ケース1:子どもの小学校入学前後に「働き方に変化があった」どう変わった?
nullまず、子どもの小学校入学前後に「働き方が変わった」「働き方を変えた」ケースです。
「正社員として働いていたが、保育園と比べて小学校は日中に学校に行かなくてはならないことが頻繁にあったため、年休をとることが多くなった。肩身の狭い思いをした」(41歳)
「フルタイム勤務だが、保育園より早い時間に子どもが帰宅しているので、残業はしないと決めていた」(55歳)
フルタイム勤務・正社員の場合、学童の預かり時間に合わせて残業を減らしたという回答があったほか、行事参加や細々とした子どものサポートのために有休などの社内制度を使うことが増えた、という回答がありました。
続いて、こんな回答も。
「子どもが帰宅するまで時間があるので、パートの時間を少し長くしました」(52歳)
「職場は同じで、勤務時間と勤務日数を増やしました」(39歳)
「最初は学童に入れて平日に働いていたが、やがて子どもが学童に行かなくなった。平日に家にいなければならなくなり、平日の休みを増やして土日メインで働くようになった。平日は在宅の夫と交代で子どもを見ている」(36歳)
小学校入学前に迎え時間が早い保育施設(おもに幼稚園)に子どもを預けてパート勤務をしていた場合、入学後に勤務時間を伸ばすことができるようになったケースがありました。シフト制の仕事の場合には、子どもの生活時間に合わせて勤務日を調整するケースもありました。
ケース2:小学校入学前後に「職場を変えた」
null続いて、子どもの小学校入学に際して“転職”を選択したケースです。
「小学校入学後に正社員をやめて、リモートでできる仕事にした。収入は減ったが、子どもとの時間や学校に行く機会も多かったので良かったと思う」(51歳)
「土日が仕事で家族と過ごす時間がなかったため、土日が休みの仕事に変えました」(33歳)
「学童の関係で正社員からパートの仕事(総務・人事・事務系)に転職しました」(49歳)
転職したグループでは、より柔軟な働き方ができる環境を求めたケースが目立っていました。理由としては、地域内の学童の閉所時間が保育園の閉園時間より早いこと、宿題や習いごと送迎をはじめとした子どものサポートなどが寄せられました。
ケース3:小学校入学後「これまで通り働くことができた」理由は?
nullここまで働き方や職場を変えた事例をご紹介しましたが、子どもの小学校入学後「これまで通り働くことができた」事例もあります。その理由について聞いてみました。
「総務・人事・事務の仕事をしているが、勤務先が学校や児童館に合わせた勤務時間になっている。何かあれば有休もすぐ取れる」(37歳)
「研究・開発に従事。職場では働き方が調整できるので、変化なし」(48歳)
「子どもの通う学童が7時までやっている。しかも延長料なしで、保育園より待遇が良い」(41歳)
「まだ子どもに手がかかるので、これまで通りパート勤務のまま継続」(40歳)
「在宅の仕事なので、変化なし」(46歳)
「自営業のため、基本家にいる」(47歳)
「義務教育とはいえ、学校関係でお金は毎月かかるので、変わらずに収入を得ていかなければ生活が成り立たないので働き方は変わっていない」(37歳)
「働かないと食べていけない」(32歳・その他)
「変わらずに収入を得ていかなければ生活が成り立たない」(37歳)
これらの回答を総括すると、これまで通りの働き方をしている人は、以下の条件のどれか1つが当てはまっていました。
- 正社員でありながら、柔軟な働き方ができる
- もともと、時間的に融通の利く働き方(自営・パート勤務・フリーランスなど)をしている
- 退勤後、学童の閉所前に迎えに行くことができる
- 何があろうと働き続けなければならない
上記の回答者の場合は「子どもの生活時間に就労時間を合わせる」「就労時間に子どもの生活時間を合わせる」いずれかの方法を取ることで、これまでと変わらない仕事を継続していました。
ケース4:小学校入学前後に「退職した」
null今回のアンケ―トでは、小1の進級後に退職を選択したケースもありました。
「小学校入学後に少し働いてみたが、家庭と両立が難しくすぐに辞めた」(39歳)
「入学前に出産が重なったこともあり、出産1週間前までパートで働いてたが入学後は仕事を辞めた」(32歳)
「主人の転勤が重なり、仕事を辞めざるをえなかった。新しい仕事を探しているが、学童に入れる条件とやりたい仕事の条件が合わず、いまだ仕事を探し中」(37歳)
「発達障害の子どもの入学と自身の体調不良とコロナ禍が重なったため、仕事を辞めて育児と治療に専念した」(42歳)
仕事と育児の両立が難しい、出産、夫の転勤、健康問題、子どものサポートが必要など、それぞれの理由で退職に至っていました。
以上、今回は小学校の入学後方の変化についての経験談をお届けしました。
放課後・長期休暇中の子どもの居場所確保、学校行事の参加や子どものケアの際に柔軟に対応できる職場環境、子どもの小学校へのスムーズな適応……という3つの条件をそろえるのが困難なケースもありました。
“キャリアダウン”やブランクが生じたとしても、その後に新たなキャリアプランを描きやすくなるといいのですが、業界や職場環境、個々のスキルによっては以前と同じ条件で働くことが難しいケースもあります。その点は、“小1の壁”がはらむ根深い問題かもしれません。
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