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ワイヤーとノンワイヤータイプ、どっちを選ぶ?下着メーカーに聞く「ブラジャー」の正しい選び方

女性にとって日々欠かせないアイテムである「ブラジャー」に、皆さんはどんなこだわりを持っていますか? そこで『kufura』では20〜50代の女性384人を対象にブラジャーに関するアンケート調査を実施。さらに下着メーカー『ワコール』にて、ブラジャーの正しい選び方についてお話を伺ってきました。

「kufura」読者の約6割はノンワイヤータイプを愛用!

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まずブラジャーのタイプで大きく分かれるのが、ワイヤー入りタイプとノンワイヤータイプ。それぞれの良さがありますが、皆さんはどちらを愛用していますか?『kufura』で実施したアンケート調査では以下の結果となりました。

ワイヤー入り…126人(32.3%)

ノンワイヤー…235人(61.2%)

その他…23人(6.0%)

全体の約6割が「ノンワイヤー」を選択しており、「ワイヤー入り」は全体のおよそ3割と少数派であることが分かりました。そもそもワイヤー入りとノンワイヤーは、どちらをどのように選ぶのが正解なのでしょうか? そこで下着メーカー『ワコール』の広報・平塚恵子さんにお話しを伺いました。

「バストの造形性やサポート力を重視するならワイヤー入りがいいですし、ゆったりリラックスした着け心地を重視するならノンワイヤーのブラジャーがいいと思います。どちらを選ぶかは人それぞれお好みによるところで正解はありませんが、当社が実施しているアンケート結果でも、最近はワイヤー入りよりもノンワイヤーを選ぶ方が多い傾向にありますね」(以下「」内、平塚さん)

ちなみに『kufura』のアンケートで「あなたが『ノンワイヤーブラジャー』を着用する理由を教えてください」と尋ねたところ「締め付けがなく楽」「ワイヤーは当たって痛い」といった意見が多く集まりました。

「ノンワイヤーが増えているのはリラックス性を重視する人が増えている一方で、近年はノンワイヤーブラジャーが進化していることもあると思います。ワイヤーがなくてもバストのサポート力があるものもあります。

ただワイヤーブラジャーに対する“痛い”というお声に関しては、もしかしたらそもそもブラジャーのサイズが合っていない可能性もあるのではないでしょうか? もしここ1年でバストのサイズを計測していない場合は、再計測をおすすめします」

ノンワイヤーブラの台頭は目覚ましいもの。

わずか1年間でバストのサイズや形は変化する!?

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『ワコール』が実施した調査によると、1年以内にバストサイズを測ったことがある人はたったの2割だそう(※)。それにしても、わずか1年でバストサイズはそれほど変化するものなのでしょうか?

ワコール 下着やからだのシラナカッタ事実大調査

「1年間で体重の増減はもちろん、加齢による体型の変化も生じます。また自分のブラジャーのサイズと実際のバストサイズが合っていたとしても、ワイヤーにはカーブのタイプがいろいろあることをご存じでしょうか?

ワイヤーがバスト脇に当たって痛い場合は、バストとワイヤーのカーブがあっていない可能性があります。

また、“前中心”と呼ばれるブラジャーの真ん中部分。前中心のワイヤーの位置が高いブラジャーと低いブラジャーがあり、高い位置にある場合はバストにあたってしまうこともあります。その場合は前中心が低いブラジャーを選ぶことで、痛みが軽減されるかもしれません」

バストサイズを計測する際、おすすめなのは『ワコール』などの下着売り場で計測をしてもらう方法です。その際は下着を購入しなくても問題なく、ただ「計測をしてください」とお願いするだけでもいいそうです。

「『ワコール』ではお客様に正しい下着の知識をお伝えしたり、採寸やフィッティングを行うビューティーアドバイザーがお店にいます。もしワイヤーのブラジャーをつけたいけれども痛みが気になる人は、一度ビューティーアドバイザーに相談してもいいかもしれません」

お店に行くことができない場合は、自分で計測することももちろん可能です。その際には『ワコール』の公式サイトにてセルフ測定の方法を解説した「正しいバストサイズの測り方」の情報も公開しているので、こちらを参考に、ぜひ自分で測定してみてください。

トップバストとアンダーバストの差がカップのサイズになります。

胸が小さい人はワイヤーが必要ない…は間違い!?

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また今回、ワイヤー入りのブラジャーを着用していた人で多かったのは「胸が小さいからノンワイヤーを愛用している」「胸が大きいため、ワイヤー入りの方がしっかり固定される」といった、胸の大きさによってワイヤー入りかノンワイヤーかを決めているという意見もちらほらありました。

確かにイメージとしては胸が大きい人はワイヤーでがっちりと固定したほうが崩れない一方、胸がそれほど大きくない人はノンワイヤーでも問題ないというイメージがあります。果たしてそれは正しいのでしょうか?

「確かにワイヤー入りのほうが大きいサイズの展開が豊富なので、必然的にバストサイズが大きい人が選ぶ傾向にはあると思います。とはいえバストサイズの大きさによってブラジャーの適正が異なることは基本的にはないです」

つまり、バストの造形性を高めたいならワイヤー入りのブラジャーが効果を発揮するのです。

「カップ付きキャミソール」はシーンによる使い分けがおすすめ

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その一方で、バストのサイズが小さい人は「カップ付きキャミソール」を愛用している人も多いのではないでしょうか? 『kufura』のアンケート調査にて「『カップ付きキャミソール』などを着用することはありますか?」と尋ねたところ、以下の結果となりました。

よくある…109人(28.3%)

たまにある…87人(22.6%)

ほぼない…188人(48.9%)

半数近くが「ほぼない」と回答していますが、約3割が「よくある」と回答。日常的にカップ付きキャミソールを愛用している人は一定数存在していることが分かります。カップ付きキャミソールはブラジャーよりも締め付けが楽でよりリラックスできますが、ホールド感に不安があるのも事実。果たして着用するのはアリなのでしょうか?

「着用するのはもちろん問題ありませんが、シーンによる使い分けをするのがおすすめです。例えばリラックスをしたいときや、ちょっと家の近くまで外出する時などはカップ付きキャミソールにするなど。また、お仕事や友達とお食事に行くときはノンワイヤーのブラジャー、仕事や外出の際もシルエットを整えたいときはワイヤー入りのブラジャーでしっかりバストの造形性をつくるのもいいと思います。

ただ注意してほしいのは、カップ付きキャミソールも適正のサイズを選んでほしいということです。サイズがゆるいとカップの中でバストが動いてしまい、ブラジャーを着用していない状態に等しくなってしまいます」

確かにバストサイズが小さめの人の場合、カップ付きキャミソールに限らずカップが浮いてしまうことはよくあります。SMLといったサイズ展開も多いので、自分のサイズに合うブラジャーやキャミソールを選ぶのが難しくなってしまう。バストが小さい人も下着選びにこだわり、専門メーカーのブラジャーを選ぶのも手かもしれません。

カップ付きキャミソールは、夏場や旅行時に便利。

リサイクルもできる!古いブラジャーの処分方法

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ブラジャーは「洗濯時は手洗いをするなど取り扱い表示通り丁寧に対応すれば、長く着用いただけます」と平塚さん。

とはいえどんなに丁寧に扱っていても長く着用すれば、いずれ寿命は訪れます。ブラジャーの替え時や捨て時は、どのように判断すればいいのでしょうか?

「個人の感覚の差がありますが、“くたびれている”と感じたブラは替え時。分かりやすい目安としてはストラップを調整してもずり落ちてしまったり、ブラジャーのサイドのメッシュ部分が波打っていたり、ブラジャーを平らなところに置いた際に左右のワイヤーが非対称になるなどがあります」

ところで皆さんはブラジャーを捨てる際、「燃えるゴミに捨てていいの?」と迷った経験はないでしょうか? そんな人にぜひ知ってもらいたいのが『ワコール』が実施している「ブラリサイクル」というキャンペーンです。現在、『ワコール』のウェブストアにて「リサイクルチケット(572円 ※送料別)」を購入することで、『ワコール』の製品に限らずすべてのブラジャーを対象とした不用品の回収を受け付けています。

方法はチケットを購入すると『ワコール』から専用回収袋が送られてくるので、こちらに不要となったブラジャーを自分で用意したビニール袋などに入れて、封をして郵便ポストに投函。郵便局の窓口への持ち込みも可能です。回収したブラジャーは再生プラスチックに生まれ変わるそう。こちらは2024年3月31日までの期間限定となりますので、興味がある人は早めに試してみてください。

ブラジャーに悩みがある人は、まずバスト測定をするべし

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今回お話を伺って改めて実感したのは、適正サイズを知ることの重要性。ワイヤー入りのブラジャーを着用することによって「苦しい」と感じる人が多い一方で、1年以内にバストサイズを測ったことがある人はわずか2割しかいない。そう考えるとブラジャーに関する悩みのほとんどは、きちんと自分のバストに合ったブラジャーを選ぶことで解決できる可能性があるのです。

また、今回取材に協力していただいた『ワコール』では、ノンワイヤーなのにホールド力のあるブラジャーやAカップでもしっかりとホールドできるブラジャーなど、さまざまなお悩みに適したブラジャーを展開しているそう。どんなブラジャーを選んでいいのか分からないという人はぜひお店に行って、ビューティーアドバイザーの方に相談してみるのもいいですね。

【取材協力】
ワコール https://www.wacoal.jp/

高山恵
高山恵

東京都出身、千葉県在住。短大の春休みより某編集部のライター見習いになり、気が付いたら2022年にフリーライター歴25年を迎えていた。現在は雑誌『DIME』(小学館)、『LDK』(晋遊舎)などで取材・執筆を行うほか、『kufura』などWEB媒体にも携わる。

執筆ジャンルは、アウトドアや子育てなどさまざま。フードコーディネーターの資格も持つ。

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