呼吸を感じながら、心地よく背骨や股関節を動かそう
nullポカポカと春の陽気は心地よいですが、花粉が飛び始め、ストレスを感じる人も多いはず。そこで、ハタヨガ講師の若松由貴子さんが、春のストレスを緩和する「自律神経ヨガ」を考案してくれました。
「神経や血液の流れがストレスなどによって滞ると、体の不調へとつながります。そのため、自律神経を整えることはとても大切です。
春は花粉などのストレス、また環境の変化が起こりやすい時期でもあり、特に心や体のバランスがゆらぎやすいときです。自律神経を整えるヨガを取り入れて、快適に過ごしてください」(以下「」内、若松さん)
「自律神経ヨガ」で心と体を整えよう
null(1)リラックスして呼吸を促す
「ヨガでは、自律神経=呼吸と考えられているほど、呼吸が大事なんです」と、若松さん。まずはリラックスして深く呼吸をし、心を整えることから始めます。
両足を伸ばして座り、両手はお尻から手の平1枚分離れた所に置きます。息を吸いながら胸を開き、目線は斜め上に。呼吸がしっかり体の奥まで入るよう、体の前面を開くイメージで行いましょう。
(2)前屈をして背面を広げる
今度は大きな菱形を作るように両膝を外側に開きます。手の平をふくらはぎの下に入れ、余裕があればさらに倒して肘をマットの上に置きましょう。
息を吸いながら背筋を伸ばし、吐きながら体を前にゆっくり倒します。頭の重みを下ろし、この状態で呼吸を繰り返してください。
「背中周りの緊張や力みをほどくことで、神経や呼吸の流れを促します。股関節を開きながら前屈をすると、背中と股関節のこわばりを同時に解消できますよ」
(3)体側を伸ばして緊張をほどく
左足を前に伸ばして右足は真横に開き、右手はお尻の後ろ、左手は左足に添えます。この状態で息を吸いながら背筋を伸ばし、右手は顔の横に上げます。息を吐きながら左足の方に上体を倒し、目線は天井に。この状態をキープして体の側面をしっかり伸ばしてください。
「胸を開きながら体の側面を伸ばすことで、緊張をほどき、血液やリンパの流れを促進。代謝を促し、気持ちもアップしますよ!」
(4)神経の通り道である背骨をねじる
仰向けになって両足を揃え、手の平を天井に向けて両腕は快適な場所に置きます。胸を脱力させながら両膝を曲げ、太ももをお腹の方に引き寄せます。息を吐きながら足は右の床に下ろし、頭は左側に転がして、心地よく背骨をねじりましょう。呼吸を意識しながら、左右交互に行います。
「神経の通り道である背骨をねじり、心地よい刺激を与えることで自律神経を整えます。自律神経を整える際、体の要である背骨はとても重要です」
実際に行ってみると、どれも静かな動きで自分の呼吸に集中でき、無心になって心も体もリラックスできました。ほどよくストレッチが効いて、こり固まっていた胸や背骨がじんわりとほぐれていくのを感じます。
特に最後の仰向けになって背骨をねじるポーズが気持ちよく、心も自然と穏やかな気持ちに。日々のストレスから解放され、体に流れる呼吸を感じることで、自分の内面と向き合う静かな時間を体験できました。
イライラしたときや疲れがたまっているとき、ストレスを感じた日の夜などに行って、自分自身をメンテナンスしてみてください。きっと心も体も少し軽くなるはずです。
次回は「緊張をほぐす呼吸法」を紹介します。
取材・文/岸綾香
【取材協力】
若松由貴子
心と身体をバランス良く鍛えることができるオンラインスタジオ『Veda Tokyo』所属。さわやかな笑顔と丁寧で分かりやすいレッスンが人気。アディダスグローバルランニングコミュニティadidas Runners Tokyoのヨガ講師を務める。2015年より毎年インドに渡り、ヨガの学びを深めている。指導歴10年。2人の子どもの母。