画家・絵本作家として活躍した、いわさきちひろの美術館
null今回、vol.1でおすすめする美術館は、2017年9月に開館40周年を迎えた『ちひろ美術館・東京』。画家、絵本作家として活躍したいわさきちひろの自宅兼アトリエ跡に作られた、絵本専門の美術館です。
いわさきちひろは、来年生誕百周年を迎える1918年生まれ。繊細な色彩とタッチが特徴の絵は、とくに赤ちゃんや子どもの姿、そして表情が美しいことで現在も人気が高く、多くの人々を魅了しています。
水彩画の淡いにじみを利用して指先や花びらを描く、さりげないのに高度なテクニックがたまらなくステキです!
美術館では、彼女の原画はもちろんのこと、国内外の絵本や原画を保存、公開しています。
ちひろ美術館のコンセプトは「ファースト・ミュージアム」
null子どもたちが人生で初めて訪れる美術館“ファースト・ミュージアム”でありたいという願いから、展示する絵を通常の美術館よりも低めに設置しています。背の小さい子でも背伸びをせずに鑑賞できる気配りがうれしい!
また、内藤廣設計の建物も、館内はベビーカーがスイスイ通れるオールバリアフリー仕様で、細やかな心配りが随所にちりばめられています。
復元されている生前のアトリエも注目。使用していた食器や家具などは当時の最先端のものばかり。ちひろは、どうやらかなりのオシャレさんだったそうです。
また、展示室だけでなく、ちひろが手掛けたものを含め、国内外約3,000冊の絵本を自由に読める図書室や、赤ちゃん用の絵本やおもちゃなども用意され、授乳室がある「こどものへや」もあります。
美術館の椅子やテーブルは信州の家具作家や、家具デザイナー・中村好文のものです。座り心地も満点!
そのときのお子様のテンションにあわせて絵を見たり、遊んだり、臨機応変に行動を切り替えられるのはうれしいですね。
そして、ちひろが愛した草花が四季折々咲く「ちひろの庭」ものんびりできる癒やしの場所。
さらに、うれしいのはカフェのメニューが充実していること!
展示作品や、季節にあわせたオリジナルスイーツやスープが味わえ、さらに美術館のカフェとは思えないほどアルコール類、とくにベルギービールが充実していてお酒好きにはうれしい限り。明るいうちは親子連れが楽しく、夕暮れ時には大人がしっとりとそれぞれの時間を楽しんでいます。
子どもも大人も楽しめる、ちひろ美術館・東京。単に“絵を見る”だけでなく、美術館全体を楽しんでみようとすると、さらに充実した時間を過ごせると思います。
まずは、天気のいい週末に出かけてみませんか?
【施設情報】
東京都練馬区下石神井4―7―2
開館時間:10:00〜17:00(最終入館16:30)
休館日:月曜
※祝日の場合は開館、翌平日休館
※年末年始、冬期休館あり/展示替えなどで臨時休館あり
最寄り駅:西武新宿線「上井草駅」(徒歩7分)
子どもも美術館を楽しむには?
nullお子さまと一緒だからといって、美術館に行くのを躊躇していたりしませんか?
このごろは、ちひろ美術館・東京のように子ども連れも歓迎してくれる美術館や、お子さま向けのサービスを行っている美術館が増えつつあります。気になる美術館、展覧会があったらまず確認したいことをご紹介します。
(1)ベビーカーの貸出や授乳室、おむつ交換台のチェック!
施設の充実を図っている美術館が急増しています。美術館でなにが用意されているのか事前に把握しておくと、お出かけも少し安心。
(2)お子様向けワークショップや解説書もチェック!
不定期開催だったり、予約制だったりするものの、赤ちゃんやお子様向けの鑑賞ワークショップを行っている美術館も増えています。また、わかりやすい子ども用の解説書を用意しているところも(これが、大人にもわかりやすいのです!)。
事前にWEBサイトなどをチェックして情報を入手しておきましょう。
(3)羽織るものを1枚用意!
美術館内の室温や湿度は、人間ではなく作品が過ごしやすい環境に設定されているので、美術館によっては大人でも寒さを感じることも……。
お子さまと一緒に出かけるときは、カーディガンなど羽織るものを1枚持って行きましょう。
(※情報は2017年10月現在のものです)