ミスの原因は「集中力の低下」「電話への苦手意識」「メモの取り忘れ」⁉
nullアンケートでは仕事のミスに関する、さまざまな原因や理由が寄せられました。中でも多かったのは、以下3つの悩みです。
悩み1:「集中力の低下」がミスを招く!?
「集中力がなくなって文章を打ち間違える」(25歳/その他)、「集中できなくなってミス」(46歳/コンピュータ関連以外の技術職)など、集中力の低下がミスを招いている、という回答が多く見られました。
悩み2:「電話の苦手意識」がミスへと発展!?
「電話の応対ミス」(34歳/総務・人事・事務)、「電話を受けて、メモする前に相手の名前を忘れてしまう」(42歳/その他)など、電話対応で悩む声が目立ちました。
悩み3:「メモの取り忘れ」で混乱!?
「メモの取り忘れ」(27歳/主婦)、「メモをし忘れて、聞いた内容自体を忘れ、同じミスを繰り返す」(52歳/総務・人事・事務)など、メモの取り忘れが原因でミスをするというケースが見られました。
具体的に解決していくにはどうしたらいいのでしょうか? 代表的な質問について、行動科学コンサルタントの冨山真由さんに考えていただきました。
【お悩み相談室:これまでの記事をチェック】
【悩み1:集中力の低下】30秒間でもOK!こまめに休憩をとる
nullQ.1 集中力がなくなって、計算ミスや入力ミスなどささいなミスが増える(32歳・その他)
A.1 意識してこまめに休憩を入れてみてください
「集中力がないんですよ、という相談はよく受けます」と冨山さん。しかし、どんな人でも2時間以上の集中力は持続しないといいます。
「2時間、3時間通しで作業をやり続けると、ミスが発生しやすくなるというのはデータでも立証されています。例えば15分ごと、45分ごととタイミングを決め、意識して休憩をとってみてください」
しかし、あまりこまめに席を立つと、目立ってしまう職場もあるのでは?
「その場合は、席に座りながら伸びをするとか深呼吸をするとか、他の人に気づかれない方法で。環境を少し変えるだけでリラックス効果が得られます。3分以上がベストですが、30秒間でもそれなりの効果があるので、無理のない範囲でやってみてください」(冨山さん)
【悩み2:電話の苦手意識】トークスクリプトを準備して、自分自身を焦らせない!
nullQ.2 電話の取次ぎが苦手(33歳/主婦)
A.2 トークスクリプトを作りましょう!
「最近は家庭に電話がなく、人に取り次ぐという習慣がありません。確かに電話が苦手という人は年々増えていますね」と冨山さん。苦手意識の高い人には、「はい、〇〇商事です」「〇〇におつなぎします」など一連の流れをトークスクリプト化して、手元に置きながら対応するのがおすすめだそうです。
「電話応対はとてもルーティンな作業です。恐れず、“慣れる”ことからはじめてみてください」(冨山さん)
Q.3 電話の聞き取り間違いをしてしまう(37歳/金融関係)
A.3 聞き取れなかった時は“ゆっくり”“丁寧に”聞き返してみてください
「もし聞き取れなかったら、2回ぐらいなら聞き返すのは失礼にはあたりません」と冨山さん。重要なのは、聞き返すときの口調だといいます。
「対面でもそうですが、電話であっても自分の心境は相手にうつりやすくなります。例えば、こちらが焦って聞き返したら、相手もイライラしてしまい、早口で返します。逆に丁寧に聞けば、相手もゆっくりとした聞き取りやすい口調で返してくれます。ぜひ心がけてみてください」(冨山さん)
【悩み3:メモの取り忘れ】記入項目をフォーマット化しておけばモレがない!
nullQ.4 電話対応やミーティングの時にメモをしっかり取っているが、後から見ると何のことだったのかわからなくなる(26歳/その他)
A.4 電話応対なら「日時・相手先・内容」、ミーティングなら「日付・参加メンバー・会議の目的」など、メモに必要な項目をフォーマット化しておきましょう
「この方は右脳(感性)でメモを取って、後で左脳(理性)の頭で見直したら内容が分からなかった、というケースかもしれません」と冨山さん。
こういう場合は、書き留めておかなければならない必須項目をあらかじめ決めておき、それに沿ってメモを取るのがよいそう。
「電話にしても、ミーティングにしても、メモとして残しておくべき内容は大体決まっています。フォーマット化しておけば、後から見直しても何が書いてあるかが一目瞭然ですよね」(冨山さん)
Q.5 ついメモを取り忘れてしまう(33歳/その他)
A.5 常に「メモを取る準備」をしておきましょう
「最近は、会議にメモ帳を持ってこないという人もいるみたいですね」と冨山さん。そういう人にはまず、メモ帳の準備からアドバイスをするケースもあるとか。
「そうではなく、ミーティングの途中についぼうっとして、大切なことを書きそびれてしまう、というのであれば、また別の問題です。事前に開催する目的を把握しておき、何を書き留めておくべきかを決めておきましょう」(冨山さん)
もしそれができない場合は、自分が気になったキーワードやミーティングの結論だけでも最低限書いておくと、仕事上のリスクヘッジになりやすいとのこと。
いかがでしたか?
加えて、冨山さんは「ミスは、なぜそうなったのか原因を突き止め、対策を取ることが第一。決して自分を責めないでほしいです」とアドバイス。
ミスをしない人間はいない。そう思って前向きに仕事のミスを減らしていきたいですね!
取材・文/濱登良子
【取材協力】
冨山真由
行動習慣コンサルタントの第一人者。人の行動に焦点をあてる手法と技法を提供。大手企業から業種業態を問わず幅広く研修を導入し登壇。著書に『1%の素敵な人だけが実践しているなりたい自分になる方法』『今すぐ!集中力をつくる技術』『どうして?自分に聞く力で問題解決!』など。