呼吸と背骨を意識して、自律神経のバランスを整えよう
null季節の変わり目は、体のバランスを崩しやすいとき。知らず知らずのうちに、体力的にも精神的にも疲れているかもしれません。特に自律神経が乱れると体の不調を引き起こし、睡眠にも影響が……。
そこで、今回は自律神経に特化した「夜ヨガ」を、ハタヨガ講師の若松由貴子さんに教えてもらいました。
「自律神経を整えるうえで、ヨガで大切なのは呼吸と背骨。この2つがキーワードです。今回のプログラムは、ぜひこの2つを意識しながら行ってください。
背骨は自律神経の通り道なので、背骨を柔軟に動かすことで神経の流れを促します。さらに呼吸を深めることで、神経の流れがバランスよく調整されるんです。
仕事や子育てなどで緊張感のある日々を送っていると、活発な神経である“交感神経”が優位な状態になりがちです。そうすると脳や体が興奮状態のまま眠れなくなってしまうので、まずは心と体を落ち着かせることが大切。交感神経と副交感神経のバランスが整うと、自然と気持ちよく入眠できますよ」(以下「」内、若松さん)
「夜の自律神経ヨガ」でぐっすり眠る準備をしよう
null(1)呼吸に合わせて背骨を動かす
両足を前に伸ばし、中心を整えてから両膝を曲げ、膝を外側に開きます。両方の足の裏をつけて、股関節周りがリラックスする場所をかかとの位置で選んでください。手の平をお尻の後ろに置き、指先は後方に向け、手の平と手首が安定する場所を選びましょう。
息を吐きながら、股関節周りを全部ゆるめてリラックスします。吸いながら、お腹、胸、肩を開き、目線は斜め上に。この動きを呼吸に合わせて繰り返します。
「股関節周りをゆるめながら、神経の通り道である背骨を柔軟に動かします。このとき呼吸を意識しながら行うことが大切。呼吸に合わせて、背骨をしなやかに動かしてください」
(2)前屈で背面の緊張をほどく
両足を揃えて伸ばし、体を少しずつ前に倒して太ももとお腹を近づけます。余裕があれば膝を伸ばし、上半身を倒せる所まで倒してみましょう。
不要な力みはほどいて、腕と肩の重みを感じながら、お尻でしっかりと根を張って、腰周りと背中の緊張をほどきます。ここで呼吸を繰り返してください。
「頭、肩、腕の重みを感じながら、背面の緊張をほぐし、背中周りをゆるめましょう。無理のない範囲で上体を倒せる所まで倒してみてください。1日中、体を支えていた背中はガチガチに固まっているので、ゆるめることで神経の流れがスムーズになり、内臓の働きも調整されます」
(3)片足を抱えて背骨をねじる
最後は仰向けになり、両足を揃えて体の中心を整えたら右膝を曲げ、両手で右足を抱えます。太ももをお腹の方に引き寄せ、ゆったりと呼吸を続けます。
吐きながら、右腕を床に下ろし、右膝は左の床に近づけ、頭はゴロンと右側へ。目線も右側に向け、ここで呼吸を繰り返します。反対側も同様に行ってください。
「お腹で呼吸を感じながら、しっかり背骨をねじることで神経の流れを促します。これが最後のポーズなので、この時点では呼吸が深まってきているので、さらに呼吸を深めるように意識してみましょう。足を抱えていることでお腹周辺に刺激が入り、内臓機能も高まっていきます」
実際に寝る前に試してみたところ、背骨がゆるやかに刺激されて気持ちいい。特に呼吸を意識することで、自分の内面に集中することができ、日常から離れて無心の状態に……。この時間がとても心地よく、心も体もリラックスできたのを実感。1日の疲れをリセットしてから、ゆっくり眠ることができました。
たった5分ほどですがリラックス効果抜群なので、仕事や育児で忙しく、自分の内面と向き合う時間がない人こそ、ぜひ試してみてください。気持ちよく入眠できること間違いなしです!
取材・文/岸綾香
【取材協力】
若松由貴子
心と身体をバランス良く鍛えることができるオンラインスタジオ『Veda Tokyo』所属。さわやかな笑顔と丁寧で分かりやすいレッスンが人気。アディダスグローバルランニングコミュニティadidas Runners Tokyoのヨガ講師を務める。2015年より毎年インドに渡り、ヨガの学びを深めている。指導歴10年。2人の子どもの母。