな絵本があるのに読んじゃいけない、という状態は大人だってツライですものね。
今月のおすすめ絵本
眠りの世界へと連れていってくれるのは…!?『ねないこせかいチャンピオン』
『ねないこせかいチャンピオン』(鈴木出版) 作/ショーン・テイラー 絵/ジミー・リャオ 訳/木坂 涼
「わるいけど、あたしは まだ ねないわよ」そう言っているのは、主人公のステラじゃなくて、一緒に寝ているぬいぐるみたち。ステラはみんなを寝かしつけようと様々な工夫をするのです。その上手なこと……! 小さな子はぬいぐるみたちと一緒に眠くなるでしょうし、大きくなってきたらステラの真似をしてくれるかもしれませんね。
「もうねるじかんだよ」
パパに言われて、お部屋に戻るステラ。ところが、ちっとも眠る気がないのはステラのお気に入りのぬいぐるみたち。
「わるいけど、あたしは まだ ねないわよ」
「ぼくだって ずっと おきてるぞ」
「ねるって、つまんないぴょ~ん!」
「ねないこ せかいチャンピオンは あたし~!」
これは大変です。
ところがね、ステラは考えますよ。
大きなまくらを船に見立てて、みんなを大航海に連れて行ってみたり。くつばこを汽車に見立てて、「シュッシュ シュッシュ ガタン ゴトン」と夢の世界へと走らせたり。とっても素敵な世界にうっとりしながら、みんなは順番に寝息を立てていきます。さあ、本当に最後まで起きていた「ねないこチャンピオン」はだあれ?
ベッドに入って眠りにつく時間、ほんの少しでもぐずりたい気持ちってわかりますよね。これで一日が終わっちゃうなんてつまんない!もうちょっとでも遊んでいたい。でも、この絵本の主人公の女の子ステラは、寝かしつけをしてあげる方なのです。豊かな想像力と機転の利いた優しさで、ぬいぐるみたちを上手に眠りの世界へと連れて行ってあげるのです。
すごいなあ、ステラ。ママやパパだって感心しながら、思わず一緒に気持ちよく眠ってしまいそうになるほど。可愛らしくて、でもおやすみ前にはとっても頼りになる1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
※絵本ナビより引用
おやすみ前の絵本タイムで一番大事なことは、「どんな絵本を読むか」よりも「いかに気持ちよく眠りの世界に入れるか」ということ。リラックスできるように工夫してみてくださいね。
【参考】