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「新米」できました!稲刈りからのこんな作業を経て、食卓に届けます【お米農家のヨメごはん#88】

こんにちは! 富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・14歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らす。そんな私たちの、食卓周りの日常を皆さんにお伝えする連載88回目。

今回は、稲刈りのその後の作業である乾燥調製と、待ちに待った新米の季節、今年はシラスをご飯のお供に!という食卓風景をお伝えしたいと思います。

稲刈りした籾(もみ)が、「お米」になるまで

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前回の記事では稲刈り作業について書いた『娘<14歳>が大好きな梨は「サラダ」で!シンプルレシピはこんな風に』。

けれども、私はどちらかというと今回の、稲刈り後の作業の方にこそ、 多くの方に関心を持ってもらいたいと思っている。

米作りは、田植えと稲刈り以外の地味で地道な作業の連続だ。 稲刈りは、田んぼという大舞台で脚光を浴びる華々しい農作業。 対して稲刈り後の作業は、作業所でひっそりと、誰に見られるわけでもなく黙々とこなす作業だ。

刈り取った籾(もみ)が、その後どういう工程を経てお米になるのか。 一般の方にはあまり知られていない、乾燥調製という作業について書いてみようと思う。

刈り取った籾は、水分をたっぷり含み貯蔵には適していない。

しかも籾殻(もみがら)と呼ばれる硬い殻に覆われ、そのままでは食べられない。 籾の中には未熟な粒や、虫食いの黒い斑点のついた粒も多くある。さらには石や虫など、多くの異物が含まれている。

この籾をお米にする作業が、乾燥調製だ。

まず籾は、軽トラの荷台に乗せた籾コンテナと呼ばれる入れ物で、 田んぼから作業所へと運ばれる。

籾コンテナから乾燥機へと籾を搬入。ホースを通って勢いよく籾が移動して、辺り一面すさまじい埃だ。 写真ではとても伝えきれないし、 何より乾燥機が大きすぎて写真には映りきらない。 ここで一晩ゆっくり乾燥させて、貯蔵に適した水分量にする。

乾燥させた籾は、まず籾殻が取り除かれて茶色いお米=玄米になる。 いくつかの選別機に次々と通して、玄米に含まれている未熟な粒や斑点米、 石などの異物を取り除いていく。 次から次へと機械を通る様相は、ラインがたくさんある工場のようだ。 騒音もすごい。

 

米作りをしているとは思えないような風景だけれど、これも間違いなく米作りの一環なのだ。

こういう工程を経てお米になる事を、私たちは一般の方にもっともっと知ってほしい。 そういう思いでこの記事を書いたり、ブログやSNSで情報発信をしている。

普段あたりまえのようにあるお米という存在の向こうに、どういう作業があるのか。そしてそのお米がどういう場所で、どんな人が、どういう思いで作っているのか。 そんな事を知っていただけたら、そのお米はもっともっと身近に感じてもらえるのではないか。

まいにち食べるお米の事をちゃんと知ってもらえたら、 よりお米を美味しく食べてもらえるのでは? 笑顔になってもらえるのでは? そういう気持ちでいる。

と暑苦しく語っている間に(笑)、選別された玄米が次から次へと袋詰めされ、積み上げられていく。

1トンのお米が入るフレコンと呼ばれる袋が、作業所を占領する様は壮観だ。 稲刈りの合間にこの乾燥調製という作業をしつつ、フレコンを保冷倉庫へ運搬する。

稲刈りだけをやっているわけではないし、稲刈りが終わっても新米お届けまでにこの作業が数日つづく。

そのすべての作業が終わると、いよいよ全国へお米を発送する新米シーズンの到来だ。事務所の横の保冷倉庫にも、お米をどんどん搬入していく。 お米は重いので、人力ではなくフォークリフトを使って。

フレコンだけではなく、昔ながらの米袋も準備万端。この辺りでは、 1年分のお米をまとめて秋に買う方が多く、 1軒1軒まわって保冷庫に納品させてもらっている。

フレコンや袋詰めされたお米は玄米で、それを精米すると白米になる。

新米は、お米のツヤはもちろん、手触りも、パラパラッと落とした時の音も、精米した時の米糠の香りも、普段とは全く違う。毎日お米に触れている私たちだからこそ、実感できるのかもしれない。

今年の新米は「シラス」と一緒に

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新米の時期は毎年、ご飯のお供に悩む嬉しい日々だったりもする。 これまでこの連載でも紹介した、すだちごはんや塩むすび、栗ごはん等、 大好きな新米の食べ方はいっぱいある。 けれど今年は、お取り寄せしていたシラスが丁度あったので、これで決まり!

シラスは、春と秋の2回、旬があるそう。

季節によって種類が異なり、春はマイワシの稚魚で、身が柔らかくふっくら。 対して秋は、カタクチイワシの稚魚。 身がしっかりしているのが特徴なんだとか。

和歌山からお取り寄せした秋シラスの初物。

ちょっと贅沢に、ちりめんじゃこ、ちりめん山椒も一緒に。ご飯のお供が並ぶと、何だか嬉しくなる。

あとは炊き立ての新米ご飯を用意するだけ。

スダチをキュッと絞って、お醤油をほんの少したらして。最高に美味しい新米のお供になった。

そして、今年の新米もとっても美味しいです!

濱田ファームのホームページはこちらから。

濱田律子
濱田律子

愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにも係わらず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。黒部の専業米農家『濱田ファーム』はこちら。

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