幼児期の食事は余裕ゼロ
null「cotote(コトテ)」の対象である、1歳ごろ〜3歳の幼児期は、イヤイヤ期もあり、かなり大変な時期。まだまだ目も手も離せません。子育てLevel.7の筆者ですが、当時は「とにかく子どもに食べてほしい」と必死。自分の食事はおざなりで、人生でいちばん痩せていました……(遠い目)。

わが子が1歳ごろの、早めの夕食。なんとこの日は幼児用のレトルトうどんだけで済ませていたもよう……。
筆者の思い出はさておき。
とりわけ共働き家庭の場合、夕方に帰宅したら即、「おなかがすいた」と訴える子どもの相手をしながら食事の準備をせねばなりません。しかも、幼児期は大人と同じものを食べることがまだまだ難しく、かといって専用の食事を準備するのも手間がかかる。その結果、つい「食べてくれる(食べやすい)素材」に頼りがちになり、いろいろな素材を試す余裕はなかなかありません。
食事の準備ができてからもジェットコースターです。「残さず食べてほしい」「食事に集中してほしい」(そして、「明日もあるから早く寝かさないと」)などといった想いが渦巻き、「おいしいね」と笑い合いたいのに「早く食べて!」と急かす始末。
ああ、余裕ゼロ。
忙しくても、無理なく、幼児の五感を育む食事を追求
null「cotote」を共同開発した大阪総合保育大学学長・大方美香先生によると、幼児期の食事は、五感の発達に大きく影響するそうです。
- 視覚→彩りのよさで、見る楽しみがある→食材への関心が生まれる
- 嗅覚→よい香りを嗅ぎ、興味が湧く→食欲が刺激される
- 触覚→触れる、手づかみする体験→感覚と記憶が育つ
- 聴覚→シャキシャキ!など音で楽しむ→食べる楽しみが広がる
- 味覚→味わう喜び、新しい刺激→「食べられた」と小さな成功体験になる
また、「咀嚼」もとても大切、と先生は続けます。
「よく噛むことで脳を成長させます。手づかみ食べも、手と口の連携が育ち、自分で食べる意欲や発達を促す大切な体験となるんですよ。こうした五感を育む食事は、子どもたちの探究心や楽しむ力になります。その際にネックになるのが、食事の準備。忙しいこともあり、お子さんと食事をたのしむ余裕がないご家庭が多いのが現状です」(大方美香先生)
だからこそ、「cotote」では忙しい現代家庭でも実現可能な“最善の食体験”を提供することを目指したのだとか。また、現代の多様な家庭環境に対応した、柔軟で持続可能な食育アプローチも盛り込まれています。
「cotote(コトテ)」のこだわり
null子どもがいろいろな素材にふれるきっかけになる

現在「cotote」は、1歳ごろ〜1歳半ごろ向けの「STEP1」メニューを8種類、1歳半ごろ〜3歳までに向けた「STEP2」メニューを6種類と、計14種類のメニューをラインナップしています。1食あたり10種類以上の素材を取り入れ、全部で50種類の素材を使用。素材の顔ぶれは時期によって多少変わるそうですが、日々の食事でいろいろな素材にふれるきっかけをつくることを目的にしているそうです。
家庭でつくるとき、たくさんの素材一食に使うのは大変です。ましてや、一度に食べる量が少ない幼児の食事。ちょびっとつくるのに、あれもこれも買って、準備して……というのは現実的ではありません。
でも「cotote」なら、電子レンジで温めればおいしい一食ができ、たくさんの素材も入っている! わが子が幼児期だったときは「栄養は保育園にお任せ!」と本気で思っていましたが、あの頃「cotote」があれば、またちがった世界線が見えていたのかも。
子どもの興味をひく彩りと盛り付け



にんじんの赤がぱっと目を引いたり、おくらが星のように散りばめられていたりと、彩り豊かで盛り付けもきれい。「これは、どんな味がするのかな?」と大人の筆者も思わず食べたくなります。

「江崎グリコ」健康事業マーケティング部の皆川祐輔さんは、2年前から「cotote」の立ち上げに携わったそうです。
子どもの食事をつくるとき、栄養バランスはもちろん、本当なら彩りにもこだわりたいですよね。でも実際は、「そこまで手が回らない」という親御さんも多い、と話すのは、開発を担当した『江崎グリコ』健康事業マーケティング部の皆川祐輔さん。
一方で、大方美香先生によると、彩りの良さは視覚への刺激につながり、食材への関心が生まれる大事なポイントです。
「あえて常温で長期保存のきくレトルトではなく、冷凍食品にすることで、美しい彩りと盛り付けも実現しています」(皆川祐輔さん)
子どもの味覚に合わせた味付け

一足お先に試食。左上から時計回りに「さわらの豆乳シチュー」「ミートソーススパゲッティ」「米粉のお食事パンケーキ」「鶏のラタトゥイユ」。
味付けは、子どもの味覚に配慮し、塩分量は0.6g以下を目的に設定。「その分、かつおぶしや野菜などの旨みを引き出し、うす味でもおいしく仕上げています。大人の方が召し上がっても、ちゃんとおいしいことも大切にしています」(皆川祐輔さん)
今回は「さわらの豆乳シチュー」「ミートソーススパゲッティ」「米粉のお食事パンケーキ」「鶏のラタトゥイユ」と4つのメニューを試食しました。


どれも確かに、やさしい味わいです。一方できちんと野菜本来の味や、お肉やお魚の旨み、だしの香りなどが感じられるから、物足りなさはありません。むしろよーく味わって食べたくなる滋味深いおいしさだといえます。
子どものお口の成長に合わせたかたさ・サイズ
幼児期はちょうど歯が生える時期でもあり、「cotote」ではお口の成長に合わせておいしく食べられるよう、切り方やかたさが工夫されています。「STEP1」と「STEP2」では、同じカレーでも成長段階に合わせているそうです。

こちらはSTEP1メニュー「鮭とマカロニのクリームグラタン」。トッピングされた野菜が、約10mmほどにカットされています。
「STEP1なら、にんじんは約10mmのサイコロ型にして、歯茎でつぶせて繊維が残らないやわらかさに加熱しています。STEP2なら、にんじんは約15mmのサイコロ型に。生えはじめの奥歯で噛み潰せるやわらかさに加熱しています。STEP1より大きめにカットすることで、食感を感じられるかたさになっているんですよ」(皆川祐輔さん)
こうした工夫も、家庭で実践しようと思うと大変ですよね。試食した「さわらの豆乳シチュー」にもコロッとにんじんが入っていましたが、するっと噛むことができました。また、素材本来の甘みはありつつ独特のにおいは感じられなかったので、丁寧に調理されていることも伺えます。
「野菜は安心の面からも、すべて国産のものを使用しています。また、今回のために探した工場と何度も試作や相談を重ね、手づくりのように手間ひまをかけて一品一品つくっているんです」(皆川祐輔さん)
利用はオンラインの定期便
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1食ずつ使い捨て容器にパッケージされているから、そのまま食卓に出してもOK。
現在、「cotote」の利用は『江崎グリコ』の専用サイトから注文する定期便が基本です。単発で購入できる「今回のみの6食セット」もありますが、1食あたり842円(税込)と、サブスクのほうがお得(1食あたり498〜699円・税込)なのだとか。
なぜこのような形式にしたかといえば「お客様と一対一でやりとりができるように」。
「ご利用方法は、まずお好みでメニューを選んでいただき、2週間もしくは4週間間隔のどちらかに設定します。一度に届く量は4食・6食・8食から選択でき、ライフスタイルに合わせられます。
また、『江崎グリコ』では育児のお悩みを保育士や管理栄養士の視覚をもつアドバイザーに、直接お電話で相談できるサービスもご用意しています。『cotote』のお客様にもこうしたサービスをご利用いただけるので、お一人おひとりのすこやかな食生活に寄り添えたらと思います」(皆川祐輔さん)
悩み多き幼児期の食事を通して、家族のすこやかな食卓も提案する「cotote」。気になる方は、どうぞ専用サイトをチェックしてみてください。
【取材協力】
江崎グリコ

朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote