やっとこさ…「すぽんっ」!『おててがでたよ』
『おててがでたよ』(福音館書店)作/林明子
おおきなお洋服を、あたまからかぶったあかちゃん。
「あれ あれ あれ
なんにも みえない
おてては どこかな」
もぞもぞと手足をうごかします。
(まるでオバケ!?)
すると…
「ぱっ
おててが でたよ
あたまは どこかな」
一緒に読む子はうれしそう。
ぬうーとあかちゃんのあたまがでてくると、「あっ、あった」という顔をします。
「おめめも ある
おくちも ある」
と読みながら、子どもの目やくちをつんつんとつついてやると、くすぐったそうに笑います。
幼い子がすぽんと洋服を着せられるとき、ぱっと手がでることが不思議でならなかったり、なかなかだす場所がみつからないと混乱したり。服に体をとおすときの感覚って、「発見」のかたまりでしたよね。
顔がでて「ばぁー」といううれしさや、じぶんで足をだせるよろこびが、本書にはつまっています。
おてて、あたま、おかお、おめめ、おくち、あんよ、と体の部分ひとつひとつを認識するのにももってこいかも。
林明子さんの絵はかわいらしく、世のお母さんお父さんにとっては、あかちゃんを見つめるひとときが写しとられたような、幸せこのうえない絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
※『絵本ナビ』より引用
【読者の声(『絵本ナビ』より)】
あかちゃんの仕草の可愛さあふれる絵本
ほっぺの赤い可愛らしい赤ちゃんが、ダブダブの大きな服から手や足を順番に出していく、それだけのシンプルな絵本です。 けれど、きちんと起承転結がつけられているところがすごい!ストーリーになっているのです。 また、「おてて」「おかお」と出てくる言葉は全部日常的に使われているものばかりで、読む側もとっても読みやすく、子どもと一緒に言葉のお勉強にもなりそう。 息子にはねんねの0歳の頃から読んでいますが、反応しだしたのは1歳になったくらいからでした。やはり、ある程度「おめめ」や「おかお」という言葉が理解できるようになってきた頃に面白さがわかるようです。「おかお」の部分でお顔をさすってやったり、ちょっとボディタッチも加えると大喜び。何度も読んでほしがります。 私自身も好きな絵本のひとつです。 (たっちママさん 30代・ママ 男の子1歳)
でたー
お着替えのときに、絵本と同じように 「おててはどこかな〜」「あった〜」「でた〜」と言いながらしています。 少しずつ言葉がわかるようになってきた今、 袖から手が出ると「でったー!」 絵本で見て聞くのも、実際お着替えするのもどちらも楽しそうです。 (さわかママさん 30代・ママ 女の子1歳)
実際におきがえの時にも、絵本と同じような声かけをしている……というママたちがたくさんいるようです。想像してみてください、我が子の可愛い頭が、顔が、おててが、やっとこさ「すぽんっ」と出てきた瞬間を。なんて愛らしいのでしょう……。まだまだ不器用なこの時期のやりとりを、存分に味わってくださいね。
【こちらも合わせておすすめ!】
ひとりではけるかな?『パンツのはきかた』
『パンツのはきかた』(福音館書店)作/岸田今日子 絵/佐野洋子
自分ひとりでパンツがはけるようになったら、もう立派なものです。こんな可愛らしい歌と一緒に「パンツのはきかた」覚えちゃいましょうね!
オムツを卒業して、自分ひとりでパンツがはけるようになることは、小さな子ども達にとって一大イベント!
岸田今日子さんの優しく口ずさんでいるような語りかけで、子ども達は一生懸命パンツをはくのでしょう。最後にはそのまま楽譜になっているので、歌うこともできるんですね。
そして、そのパンツをはかせるのがほっぺ体もほんのりピンクのこぶたの女の子にしちゃうところが、佐野洋子さんの愛嬌。真ん丸の体でパンツをはこうとすると、やっぱり…ころん、ころん。
一生懸命な表情も、パンツをぎゅーっとひっぱっているポーズも、ちょっと自慢気になっている様子も、開くページ全ての絵が、部屋中に飾っておきたいくらいの愛らしさ。
さぁ、あなたも自分ひとりでパンツをはいてみましょ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
※『絵本ナビ』より引